表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
家族で異世界に行ってみた  作者: りゅうポン
第一章 アイリーン王国とワグーナ王国
7/45

絵本の中の騎士様

群像小説のため、単話で読むと、場所が分り難いと思われますので、一応、1話ごとに場所を書いておきます。


異世界:ワグーナ王国

 ◇ エレナ 一 ◇


「お前が見込んだ騎士ならば、立派な騎士なのだろう。好きにするが良い」

「ありがとうございます」

 ルカワが私の専属騎士になる事を、お父様からも了承を得る事が出来た。

 ここは父の寝室、滅多に入室する事はないのだが、どうしても叶えたい要望がある時は、直接、お願いをしに来る事がある。

 因みに、ルカワという名前は寝室でのやり取りの後に確認をした。


 ガチャ!

 自身の寝室に戻る。

「やった、私にも遂に専属の騎士が、しかも聖騎士!」

 私は小さく拳を握り締めた。

 え、性格が全然違うって?

 あれは王女としての建前に決まっているじゃない。

 こっちが、本当の私。せめて、自分だけでいる時くらい、自由にしないと息が詰まるわよ。

 それにしても、カッコイイ騎士だった。一目惚れとは、こういう事を言うのだろう。

 ずっと、夢を見ていた。私だけを護ってくれる騎士様に出会う事に。

 胸に抱えている絵本を、私はギュッと抱きしめた。

 もちろん、私にも王女を護る精鋭の騎士達はいるが、その中には、私が望んでいる騎士はいない。

 私が大好きな絵本に出てくる騎士様は、たとえ相手が王女であったとしても、対等に意見を言ってくれる。そんな方なのだ。

 この国の騎士は、王家に対して従順に仕えるように教育がされている。

 本来、王女の私にとって、それは望ましい教育なのだが、同時にその環境の中では、私の願望を満たしてくれる騎士が現れる事はなかった。

 正直、私自身、諦めかけていた。王女と対等に接する事が出来る騎士が現れるという事など。

 ところが、この国の者ではない騎士が、何の因果か、私の寝室に現れた。

 これが運命と言わずして、何と言う事が出来るだろうか。

 ……まあ、妹も一緒であったのは誤算であったが……

 それも、きっと、私の専属の騎士になってもらう、布石だったに違いない。多少(と思う)、強引ではあったが、私の騎士にする事は出来たのだ。

 まだ、実際の実力の程は分からない。

 現実を見て、幻滅する事もあるかもしれない。

 しかし、憧れの騎士様の出現に、私の心はとても高揚していた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ