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家族で異世界に行ってみた  作者: りゅうポン
第一章 アイリーン王国とワグーナ王国
6/45

知ってるくせに

群像小説のため、単話で読むと、場所が分り難いと思われますので、一応、1話ごとに場所を書いておきます。


異世界:ワグーナ王国

 ◇ ルナ 一 ◇


「もう、お兄ちゃん、酷いよ!」

 僕は、お兄ちゃんの腕を掴んで言った。

 ここは、王女エレナさんの隣の部屋。

 お兄ちゃんが、エレナさんの騎士になってしまったので、隣の部屋を使わせてもらえる事になった。 寝たふりがバレている事は分かっていた。

 僕のお兄ちゃんだから。

「普通の事だろ」

 ……普通って何……

 それで、僕は自分の気持ちに嘘をつかないといけないの。

「……僕の気持ち……知ってるくせに……」

 思わず、言ってしまった。

 僕の事を護ってくれた事は頭では分かっている。

 それでも、エレナさんの騎士になった事は嫌だった。

「何の事?」

 お兄ちゃんは、僕が何に対して怒っているのか分からないという顔をしている。

「……兄妹だから、そんな関係ではないって言った……」


 お兄ちゃんの顔を見る。

 お兄ちゃんは困った顔をしていた。

 僕の事を悲しませたくない、お兄ちゃんのそんな気持ちが、表情を通して伝わってくる。

「知ってるけど、俺達は兄妹だし、どうしようもない事だろう?」

 お兄ちゃんの気持ちは分かる。

 だけど。

「……どうして……どうして駄目なの……僕はこんなにも、お兄ちゃんの事が好きなのに……」

 涙が溢れそうになる。

「俺もルナの事は好きだよ、でも、俺達の好きは、恋人としての好きとは違うから」

「違わない!」

 僕は強い口調で言った。

 自然と涙がこぼれ落ちる。

「……違うんだよ……」

 僕が涙を流していると、いつも優しくしてくれるお兄ちゃん。

 でも、この事に関して、お兄ちゃんが優しくしてくれた事はなかった。

「………………」

 いつものように、僕は何も言えなくなってしまう。

「……いつか分かるから……」

 そして、いつもと同じ最後の台詞を、お兄ちゃんは僕に言った。

「……分かった……今日のところは納得する……」

 納得できた事はない。

 けれど、これ以上、お兄ちゃんと言い争いはしたくはなかった。

「ありがとう、ルナ」

 お兄ちゃんが私の頭を撫でる。

 口喧嘩をしたばかりなのに、こんな小さな優しさで、僕の心は満たされてしまう。

 お兄ちゃんを好きになってはいけない。

 ずっと一緒にいるから、お兄ちゃんのダメなところも分かっている。


 ……それでも好きになってしまったら……どうやって諦める事が出来るのだろうか……

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