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家族で異世界に行ってみた  作者: りゅうポン
第一章 アイリーン王国とワグーナ王国
2/45

あれ、これって演出?

群像小説のため、単話で読むと、場所が分り難いと思われますので、一応、1話ごとに場所を書いておきます。


異世界:???

 ◇ アキラ 二 ◇


「何者!」

 大きな声が建物の中に響き渡る。

 同時に、僕は目を覚ました。

「え、建物の中?」

 先程までは、洞窟の中にいたはずである。

 頭が混乱していた。

「その無礼、ここが女王の間、エストリア女王の御前と知ってのことか!」

 台詞から推測すると、ここはどこかの王国の女王の間。僕は今、その女王の間の中心にいる。

 正面の玉座には、エストリアと呼ばれていた女王が座っていた。

 叫んでいたのは、隣にいる大臣と思わしき人物。

「引っ捕えろ!」

 掛け声と同時に、両側にいた兵士が動き出す。

 僕はあっという間に押さえつけられた。

 首筋に槍の刃を当てられている。

「牢屋に閉じ込めておけ!」

「……あれ……」

 状況を頭の中で整理する間もなく、僕は女王の間から連れ出された。


 ガシャン!

 牢屋に錠がかけられる。

「……あれ……」

 僕は牢屋に閉じ込められた。

「えええええええええぇぇぇぇぇ!」


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 皮肉なことに、牢屋に取り残されて、ようやく僕は出来事を整理する時間を作る事が出来た。

 家族でダンジョン体験のアトラクションに参加して、洞窟の中の扉を開いたら光に包まれて、目が覚めると兵隊に囲まれていて、いつの間にか牢屋に投獄。

 ……何これ……

 ダンジョン体験のアトラクションに参加していたのだから、これも演出の一つなのか?

 一緒にいた、レイカ、ルカワ、ルナはどこに行ったんだ?

 ……何か、客に対する扱いが雑だし、一人に対して、スタッフの人数が多過ぎるような気もするが……

 考えていても仕方がない、ここは待つしかないか。

 僕はしばらく待つことにした。 


 十分経過。

「………………」


 三十分経過。

「………………」

 

 一時間経過。

「いや、おかしいよ!」

 自分しかいないのに、思わず声に出してしまった。

 演出なら放送も無しに、こんなに待たせるはずがないし、スタッフも誰一人いない。

 それによくよく思い返すと、さっき押さえられた時に首筋に当てられた槍の刃は、レプリカではないような感触だった。

「……あっ……」

 気になって、首筋を触ってみると、手にうっすらと血がついている。

 え、何これ、もしかして、本当にファンタジー世界に来ちゃったの?もしくは、中世の時代にタイムスリップしたとか?

 ……出来れば、前者のファンタジー世界の方が、個人的には興味もあるしマシなのだが……

 ただ、今の状況を考えると、そんなことは大した問題ではないのだろう。


 ……何も分からない場所で、しかも投獄されて、僕は生き残る事が出来るのだろうか……

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