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「その通リ! 噴水広場は、何番乗り場かわかル?」
真緒だけでなく、麗華や遊もそこまで覚えていなかったので、3人とも黙ってしまった。
「確か、4番だったはず」
貴夜がぼそりと答えた。
「そう! よく覚えているネ! 次の発車は5分後。少しだけ急いでチョ!」
「ありがと、ラッフィ」
真緒たちが言うと、ラッフィは行ってらっしゃいと言って台座から皆を見送る。入儀式の日と違い、バサバサと羽を広げたりして元気に飛び跳ねていた。
「着いたね」
「もしかして、ここ?」
遊と麗華が前方を眺めながら会話する。真緒もあたりを見回した。
噴水広場は芝生が広がり、手入れされた木々や花々があちらこちらにある。大通りへと繋がる細い道は、薄い紫や青色をした綺麗な石でできていて、幾何学模様になるようにうまく組み合わされ、敷きつめられている。
「こんな場所があったなんて、信じられない!」
地上では見たこともない景色に、麗華が見とれた表情で言う。
「うん、すごく素敵なところ」
「いいね!」
「ああ」
真緒、遊、貴夜も、色鮮やかな景観に見入った。
「でも、集合場所ってここだけど、一体どのあたりで待ってたらいいんだろう?」
遊がきょろきょろと首を振り、秘人の集まっている場所を探す。左は、少し離れたところに噴水があり、道と同じ石でできた台の上から清らかな水が吹き上がっている。右は、大きなドーム型の白い建てものが1つあった。何本かの円柱と半球型の屋根だけのシンプルな造りになっているため、とても開放的に見える。
「あそこか?」
貴夜が近くの掲示板を見て、右を指した。
「行ってみましょ」
麗華が歩きだす。真緒たちも連れ立った。歩くたびに、道の石がキラキラと光る。真緒は歩くのがこんなに楽しいなんて生まれてはじめてだと思った。
「やっぱりここだね。ねぇ、貴夜、今何時?」
「もうすぐ、18時半だ」
ドーム型の白い建てものに着き、遊が言うと、貴夜がポケットから光る懐中時計を出して答えた。近くには新見習いの何人かがすでに集まっていた。
「わぁ、貴夜くんのその時計、綺麗」
「真緒、この懐中時計なら、今度行く霧雨通りでも売ってると思うわよ?」
「そうなのか?」
麗華の言葉に、真緒ではなく貴夜が答えた。




