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闇のペンタクル  作者: 侑佐
入儀式
46/105

13

 真緒が遊のそばに行くと、麗華や貴夜も座っていた。


「真緒、お菓子食べる?」


「え? いいの?」


 いろんな菓子の入った袋を麗華に差しだされ、真緒は戸惑った。


「いいわよ、遠慮しないで」


「ありがとう」


 真緒は麗華の袋の中から棒付きキャンディーを取った。ミルキーピンクと黄色の縞模様で、甘いにおいがする。真緒の向かいに座る遊と貴夜も、真緒と色違いのキャンディーを片手に持っていた。


「真緒ちゃん、ニーニの家に行ったらきっとびっくりするよ!」


「どうして?」


「ニーニの家、お菓子だらけですごいんだ! お菓子の家やチョコレートの噴水まであるんだから!」


「遊が言うと、おおげさだわよ。お菓子の家って言っても小さいし、チョコの噴水だってそんな大したことないんだから」


「でも、聞いているだけでも夢みたいで、なんだかすごい……」


「良かったら、真緒も今度私の家に招待してあげる」


「え? 本当? 行っていいの?」


「もちろん! でも期待しないでよね」


「うわぁ、嬉しい! ありがとう!」


 真緒は思わず麗華の手を握った。満面の笑みで目がらんらんと輝く。


「ちょっとバカ! やめてよ、遊みたいだわよ」


「えぇっ? なにそれ? それって僕のことバカにしてるってこと?」


 遊と麗華が、わぁわぁ言い合った。バスの中では軽い飲食が許されているため、学園前に着くまでの間、真緒たちはおしゃべりしながら菓子を食べて過ごすことにした。


「ハイド魔法学園前、ハイド魔法学園前、到着でーす!」


 バスガイドの荒井瀬さんが到着を知らせた。


 真緒たちはバスを降りて地下に行く。プラットホームの前では、ペリカンの銅像、ラッフィが出迎えてくれた。


「クワーッ! 元気? クワックワッ! 新見習いたち、今日からオリエンテーション! どこに行かないといけないか、覚えてル?」


 入儀式の日と同じく、ラッフィはたちまち銅像から本物のペリカンの姿に変わった。


「えと、噴水広場だっけ?」


「ええ、噴水広場って言ってたわ」


 遊と麗華の言葉に、真緒と貴夜もうなずく。


 

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