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真緒が遊のそばに行くと、麗華や貴夜も座っていた。
「真緒、お菓子食べる?」
「え? いいの?」
いろんな菓子の入った袋を麗華に差しだされ、真緒は戸惑った。
「いいわよ、遠慮しないで」
「ありがとう」
真緒は麗華の袋の中から棒付きキャンディーを取った。ミルキーピンクと黄色の縞模様で、甘いにおいがする。真緒の向かいに座る遊と貴夜も、真緒と色違いのキャンディーを片手に持っていた。
「真緒ちゃん、ニーニの家に行ったらきっとびっくりするよ!」
「どうして?」
「ニーニの家、お菓子だらけですごいんだ! お菓子の家やチョコレートの噴水まであるんだから!」
「遊が言うと、おおげさだわよ。お菓子の家って言っても小さいし、チョコの噴水だってそんな大したことないんだから」
「でも、聞いているだけでも夢みたいで、なんだかすごい……」
「良かったら、真緒も今度私の家に招待してあげる」
「え? 本当? 行っていいの?」
「もちろん! でも期待しないでよね」
「うわぁ、嬉しい! ありがとう!」
真緒は思わず麗華の手を握った。満面の笑みで目がらんらんと輝く。
「ちょっとバカ! やめてよ、遊みたいだわよ」
「えぇっ? なにそれ? それって僕のことバカにしてるってこと?」
遊と麗華が、わぁわぁ言い合った。バスの中では軽い飲食が許されているため、学園前に着くまでの間、真緒たちはおしゃべりしながら菓子を食べて過ごすことにした。
「ハイド魔法学園前、ハイド魔法学園前、到着でーす!」
バスガイドの荒井瀬さんが到着を知らせた。
真緒たちはバスを降りて地下に行く。プラットホームの前では、ペリカンの銅像、ラッフィが出迎えてくれた。
「クワーッ! 元気? クワックワッ! 新見習いたち、今日からオリエンテーション! どこに行かないといけないか、覚えてル?」
入儀式の日と同じく、ラッフィはたちまち銅像から本物のペリカンの姿に変わった。
「えと、噴水広場だっけ?」
「ええ、噴水広場って言ってたわ」
遊と麗華の言葉に、真緒と貴夜もうなずく。




