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闇のペンタクル  作者: 侑佐
入儀式
36/105

 真緒たちはあたりを見回すが、近くには帽子をかぶったペリカンの銅像と、さまよういくつかの人魂だけで、誰もいない。


 気のせいかな? そう思った真緒は、ペリカンの銅像と目が合った。ペリカンの目が、ぱちくりと開閉する。


「えっ?」


 真緒は錯覚だろうかと思い、目を凝らしてもう一度見る。


「クワッ、クワクワー! おいらの名前はラッフィ! 皆、こっちに注目してチョ」


 いきなり銅像が大声を出したので、真緒はビクッと体をふるわせ、後ずさった。


「わっ、ビックルリ!」


 ペリカンの像、ラッフィも、驚く真似をした。体がみるみるうちに色づき、羽を広げて片足を上げている。


 それに気づいた見習いたちが、ラッフィを取り囲むように集まってくる。皆の目が好奇心に満ちていた。


「おいらは、ここの駅で新しい見習いたちに箱列車についての説明を任されてル。だから、皆は今からおいらが話すことをよーく聞くよーにっ!」


 ラッフィは台座の上で誇らしげに胸を張り、かぶっている紺色の帽子をわざと斜めにかぶり直した。


「ここの駅は、ハイド魔法学園前という駅で、ハイド魔法学園の敷地内なんだ。だから、ハイドの見習いたちは、ここから箱列車に乗って移動することが多いんだ。向こうに見えル、1から5番乗り場までが学園の授業場所、書物庫、食堂、噴水広場、そして今から行ってもらう儀式場行きとなってル。6から8番乗り場が、ハイド学園寮行き。まだ新見習いには関係ないネッ! 9から12はその他の学園都市行きになってるヨ。9から12以外、つまりハイドに関する建てものはここから歩いても行けるけど、体力を少しでも残しておきたかったり、時間に余裕を持たせたいと思うなら、箱列車に乗った方がいいヨッ! ここまでで、なにか質問はない?」


 ラッフィが皆に言うと、早速ひとりの少女が質問した。真緒がバス停で出会った包帯をぐるぐるに巻いた少女だった。


「もし歩いたら、ここから授業場所までどのくらい時間がかかるの?」


「その授業場所にもよるけど、近いところだと15分くらい。遠いところだと、どうかなぁ……40分以上かかるかもネッ! 儀式場が一番奥にあって、歩けば100分、約1時間半くらいはかかると思うから。他に質問は?」


「時刻表とかは? あるの?」


 麗華が問いかけた。


「うん、あることはあるヨッ! でも、基本的に箱列車は往復して帰ってくるから、遠い儀式場とかだと、1時間に1本だし、時間通りきっちりってこともないから、どこに行くにしても早めに来た方がいいネッ!」


「あ、あのぅ……すみません」


 質問するべきか迷っていた少女が、控えめに挙手した。桃色の長い髪を左右2つに分け、耳上の位置でくくっている子だった。


「なにかな? 言ってみてチョ!」


 首を傾げるラッフィに、少女は思い切るように尋ねた。


「あなたは、本当にラッフィなの? ラッフィじゃ、ないよね?」


 聞いていた真緒たちは驚き、その場がざわめいた。皆、口々にどういうことだと言う。真緒もわけがわからなかった。


「クワーッ! なにを言うんだ? おいらはラッフィだヨッ!」


「え、でも、ラッフィは……死んだはず」


 その少女の一言で、さらに場が騒然とし、皆は疑いの目でラッフィを見た。


 

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