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「じゃあ、テーブルを出すわ」
麗華も人形に名前と番号を記入し、カップの中から8つ折りにされた黒い紙を取りだした。そしてその紙を広げ、紙の真ん中の赤いまる印にカップを置く。すると、紙が硬くなって板に変わり、宙に浮いた。
「で、このテーブルの四隅にそれぞれの人形を置いたら、カップの中から必殺技カードと武器、そしてモンスターパウダー2袋を取りだすの。カードや武器は私たちが使うからひとまずテーブルに置いて、このパウダーをカップの中に入れて振ると、モンスターができるってわけ」
麗華が黄色い粉の入った袋を破ってカップに入れた。テーブルには、人形4体と小さなカード1枚とお武器のようなものが4つ置かれている。
「1袋なら2回遊べるし、2袋を一気に使えば1回だけ。でも、1袋よりも2袋混ぜた方が強力なモンスターができるわ。これがさっき貴夜が言っていた合体ってやつよ」
麗華は、次に2袋目の青い粉をカップの中に注ぎ、ふたをして、それを両手でよく振った。
「皆、準備はいい?」
「武器、まだ選んでないんじゃないのか?」
ふたを開けようとする麗華を、貴夜が止めた。
「ああ、そうだった! 早く選んで」
「俺は剣がいい」
「んじゃ、僕は杖!」
貴夜は剣、遊は杖を、テーブルに置いてあった武器の中からそれぞれ取った。武器はとても小さく、長さはつまようじくらいだった。
「真緒も選んで。武器は剣か杖の2種類しかないんだけど、どっちでもいいわよ」
口もとにこぶしをあてて迷っている真緒に、麗華が言った。テーブルには剣と杖がそれぞれ1本ずつ残っている。
「剣と杖じゃ、どう違うの?」
真緒は質問した。
「出せる必殺技が違うの。どんな感じかは、やってみないとわからないかも」
「じゃあ、杖にしてみる」
「杖ね。いいんじゃない? それを自分の人形に渡して」
そう言って、麗華は残りの剣を取って自分の人形に渡した。すると、手のひらサイズの麗華そっくりの人形が、ぺこりとお辞儀をして剣を受け取った。
「動いた! これ、勝手に動くの? すごい!」
真緒はたまげて、目をパチパチさせた。それから真緒も小さな杖を自分に似た人形に渡す。麗華の時と同様、その人形もお辞儀をして、杖を両手で受け取った。
「じゃあ、はじめるわよ? 順番はさっき決めた通り、遊から時計回りね。出てきたモンスターを倒した秘人が勝ちだから」
麗華がカップのふたを開け、テーブルの真ん中にひっくり返すと、真緒たち3人は静かにじっと見つめた。
麗華に持ち上げられたカップから、もくもくと緑色の煙があふれる。テーブル一面に、緑の霧がかかった状態になった。
「わぁ、ドキドキだね!」
目を輝かせる遊の手には、必殺技カードがすでに用意されていた。




