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「はい、構いません。それで、以上になりますか?」
おばさんが尋ねた。
「以上だね。お会計で、よろしいかね?」
老婆の言葉におばさんはお願いしますと言って、ローブの袖に手を突っ込むと、大きく膨らんだ巾着袋を出してきた。開けると、コインや牙がぎっしり入っている。
真緒は目をまるくした。一体、あの家のどこにそんなお金があったのか?
「おばさん、そのお金……」
「さあ、ここはもう済んだから早く行くよ」
お金を払って、袋を袖に戻したおばさんが先に扉へ向かう。 真緒も後についていった。
「おばさん!」
外に出て、真緒は呼びかけた。
「なんだい?」
おばさんはすたすたと先を行く。
「あの、さっきのお金は……」
真緒は言いにくそうに話しかけた。
「さっきのお金、どうしたんですか? 私、返す自信、ないです」
「別に返さなくていいさ。私はあんたさえ出ていってくれたらそれでいいんだよ」
「そんなこと言って、おばさん、いつも」
「いいんだよ! うだうだ言ってないで、さっさと歩く! 買うものを買ったらすぐに帰るよ!」
真緒の言葉を遮って、おばさんがぴしゃりと話を終わらせた。
気まずい雰囲気のまま、真緒はおばさんと次の店まで歩いた。
「ハイド魔法学園の見習いさんですね? それではこちらへ」
次にふたりが入ったのは、制服専門店だった。その名の通り、いろんな制服が、壁やハンガーラックにたくさんかけられている。さっきの道具店と違って、店の中はとても広くて明るい。天井には大きな光の玉がいくつも浮いていた。
真緒たちを案内する店員の若い女性が、ある一区画の前で立ち止まった。
「こちらがハイド魔法学園の制服でございます。左から、通常着ることの多い制服、作業服、礼服、コートとなっております。コートは防寒用コートとレインコートの2種類がございます」
指をそろえた手で指し示しながら、店員の若い女性が丁寧に説明する。着ている服は白のシャツに黒のベストとタイトスカートで、茶色い髪をうまくまとめていて小綺麗だった。
「どの服もサイズが豊富にございますが、こちらでおはかりして作ることもできます。その場合は仕上がりに3日ほどかかりますので、お早めにご注文ください」
店員がその場で一礼し、速やかに去っていった。




