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闇のペンタクル  作者: 侑佐
闇の町グレイタウン
12/105

11

「今は他に聞くこともないので、我々はこのへんで失礼します。ご協力ありがとうございました」


 茶色いローブの者たちが背を向けて去っていくと、おばさんは扉を閉め、鍵をかけた。それからきょろきょろとあたりを見回し、台所の方へ行って、牛乳をグラスに注ぎ、それを一気に飲み干した。


「おばさん?」


 真緒が話しかけても、おばさんは無反応だった。まるで真緒がそこにいないような、空気みたいな感じだった。


「ああ、なにが必要だったのか、思いだせやしないよ」


 ブツブツひとりごとを言いながら、おばさんが頭を抱えて右往左往する。


「ねえ、おばさん。さっきの秘人たちは誰だったんですか?」


 おばさんに近づき、真緒は質問した。


「私、名前答えたの、良くなかったですか? それに、学校があるの知らなくて……嫌いって嘘だったんですけど。私、なにかまずいこと言ってたらって思うと……」


「あーうるさいねぇ! ちょっと黙ってておくれ! 今はそれどころじゃないのさ」


「ご、ごめんなさいっ!」


 おばさんの邪魔にならないように、真緒は2階に上がった。けれども、さっきの者たちが気になって仕方がない。とにかく、おばさんと話ができるようになるまで待つことにした。


 数時間後、階下からベルが鳴った。真緒はなんだろうかと気になり、階段を下りていく。すると、おばさんが小さな黄色いベルを鳴らして、真緒の方を向いて立っていた。


「いいかい? 今度から私がこのベルを鳴らしたら、すぐに下りてくるんだよ。わかったね?」


「どうして……ですか?」


「理由はどうでもいいんだよ! とにかく、このベルの音が聞こえたら、すぐに下りる。そして、それ以外はできるだけ下りてこないこと。いいね?」


「あ、あの……お風呂やトイレとかは?」


「それは別に構わないさ。だからできるだけって言ってるんだよ! ちゃんと聞いてるのかい? つまり、これが次から私の合図になる。わかったら返事は?」


「は、はいっ」


 おばさんから、ただならぬなにかを感じた真緒は、そこで嫌ですとは答えられなかった。

 

「それと、さっきの者たちは警備隊と言って、茶色いローブをいつも着ている。この町の安全を第一に考えて行動している奴らなんだよ」


「じゃ、じゃあ、私がさっき答えたこと、その……なにか変なこととか、話してなかったですか? 大丈夫でしょうか?」

 

 不安そうに質問する真緒に、おばさんは少し悩む素振りを見せた。


「そうだねぇ。多分、ちょっとは怪しまれたかも知れないけど、今のところは大丈夫だと思うね」


「そ、そうですか」


 真緒はそれを聞いてほっと一安心した。


「問題なのは、これからなんだよ」


 真緒がおばさんの顔を見ると、おばさんは真剣な目で真緒を見つめていた。


 

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