表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
闇のペンタクル  作者: 侑佐
良くない伝説
102/105

「ほら、早く準備をしな。今日から授業だろう?」


「は、はいっ。急ぎます!」


 真緒はすぐに2階の部屋に戻った。入儀式に着た礼服とは違う、新しい制服を着て、かばんに教本とノート、花の茎のようなペン、小瓶に入ったインクを何種類か詰め込んで、忘れものがないか確認した。時計に目をやると、時間がない。1階に下りて朝ごはんを食べることなく、小さなパンを取って家を出た。


 いよいよ今日から授業がはじまる。普通ならワクワクするところだが、真緒はそれどころではなかった。


「おはようございます」


 バスが来るなり、真緒が挨拶して急いで乗り込むと、バスガイドの荒井瀬さんは小さな悲鳴を上げて飛び退いた。


「み、宮本さん?」


「はい」


 真緒は荒井瀬さんに呼び止められて振り返った。


「急に乗ってきて、驚いたわ。気をつけて」


「ご、ごめんなさいっ」


 ぺこりと頭を下げ、再びバスの奥へと進む。すると、紫の髪の少女が真緒の方にやってきた。


「真緒!」


「麗華ちゃん!」


 真緒と麗華は互いに、花が開くような満面の笑みでぎゅうっと抱きしめ合った。


「良かった! 真緒、無事だったのね!」


 真緒はうん、うん、と何度もうなずいてみせた。感極まって、思わず泣きそうになる。


「真緒ちゃん」


 真緒が顔を上げると、遊がいた。


「ゆ、遊くん!」


 遊も変わらず、朗らかな雰囲気で真緒に笑顔を向けていた。


「ふたりとも、無事みたいで良かった」


「うん! 真緒ちゃんこそ! さ、座ろっ」


 そう言って、遊は真緒と麗華が座るいすの前に座った。いつもなら、いすを向かい合わせているはずが、今日は同じ方を向いている。


「あれ? 今日はいすが……」


「うん。貴夜がね」


 麗華が暗い表情で言う。


 その続きを聞かなくても、真緒にはわかった。貴夜がいない。遊の席をちらりと覗き込むが、遊の隣には知らない少年がいた。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ