僕と彼女の関係
ジャッ!と空気を切り裂き振り下ろされた鋭い攻撃を盾で受け止めた。
円形の盾の端から覗く緑色の節くれだった鎌がコキコキとこちらを威嚇するように動いたと思う暇も無く、僕の右手側から更にもう一発、相手の横薙ぎが走る。
速い。だが見えている。
「しっ!」鋭い呼吸音を唇から漏らしながら剣を一閃させた。銀色の刃が相手の左手を切り飛ばし、青っぽい体液を噴き出させる。
ギシャギシャと叫びながら後退する相手の全貌が視界に入った。
緑色の逆三角形の顔、そしてその側面につく黄色い瞳の無い目。その顔を支える細い顔と同色のフレームのような首にその下の胴体から生える二本の腕の先には両方に鋭い鎌が本来ついているのだが、左手の先は僕の一撃で失われた。
ジャイアントマンティスと呼ばれる巨大なカマキリの怪物だ。結構手強いが今の僕ならそれほど恐くは無い。
こちらから仕掛ける。地面を踏んだつま先を思い切り強く踏み込み相手の懐へ飛び込みざま、左下から右上へ振り切った長剣がマンティスの胴体を切り裂き、さらに相手を怯ませた。敵の最後の反撃もスピードが無い。右にワンステップで交わし、側面からの強烈な突きを止めの一撃として見舞う。
昆虫独特の軋むような手応え、刃が通る感触。ビクビクと震える敵に一瞥をくれ剣を引き抜くと、マンティスは糸の切れた操り人形のようにかくかくと崩れ落ちた。
背後でブンと質量が大きいものが振り回される音がした。ガリガリと何かが切り裂かれる音、ドシャリと水分を含んだ物体が倒れ込むような音がそれに続く。
「終わったみたいだな、コバルト」
背後を振り返りながら忠実な青いドラゴンの無事を確認した(無事に決まっているが)。
コバルトはその巨体を曲げながら自分が地に倒した獲物ー七メートルはあろうかという大蛇の首をくわえている。念には念をいれての首折りだ。ペッとその大蛇の首を吐き出してコバルトが「楽勝。マスターもなかなか」と短く答えた。
とりあえずこれで戦闘終了だ。周囲でもっと小型の敵を狩っていた味方もそろそろ駆逐している頃だろう。
王都から徒歩で十日程南西に離れた地での任務八日目、今日五度目の戦いだった。
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十二分に楽しんだ慰労会から約一ヶ月が経過した。この間、特に大きな任務も戦争も無く商隊警護や村や街周辺の怪物退治というそれほど難易度の高くない任務をこなし、まずまずの成果をあげることが出来た。
地道に強くなる、という目標が定まり、またこちらでの生活リズムに慣れてきたのは精神的に落ち着きをもたらしてくれたのだろう、こちらに飛ばされた当初に感じていたどうすれば生きていけるのかという不安感や喪失感は無くなってきた。
剣や盾の扱いも習熟してきたのだろうか、ゴブリンやオークならば五匹くらいまでは相手出来る。さっき倒したジャイアントマンティスのようなやや手強い怪物でも一対一ならば何とかなる。
「だいぶ腕上がったのかな?」
今日の休憩地であるとある小さな町の郊外で僕はコバルトの腹を枕にして横になっていた。季節は夏に差し掛かり陽射しはきついものの、既に夕刻だ。生温い風にあたりながら深く息をして自分の体の状態を把握しながら緊張感をほぐしている。
僕の言葉にコバルトは目を細めた。紅いルビーのような美しい目が夕陽のオレンジを弾き輝きを増す。
「我には剣術は分からぬがかなり良くなったのではないか。もう下級の怪物に遅れはとるまいよ」
保証はせぬがな、と付け加えてコバルトはぐるりと首を回して僕を包む。グルルと低く唸る時は彼の機嫌がいい時だ。
「そうか、まずまず順調みたいだね」
「ああ。もともと筋が良いのだろう、奢らず励めば良い。我の成長にも繋がる」
ゴツゴツした鱗にも体温はある。自分がもたれた表皮からコバルトの体温が伝わり、竜と一体化していくような錯覚を覚えた。
「そうか。ドラグーンの名に恥じないよう頑張るさ。明日で任務は終わりだ、休暇も貰えそうだし少し休むよ」
しばらく連戦が続き、体調はともかく気晴らしがしたかった。それに見えないダメージが蓄積されている可能性もある。
うむ、とコバルトが一言呟く。軽く首をもたげ町の方を見た。
それを合図に僕も立ち上がる。そろそろ夕刻だ。任務を命ぜられた隊員全員が戻るように言われていた。
「よし、戻るか」掛け声をかけて右手を夕陽にかざした。忠実な青竜は一声鳴くと青い光となって僕の右手に吸い込まれた。
成長速度が速いと言われても本人としてはピンと来ていなかったのだが確かにそうなのかもしれない。生まれて初めて武器を手にして僅か二ヶ月そこそこでそれなりに戦えるようになっているのは吸収が速いからだろう。この任務で一緒になった隊員達は新人だったが彼等の誰よりも剣の腕は上という自信はある。
(油断禁物)
今は夜だ。それだけ己に言い聞かせながらベッドに横たわる。一日の疲労が眠気を誘うと共に、体の奥底からうずうずするような感覚があった。
(限界かな、、)
ドラグーンといえど25歳の健康な男子には変わりなく、性的な欲求は人並みにある。ここ二ヶ月余り女性とそういった機会は持たなかったが、健康な肉体はそろそろ異性を欲していた。
日本人そっくりな容貌の女性こそいないが、こちらの女性に魅力的な人がいないわけじゃないし、むしろ美人は多いと思う。
それでもまだ彼女という特定の付き合いをする人はいなかった。
(というか、今付き合いたいと思ってるのって体目当てなのかな。。ダメな男の典型だ)
欲求と倫理の間で板挟みしながら身近の女性のことを思い出す。
パネッタやシャリーは可愛いし、付き合えればいいかもと思ったことはある。あるけどこれは純粋に好意なのかと考えるとちょっと違う気もする。
はあ、とため息をつく。行き先定まらない欲求はしばらく自分で何とかするしかないようだ。
酒井海人、25歳。悶々と過ごす夏の夜だった。
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任務から無事に帰還した僕が最初にすることは着替えと宿舎に郵便が届けられていないかだ。
電話もメールも無いこちらの世界では意外にも郵便局が発達しており、しっかりした住所を持っている人に届けるのは勿論、何々亭の誰々へ、という曖昧な書き方でも出来る限り郵便を届けてくれる。
王都内なら一律で一通3ゴールドのハガキを買えば誰でも利用可能だ。
「あ、パネッタからと、、シャリーからか」
二通の手紙を見つけ、自分の顔が綻ぶのが分かった。可愛い女の子から貰えればやはり嬉しいものだ。
日がくれた直後である。無駄遣いにならない程度に明かりがついた宿舎の共有スペースに陣取り、まずはペーパーナイフで綺麗に封がされたパネッタの手紙を開ける。ハガキでは無いので長文なのかもしれない。
やや斜めに傾く癖のある端正な文字を果実を搾ったジュースを飲みながら読んでいく。だいぶ文字は読めるようになったがまだ日本語並みとはいかないのがもどかしい。
共有スペースには僕と同じように手紙やハガキに目を通す新人が何人かいた。皆、親や恋人からの便りを楽しみにしているのだろう。
「ふーん?」
途中まで読んである一文で僕の視線はぴたりと止まった。
そこには「父、ライトニッツ伯が早く帰って見合いしろとうるさい」とややいらついたような筆跡で書いてある。
前にご飯を食べた時には放任主義的なことを言っていたが、ここにきて方針転換だろうか。
(貴族なら血縁関係は大事だもんな)
ちり、と胸の奥がささくれるような感触があったがこれは今のところどうしようもないだろう。現在、僕とパネッタの間には友人以上の関係は無いのだ。それ以上を望むかどうかは分からないが、少なくとも今は何も無い。
手紙の最後に「相談に乗ってほしいから会えないか」とあったので、とりあえず候補日を書いてハガキを出そうかと思ったのも束の間、直接会いに行くことにした。
パネッタが宿泊している下宿はそれほどこの新人用の宿舎から遠くない。いるかどうか分からないがいなければメモでも置いていけばいいだろう。
そう結論づけて次にシャリーからのハガキを手にとった。基本的にシャリーの文章はあまり長く無い。論理的でテキパキしている。
「今度ケーキ焼くからアッシュと一緒に食べにきてね、か」
思わず声に出してしまった。
隣にいた顔見知りの兵士が「おー、カイト、これシャリーさんからだろ。いいなあ、あんな美人にケーキ焼いてもらってさ」と冷やかすので「羨ましいだろ?貰ってかえってあげるよ」と軽く返した。
そういえばケーキ焼けると獣人の偵察隊に出た時に言っていたなあ。しかし、あの部屋でか、、?
酔っ払ったシャリーを送った時に少しだけ踏み込んだ部屋の様子を思い出した。足の踏み場も無いほど散らかったあの部屋でケーキなど焼けば引火するのではないか、と気が気でならない。
ケーキのお礼に掃除くらいはしよう。あの部屋ではいつ埋もれてしまっても不思議じゃない。
シャリーにはすぐ返事を書くことにした。
都合のいい日を書いて「楽しみにしています」と結びの文を書く。パネッタに会いに行く途中でポストに投函しよう。
「ちょっと出てきます」と守衛に声をかけ、宿舎を後にした。浅い夜はまだ昼の名残を止め、夏の余熱が草の中にたゆたっている。
それでも東京に比べると随分涼しい。こちらの世界には温暖化現象など無いのだろう。二酸化炭素の放出量が全く違うのだから。
10分程歩きパネッタの下宿に着いた。住宅街と商業地区の境目辺りにある広めの一軒家だ。軍に所属する女性なら身元はしっかりしているし、留守も安心だしということで下宿を営む人間には女性の軍属は良い店子だそうである。
チリリン、と呼び鈴を鳴らすと下宿屋のおばさんが顔を出したのでパネッタを呼んでもらうと「5分だけ待ってほしいそうよ」と戻ってきたおばさんに言われた。
「お部屋で寛いでたから着替えたいんですって。女の子よね」
ニコニコと微笑むおばさんに「はあ、そうですね」と相槌を打っている内にパネッタが二階から降りてきた。胸元にボタンのついたTシャツのようなチュニックに七分丈のパンツという身軽な格好だ。
「夜分にごめん。手紙貰ったから」と言うと「それでわざわざ?ありがとう」と笑顔をくれた。
下宿のおばさんに「ちょっと出てきますね」と言い残してパネッタと二人で近くの喫茶店のような店に入る。夜でもアルコールは出さない主義の店らしくあまり騒がしく無いので、話をするにはちょうどいい。
「結構久しぶりだね」「一ヶ月くらいか?慰労会の後に一回会ったきりだから」
僕もパネッタも忙しかったので予定が合わず、ぽつぽつと手紙をやり取りするだけが精々だった。これくらいの緩い距離感がちょうどいい気もするようなもどかしいような。。
隣に人がいない席に案内された。奥が女性、手前が男性のマナーはこちらでも同じだ。
「手紙読んでくれたんだ」
「うん。つい1時間程前にね。お見合いだって書いてあった」
僕の返事に「そう」とパネッタは短く答えた。少し機嫌が悪そうだ。僕に断った上でタバコに火を点ける。
「何件か見合い相手候補の紹介が届いているから、とりあえず一回家に帰って見てみないかと。いつまでも軍にいる気は無いだろうし、身を固めたらどうかとね」
細い人差し指と薬指に挟んだタバコがくるりと回転する。それに合わせて紫煙が揺れた。
「・・全く余計なお世話なんだ。そういうのが嫌だから飛び出したのにな」
「見合いねえ。。全く興味無し?」
「無い」
取り付く島すら無いきっぱりした言葉だった。説明不足かと思ったのかパネッタがもう一度口を開く。
「見合い自体を否定はしないよ。出会いの機会に両家のしがらみが絡もうと本人達次第では良い結婚生活を築けるだろうからね。でもお膳立てされた出会いより自分で見つけた出会いから恋愛がスタートした方がロマンチックじゃないか」
「自由恋愛の方が夢があるって前言ってたよね」
「うん。最終的には見合いで結婚してもいいけれど一回くらいは自分で決めた相手とお付き合いしてみたいわけだよ。前も言ったけどね」
そう言ってパネッタは「18歳で見合いしなくてもいいよね、、」と呟いた。僕にというよりは自分自身に言い聞かせるようだった。
「カイトはどう思う?」
「どうって?」
顔を上げたパネッタと視線がぶつかる。ひどく真剣な顔だ。
「私がお見合いするかもしれない、ということについて何かしら意見は無いのかということ」
なかなか難しい質問だ。自分の気持ちもよく定まらない今、迂闊な事は言えないしパネッタの気持ちは更に分からない。
「一旦断ったら?任務で忙しいとか適当な理由をつけて。どうしてもお父上が推してくるなら紹介状だけでも貰って考えればいいんじゃないかな」
よくよく考えた末の発言だったと思うが、パネッタの顔は晴れない。
「納得してくれるかなあ、、父様しつこいからなあ」とため息混じりにアイスティーのグラスを揺らす。カラコロと中の氷が小さな音をたてた。
「しつこくても自分のしたいことがあるなら主張しないと駄目だよ。まあ、僕からしたら親に会う機会があるだけ羨ましいけどね」
最後の一言を耳にしてパネッタの視線が机に落ちた。僕がこの世界で身寄りが無い(どころか地球上では僕の身体は既に灰と骨だ)になっているのを思い出したのだろう。
「ごめんなさい」
「いいよ。君のせいじゃない」
若干気まずい沈黙の後、僕は支払いを済ませた。パネッタが自分が出すと言ったけど男の面子がある。
店を出て下宿までは遠くない。その短い道のりの間に僕は一つだけパネッタに言っておきたいことがあった。
「君がお見合いしたら多分僕は寂しい」
自分の彼女に対する感情が何なのか名前をつけられないまま、素直に今の気持ちを口に出した。
これは好意なんだろうか、それとも数少ない友人が遠くにいってしまうかもしれないことへの寂寥なのか。
「ありがとう」少しの静寂の後、パネッタの声が優しく僕の右耳に届いた。少し躊躇ったけど右手で彼女の左手を握る。
細い指先の感触と暖かい体温が掌に伝わる。握手では無く、僕の手が彼女の手を包み込むような握り方になっていた。
パネッタは何も言わない。
僕も無言だった。
下宿の前までそうして歩き、何事もなかったかのようにお互いに「おやすみなさい」と手を振った。
宿舎への坂道を歩きながら一度だけ振り返るとまだ門の前にパネッタが立ったままだ。
ほっそりとしたその姿に大きく手を振って僕はそのまま歩き続けた。
******
カイトを見送った後、パネッタ・ライトニッツは静かに下宿の玄関を開けた。「おかえり、パネッタちゃん」と声をかけてくれた下宿屋のおばさんに「ただ今、お湯借りれます?」と尋ねる。
後で使えると聞き、とりあえず二階に上がり自分の部屋に入った途端、ズルズルとだらし無くドアにもたれたままへたりこんだ。
顔が熱い。心臓がドキドキするのが分かる。
「あ、焦った、、!」
前髪をくしゃくしゃと両手でかきあげながらパネッタは呻いた。吐息まで熱い気がするがさすがに気のせいと思いたい。
自分の左手にまだカイトの手の感触が残っているような錯覚がある。ぶんぶんと意味も無く首を振りながら、ベッドに倒れ込むと枕に顔を押し付けた。
(私がお見合いしたら寂しい、か)
手を繋ぐ直前のカイトの言葉が甦る。砂に吸い込まれる水のようにその言葉は彼の柔らかい響きの声もあってパネッタの気持ちにふわりと着地した。
どういった意味かは分からないがとにかく彼が自分のことを少なくとも大事な友人くらいには考えているらしいとわかり、単純に嬉しかった。
だがそのあと手を繋いでくるとは。
不意打ちだった。
そして手を繋いだくらいでこれほど動揺している自分になんだか腹が立つような、素直に嬉しいような奇妙な感情が沸き起こりパネッタは「うー、、」としばらくベッドの上で唸るしか出来なかった。
カイトのことは好ましい異性だと考えている自分がいる。
その反面、じゃあ付き合ってもいいと思っている?と自問するとはっきりイエスとも言い切れない。
向こうが異世界人だからというのは理由では無い。ただ、何でもこの人なら話せるという安心感が大き過ぎて男女の付き合いをする、という事が容易に想像出来ない。
「カイトはドラグーンだし、もてるだろうしなあ、、」
ぽそっと呟いた言葉が虚しく宙を漂う。そうなのだ。本人には自覚が無いようだが絶世の美形とまでは言わないまでも端正な顔立ちに礼儀正しさを兼ね添えたカイトは女性陣の間で人気が高い。
そこにドラグーンという付加価値が付くと熱を上げる女子が増えるのも当然と言えた。
どうも本人から話を聞く限りまだ付き合っている彼女はいないらしく、それを聞くとほっとしてしまう。そんな自分をちょっと嫌な女だ、とは思うがたわいもない話をきちんと聞いてくれてまめに手紙をくれるカイトの存在は日々パネッタの中で大きくなっていた。今日、見合いの話をした時にも冷静な意見をくれたのは嬉しかったのだが、もう少し慌てて欲しかったなとも思う。
「私はカイトのことが好きなのか、、?」
ベッドにごろんと仰向けになる。言葉に出すと途端に意識してしまい「うわああ」と意味も無くゴロゴロとベッドの上でのたうちまわった。
(くっそう、いきなり手なんか繋ぐから意識してしまったじゃないか。。)
相手に不意打ちされたみたいでちょっと悔しい。しかもそれが嫌では無くむしろ嬉しかったので、それがまたパネッタの前髪をくしゃくしゃにさせた。
カイトと今のままずっとというのが一番安定して穏やかだ。だが、彼だってそろそろ彼女の一人くらいは欲しいだろう。もしその気になればドラグーンの立場を貴重視する有力な貴族に婿入りすることも夢では無いし、大概貴族の女子はそれはもう美しく礼儀作法が整っている姫君が多い。
男なら夢中になるだろうなと女のパネッタでも容易に想像出来る。
もし彼女が出来たら自分とは全くとは言わないまでも会う回数は激減するだろうし、態度も今までとは変わってしまうだろう。そんな状況になった場合を想像すると恐怖感すら湧くのだが、さりとて自分がカイトの恋人になって横にいるというのはどうなのだ。
「誰かに取られちゃうのも嫌、けど自分が付き合いたい異性として見ているかどうかは謎、、どうしろと?」
はあ、とため息が出る。カイトは自分のことをどう考えてくれているのかも検討がつかない今、これ以上考えても無駄だと結論づけてパネッタは気を落ち着ける為、お湯を浴びに階下へ向かった。




