絋斗の過去。
昔、あるところに、仲の良い三人がおりました…………。
絋斗『俺はそのころ、両親を亡くした時で少しおかしかったんだ。
――回想・3年前――
はぁ、学校また休もっかな…………。
でも、魅琴がいたし、何よりも“あの二人”がいたから、嫌々でも学校には行っていた。
ピンポーン!
絋斗『誠と羽矢かな。
上がっていーよー!!』
ドタドタ
?『おはよー!!』
?『よぉ。』
今、部屋に入ってきたのが、
男が亘理誠
女が相良羽矢
二人とも大事なひとだ。
美男美女だよ。
だから、俺だけいつも浮くんだよね。
因みに二人は付き合ってる。
羽矢『絋~早く学校行こうよ~!』
誠『早くしろよ?』
こうして、最悪な1日は幕を開けた。
――学校――
俺と誠は2年3組で、羽矢は、2年1組だ。
誠『おはよう。』
絋斗『おはようみんな。』
こう言っちゃあ何だけど、その頃は髪は短かったから、
今みたいに“オタク”とか言われてなく、クラスメートとも仲が良かったんだよね。
でも、事件はいつも突然に
それでいて大切な人を巻き込む。
それは放課後に起こった。
――放課後――
俺は、日直の仕事を終わらせて、帰ろうとしたとき、体育館の裏に校内一の不良が入って行くのを見た。
でも、魅琴が居たから直ぐに帰った。
体育館裏で、誠がリンチされてるとは知らずにな。
――翌日――
俺は、家で誠と羽矢を待ってる時に、誠のお母さんから
誠が入院する事を聞いた。
なんでも、集団でボコボコにされた後、そのまま朝まで放置だったそうだ。
俺は、入院先を聞いて病院に走った。
――病院――
絋斗『誠!』
誠はもう起き上がっていたが、全身に包帯が巻かれていた。
そこには、羽矢もおり、ベッドの淵で静かに息を殺して泣いていた。
それを見せられた俺は、頭の中が真っ黒になった。
誠をこんなにした奴等を殺してやるってな。
俺は、羽矢に止められたが、誠に誰にやられたかを聞き、学校に向かった。
――学校・3年4組――
俺は、学校に着いた後、職員室に行き、首謀者+他諸々の生徒のクラスを聞こうとしたが、その必要は無かった。
念のためと思い、体育館裏を覗くと、壁に
“亘理誠ボコボコ達成会”
と、手書きで書いてある横断幕を見つけた。
俺は、さりげなく話し掛けてみることにした。
絋斗『すいません。
亘理誠をボコボコにしたのは、皆さんですか?』
俺は、上級生で、校内一の不良の宍道晶
に聞いてみた。
晶『あぁ!
ここにいる全員でやってやったぜ!』
よかった。無関係な人とか居なくて。
絋斗『わかりました!
じゃあ…………。
…………………死んでくれ。』
俺は、初めて“人”に本気で力を振る。
加減?知らないな。
晶『はぁ?てめぇ、な』
何者だ。とでも聞こうとしたのだろうか。
まぁ、殴ったら、鼻と歯と頬骨を粉砕したきがするな。
しかも、ぶっ飛んで壁に当たって後頭部から血を流して、ピクリとも動かない。
死んだ?まぁいっか。
俺は近くに居たヤツに近付き、全ての関節を外してから、粉砕してやった。
まぁ、本人は起きたり気絶したりを繰り返していたが気にしない方向で。
因みに、他の不良は怯えて声も出ないのか、その場でガタガタ見苦しく震えていた。
――数分後――
絋斗『こんなもんでいいかなぁ?』
そこには絋斗を中心に血の海が広がっていた。
大体、顔面を殴った後、四肢を複雑骨折にしてやった。
あばら骨砕いたヤツもいたな。
でも、そんなにやっても、死者は零だ。
殺してやっても良かったが、
長く長く苦しませる為に生かしてやった。
何か校舎辺りがうるさいから、宍道晶を木に吊るしたのがバレたな。
さて、職員室行こうか。
血塗れのこの格好で。
――職員室――
先生『鏡くん!!それはどうしたのですか!?』
誰だ?この先生。
あ、女の先生が倒れた。
絋斗『まぁ、体育館裏と校庭に急いだ方が良いですよ。
何人か既に死んでるかもね。』
先生『なんだって?
國朋先生!
一応、体育館裏で何があったか見てきてください!
鏡くん!君はこっちだ!』
絋斗『救急車30台位呼ばないと、手遅れになりますよ。』
――1週間後――
俺は、学校に急いでいた。
理由は今日から誠が学校に来るからだ。
出校停止も解けたしな。
あぁ、不良ども?
全員病院送りにしてやった上、何人か下半身麻痺だっけな?
ざまぁ。
さぁ、学校に着いたぞ。
だが、誠や羽矢。
クラスメートの言葉が俺の心を引き裂いた。
まず、机に“化け物”の殴り書き。
二つ目に、机の中に
“友達辞めるわ。
byクラス一同”
の紙。
最終で最強の一言は、3つ目。
誠&羽矢『話しかけないで。
私(俺)たちの前に現れないで。』
の電話。
俺はその2日後に引っ越し及び、転校。
――現在ーー
ってゆうのが俺の過去だな。
引いたろ。
嫌いになるならそれでも構わないよ。
って、うおぉ!?
何で泣いてるんだみんな!?』
蓮華『だって、お兄ちゃんが不憫だよ。
友達が傷付けられたから喧嘩したのに、友達に拒絶されるなんて…………。』
唯『ぞう゛だよ゛~ヒッグ、エッグ
に゛い゛ぢゃ~ん゛!』
蓮華と唯ちゃんは抱きついてきた。
柊『……………………その屑…………いま……………………どこにいるの?』
柊、大分喋れるようになったな。
絋斗『さぁ?
こう言っちゃ誤解を招くけど、俺を棄てたヤツラなんて知らん。』
柊『わかっ……た。
自分で………しら……べる。』
絋斗『止めとけ。な?』
柊『なん…………で?』
絋斗『柊が大切だからじゃダメ?』
柊『うん…………いいょ。
私…………は……………………ずっと…………一緒。』
蓮華『私もだよ!!
お兄ちゃんと一緒にいる!!』
絋斗『ありがとう…………。』
紗香『紘君、私たちは“家族”なんだから、
助け合い。
愛し合う。
それは当たり前の事よ!』
絋斗『“家族”か…………。
俺はみんなの家族で良いのかな?』
3人『当たり前!』
柊『とうぜん。
…………………私は、“家族”以上でも良いけど。』
ほんと良く喋るね…………。
柊……………………。
蓮華『あ、それ蓮華も~!』
唯『僕も~!』
紗香『当然、私もよ。』
みんな…………。
本当にありがとう…………。
俺はその夜、涙が止まらなかった。
ーー翌日――
絋斗『そう言えば、
みんなの学校は?』
紗香『みんな紘君と同じ、
鳴海高校なのよ!』
絋斗『そうか!
楽しくなりそうだな!』