部屋割りパニック!!
絋斗『さぁ、部屋割りはどうしよう?』
さて、お昼ご飯を食べ終わった後は、各個人の部屋割りと行こうかな?
絋斗『みんな~どの部屋がいい?』
二階には6部屋あって、右側一番奥が俺の部屋だ。
すると、蓮華と柊ちゃんはとんでもない速さで俺の部屋を指差した。
絋斗『いやいや、二人とも、ちゃんと部屋数あるから!』
蓮華『むぅ…………。』
柊『(フルフル)』
二人とも抱きしめて良いですか?
だってさ、可愛いじゃんか!
ゴメンナサイ。俺も男なんです!
ヤバイヤバイヤバイヤバイ!
変態の扉をノックしてしまった。
とりあえず、二人の妥協点を探すか。
妥協点~蓮華の場合~
絋斗『なぁ蓮華、俺の部屋に住む以外で何か無いか?
妥協点的な意味で。』
すると、蓮華は悩む素振りも見せず、こう速答した。
蓮華『毎朝、おはようのちゅーか、3日に1回同じ布団で一緒に寝て!』
可愛いですね。ハイ。
思わず、【おはようのちゅー】を選びそうな自分を押さえつけ、【3日に1回同じ布団で一緒に寝る】を選択した。
これもきついがキスよりましだろ。
理性さんが危ないけどな!
自重自重。
もう、変態でもいいかな?
次は柊ちゃんだ。
妥協点~柊ちゃんの場合~
絋斗『柊ちゃん、同じ部屋に住む事以外で何かある?
妥協点的な意味でさ。』
これまた柊ちゃんも速答した。
柊(筆談)『毎日、おやすみのキスか、3日に1回同じ布団で一緒に寝る事。』
ま た か!!
事前に打ち合わせとかしてんのか??この姉妹は…………。
まぁ、そんなことは置いとこうか。
また理性さんが危ないな…………。
持つか?、理性さん。
持たなかったらどーしよ…………。
ふう、終わってみれば怪しい気しかしないな。
普通、要求がほぼ一緒とか無いでしょ。
で、今はソファーでくつろいでる最中。
何か、紗香さんと唯ちゃんはとっくに決まってたらしい。
結局、部屋割りは、俺の隣は紗香さん。向かいは唯ちゃん。
紗香さんの左隣は柊ちゃん。
紗香さんの向かいに蓮華。
俺は一番奥だから右隣が無いんだよね。
んで、寝る曜日だけど、
月、木→蓮華
火、金→柊
そして、柊のお願いは二つあった。
わかってるとは思うけど、自分の呼び方を、柊ちゃん→柊に変更してほしいって事だったよ。
別に断る理由も無いし、快諾したよ。
今みんなはリビングで、Wi○の大乱闘スマッシュブラザー○Xをやっている。
ちなみに俺は見てるだけ。
まぁ、あぐらの上に柊が居るけど。
柊と蓮華がじゃん拳して、柊が勝ってこの状態に。
腹いせか、蓮華は常に柊を狙う。
だが、柊もなかなかの腕前で、かわしつつ反撃する。
さて、使用キャラの紹介だ。
紗香さん→赤い配管工
蓮華→蛇の男。
柊→雷落とす赤ホッペ。
唯ちゃん→まさかの車で爆走するムキムキマッチョ。
ちなみに、始めてからずっと、勝者は唯ちゃん。
唯ちゃんは『ファ○コ~ン・パーンチ!!!』と叫びながら次々に吹き飛ばしていく。
あ、終わった。
また勝者は唯ちゃんか…………。
ん?柊がコントローラを俺の手の上に。
絋斗『やれって事だな柊。』
柊『(コクリ)』
それなら、やってやるよ!!
見てろよ!
俺が使うのは天使。カラーは黒。
かっこいいからな。
家は必殺技があるとつまんないから必殺技はなし。
同じ理由でアイテムも無し。
残機3デスマッチ
さぁ!デュエル(決闘)開始だ!
1ラウンド
唯ちゃんは蓮華を、俺は紗香さんを、お互いに1回死ぬだけで倒した。
そして、残り1機になるように、自滅。
そしてステージの両端から開始。
先に動いたのは俺。
光の矢で狙い撃ち。曲がるから空中にも逃げ場はない。
ハズだった。
自慢じゃあないが、この技を避けられた事など一度もなかった。
タイミングとか調節してるからな。
が、あの筋肉ダルマには全弾避けられた。
驚いている内にパンチで吹き飛ぶ天使。
盾を使うタイミングまで見切られた。
光の翼で戻って再会。
しかし、その後も謎のコンボを決められ敗北。
絋斗『う、嘘だろ??』
そして、次の唯ちゃんの言葉が俺を本気にさせた。
唯『兄ちゃん、よわ~~~~
僕、全然本気じゃないよ!!』
妹にこの言葉もどうかと思うが……………………。
潰す!!!
俺は眼帯を外した。
絋斗『唯ちゃん。本気で相手してあげる。』
唯『望むところだよ!!』
2ラウンド
今回は、二人に無理を言って、一対一にさせてもらった。
残機1
ステージは終点
必殺技、アイテムなし。
キャラ同じ。
デュエルスタート!!
――蓮華視点――
お兄ちゃんが、眼帯を外した。
まだ髪はだらしないまんまだから、みんなはどれ程お兄ちゃんがカッコイイか知らない。
私は、あの時のお兄ちゃんの顔を思い出し、顔が紅くなるのを感じる。
どんな俳優やアイドル、イケメンよりもかっこよくて、黒と白のオッドアイなんて、ホントに物語の王子様みたい。
今までは感じた事の無いこの気持ち。
今は柊がくっついてるからモヤモヤしてるけど、決して悪い気分では無い。
絶対に渡さないから!
覚悟してね!柊!
にしても、眼帯外したお兄ちゃん強いなぁ。
――蓮華視点終了――
――唯視点――
はじめまして!藍沢唯だよ!
僕は今目の前で起こったことが信じられないよ!!
実は僕、バイトが無い日は友達の家に入り浸って、ス○ブラXをやりまくったんだよね!!
全国1位のヒロって人とも何回か闘って良い勝負したし。
だから、僕が兄ちゃんの天使に1ダメージも与えられなかったことに呆然としてしまった。
こうなったら、本気を出すしかない!!!
僕は、本気のキャラはヒロ相手でしか使わないと決めていたから、少し悔しい。
でも、本気を出すからにはもう負けない!!!
唯『兄ちゃん最後の勝負だよ!
僕のホントの本気をみせてあげる!!』
本気の勝負ね…………。
なら受けて立つ!!
俺は全国1位なんだから本気の勝負では、おいそれと負けるわけにはいかないからな!
!?
俺は唯ちゃんの名前欄を見てかなりびっくりした。
ユイニャンだと?
3ヶ月位前に俺をあと一歩まで追い詰めた、青いハリネズミの使い手じゃないか!?
まさか、唯ちゃんが?
唯ちゃんは何も言わないけど多分そうなのかも知れない。
そうならば、俺の、天使をノーダメで倒すくらい楽勝だろう。
それくらい凄いヤツだったからな。
ヒロの正体ばらす事になるけど別にいいか!!
そして、俺は自身最強のキャラ黒髪優男剣士を選択した。
後は、名前をヒロにしてっと。
さぁ、唯ちゃんどんな反応をするかな?
勝負が楽しみだ。
――唯視点――
僕は、僕の正体がユイニャンだとバラしたら、兄ちゃんはどんな顔をするのだろうと思って、ユイニャンの名前をワザワザ出したんだ。
思ってた通り、兄ちゃんはびっくりした顔をしていたが、兄ちゃんは“ニヤッ”として、ある名前を名前欄に登録した。
ヒロ。
それは全国1位の人の名前。
使うキャラはやっぱり黒髪剣士だった。
僕は確信した。
ヒロは兄ちゃんだと。
もちろん、偽者の可能性もあった。
でも、兄ちゃんならそんなことはしないだろう。
そう思っていた。
それ程、兄ちゃんを信じていた。
だから……
全力で……
兄ちゃんに……
勝つ!!
さぁ、最後の闘いだよ!!
今、闘いの火蓋が切って落とされた。
今回は必殺技アリだ。
ハリネズミが攻撃する。
剣士のカウンター。
剣士の上段切り。
ハリネズミの回転アタック。
両者一歩も譲らず5分が経過した頃。
ステージに輝く球体が出てきた。
お互いに相手が取れば自分が負けるとわかっていた。
だからこそ、唯は取りに行った。
だが、絋斗はそうなると読んでいた。
回転アタックを放ち、唯が画面に気付いた時にはもう遅かった。
球体と自分の間に剣士。
構えは…………カウンター。
吹き飛ばれて、戻ってきたら、体が輝いている剣士。
ハリネズミは跳ぶ。
だが、唯は必殺技を警戒しての行動だったが、ヒロ相手にその行動は軽率だった。
剣士は回転アタックを難なく避けて、空中からの、
マスターコンボ。
唯、敗北。
絋斗の辛勝だった。
絋斗『ふぅ…………。
危なかったな。
唯ちゃん、良い勝負だったぜ!』
唯『負けちゃったかぁ…………。
流石に全国1位には勝てないよね!
って誰?あなた。』
唯ちゃんがこちらを向いて言う。
今は本気の状態だ。
つまり、素顔+眼帯無し。
あぁ、そう言えば素顔見せたのは蓮華だけだったか。
絋斗『そんなに変わるもんか?
蓮華。』
蓮華『大分ね~。
例えれば、月とすっぽんって感じ!』
そりゃあヒデェ。
そろそろ髪を切ろうかな?
ズキッ!
昔の記憶が頭を過る。
だが、この姉妹は大丈夫だと信じたい。
否、人を信用しないとそろそろ心がもたない。
他人はまだ完全には信用出来ないが。
何より、コイツらは家族だ。
俺が一度失った…………な。
向こうも家族だと思ってたら良いな。
蓮華と柊以外はまだ呆然としており、自然とゲームはお開きになった。
さて、晩御飯にしようか!
絋斗『蓮華、柊。
なに食いたい?』
蓮華『う~ん。
パスタかな。』
柊(筆談)『私は、ハンバーグで。』
絋斗『あの二人は何が好きなんだ??』
蓮華『紗香姉は………お寿司かな??
唯は柊と一緒で、ハンバーグ。』
絋斗『了解。』