闇バイトのお話
闇バイト。……やっぱり、良くないバイトである。
ホントに犯罪モノもあれば、……
やべー話なのに、握り潰されてたり……
色々なお仕事があるよね。
「はぁ?」
私共はそれでも公平な物流を維持する。お客様が出したお荷物。お客様が受け取りたいお荷物。
それを正確に、ただただ、淡々とお届けするのが役目であり。その報酬はちゃんと頂く。
「キャッシュカードをなんで普通の荷物で送るんだよ」
今日届かないとダメなんだ。今日中に届けてくれって言われても……だったら、速いサービスをご利用してくださいって事でしか、回答ができないのが現実である。
俺は急いでるけど、お金は出せないんだって言われてもさ。こっちはこっちで困るわけで
「良かったね。夜の便の中に入っていて」
夜に到着した荷物の中にお客様が探していたモノがあった。それで連絡をして、明日で良いですか?ってお話である……。よっぽど困ってるんだったら、そりゃ届けてあげたいのが人情だけれど。お前は何を言っているんだ?って言いたい。
『ソレハ!!闇バイトデテニイレタ!!キャッシュカードデス!!!』
こいつは、カタコトで何を言い始めてんだ……?(さっき起きた、マジの実話)
「闇バイトぉ!?」
散々さ。闇バイトは危ないよ。やっちゃいけないよ。そーいう情報が沢山流れているけれど、カタコトから察して頂ければ、そーいう注意喚起は無理なんだろうし。もう引き返せないんだろうな。
だが、しかし。なんでやねん。お前、なんでそんなクレイジーな事をこっちに話すんだよ。俺達、あんたにこれを届けるのか?完全に俺達も犯罪者になるじゃねぇか。それは黙ってろよ!!
「あのさぁ」
電話対応で犯罪の相談をしなきゃいけないとは思わなかったが、こちらの良心として。
「普通に働いてください。仕事はいくらでもあるよ」
『オォ……』
「国に帰れとか言わないけど、闇バイトなんか辞めなよ。親も子が犯罪するために産んで、日本に送ったわけじゃあるまいし」
『デモォ……セイカツガ……』
カタコトだけど、日本語喋れるだけでも、とるとこあるし。そりゃあキツイ仕事しか残ってねぇけど、そーいう問題だろうし。
着色を施してあげたいけれど、長くなっちゃうから、ここらで切るけれど。
犯罪をやってる自覚があるなら、全然無関係過ぎる人間達を巻き込む事は、リスクがあるというのを分かってくれよ。
ああ、ちなみに。元締めとかじゃなくて、実行役っぽい感じで、運び屋なのか?……これから分からないけれども……。こっちは聞かぬ振りしてやるけど、警察が来たら言うよくらいだ。
「ところで闇バイトなんかやって、報酬もらえるんですか?」
闇バイトの危険なところには、……仕事の大半が後払い・成果主義なわけで、しっかりその報酬がもらえなきゃ意味がないわけだ。報酬0で働かされてる事例もあるし。そーいう意味でやるなやってこと。
興味本位で尋ねてみたら
『1カイ、5センエンデース!!』
「少なっっ!!」
マジで……どーいう仕事か分からないけれど。
1回に付き、5千円だそうだ。キャッシュカードを20枚盗んで、(もしかすると用意するだけなのか?)ようやく、10万円ってところだろうか。
『ソクジツデース!!デキレバ!!イイノデース!!』
「リスク高すぎるだろ!!ぜってー、釣り合ってねぇよ!!考え直せ!!」
本人はすぐにお金が支払われて、そんなキツイ仕事じゃないのかな?……キャッシュカードを盗んだりするだけで、金が入るにしてもそれで5千円って少ないだろ。もしかすると、報酬なんかより、スリルを楽しんでいるかもしれないな。
「……まぁ、届けてあげるんで」
それはそうと……。こーいう方達を操れる連中ってのは、別の意味で凄いと思う。情報漏洩のリスクを込みでやらせているんだから。
無限にキャッシュカードを錬成できるなら、1度に相当な報酬が入ると思いますが……。
絶対に甘くないと思いますね。普通のキャッシュカードじゃないと思いますし。
話によれば、またどこかにソレを送るそうですが。途中でキッチリ切られると思いますね。
仕事柄、こーいう案件もいくつかありまして。実際、詐欺グループとかに配達もしていましたが。結局、警察に捕まっていますし。ほとんど火の車みたいな運営方法だったそうですよ。
手口も色々と練ってるみたいで、自分達が体験した事も、かなり前の手口なのかなって思いますが。時間があれば、その手口を載せてみようかなって思います。シンプルでしたけれど。