第六話: 新たな決意
シオンは目を覚ました。周囲は薄暗いが、見慣れないベッドがたくさん並ぶ部屋だ。頭を少し動かすと、彼は自分がどこにいるのかを理解した。騎士団長によると、ここは町の兵舎だという。シオンの横には、カイル、ルーク、フィーナ、エマが揃っている。
「お、シオン、よかった!目を覚ましたか!」カイルが嬉しそうに声をかける。
「ここは…どこだ?」シオンは混乱したまま尋ねる。
「町の兵舎だよ。俺たち、騎士団に助けられたんだ。村のこと、話してもらったんだ…。」ルークが優しく説明した。
「みんな無事だったのか…」シオンは安堵しつつも、心の奥にある不安が消えない。
「生き残った村人は、俺たちだけだった。あとは…」カイルの声が沈んだ。「村は完全に壊滅した。」
「俺たちは、あの襲撃の原因を突き止めなければならない。何があったのか、何が起こったのか、必ず明らかにするんだ。」シオンは強い決意を持って言った。
フィーナはシオンの隣に寄り添い、「私も、シオンと一緒に行く。何か手伝えることがあれば、私が力になりたい。」と言った。
「俺も一緒だ!」カイルが言う。「騎士になるって決めたんだ。村のため、みんなのために戦う!」
ルークも頷く。「俺も。騎士として、力を尽くすよ。」
「私は…」エマが口を開く。「町でパン屋を開くことに決めたの。村のみんなに、あの味を思い出してほしいから。」
「エマ、すごいな。いつか食べに行くから、頑張れよ。」シオンは優しく微笑んだ。
彼は心に決めた。村の壊滅の謎を解くためには、冒険者になるのが一つの方法だと聞いたからだ。
「俺は、冒険者になる。皆がそれぞれの道を歩む中、俺はこの謎を解き明かすために旅に出る。」シオンは強い眼差しで宣言した。
「仲間が必要なら、俺たちも手伝うよ。」カイルが言う。
「シオンが冒険に出るなら、私もできる限りサポートするわ。」フィーナも力強く応じた。
ルークは少し考えた後、「それなら、互いに情報を共有し合おう。俺たちが騎士として動くことで、何か手がかりが見つかるかもしれない。」と提案した。
それぞれが自分の道を歩む中で、彼らの心は一つの目標に向かっている。シオンは、自分の力を知ることなく、その謎を解くための冒険に旅立つ決意を固めた。彼は村の仲間たちを思い、心の奥で新たな一歩を踏み出した。