第十話:目覚め
気が付くと、シオンは暗闇の中にいた。周囲は静寂に包まれ、何も見えない。彼はゆっくりと立ち上がり、周りを見回すが、何もない。
「ここは……?」シオンは自分の状態を把握しようとした。先ほどの遺跡の光景が思い出される。どうしてこんなところにいるのか、思い出せなかった。
その時、彼の脳裏に一つの映像が浮かんできた。古代の文字や、光を放つ石、その台座の上にあった何か。それらが彼の心の奥に潜んでいた記憶の断片のように感じられた。
「もしかして、あの石が……?」シオンは心の中で問いかけた。
すると、彼の体に異様な感覚が走った。まるで何かが彼の中で目覚めようとしているかのように。彼は一瞬戸惑ったが、すぐにその感覚に身を委ねることにした。
「おそらく、あの石が何かを引き起こしたんだ。これは僕の能力…?」シオンは自分の直感を信じた。
その瞬間、彼の意識の中で光が爆発するように広がった。様々な記憶が次々と呼び起こされ、転生前の自分、凉の記憶が彼の中でざわめき始める。
「これは……僕の過去?」シオンは思わずつぶやいた。彼の中に溢れ出す記憶は彼の体に流れ込んできた。
しかし、彼の体にはまだ力が宿っていなかった。何かが足りない。シオンは強く願った。「この力を使いたい。村の壊滅の謎を解きたい!」
すると、彼の心に強い意志が宿り、その瞬間、体が震えるような感覚を覚えた。何か一つだけ力が解放される感覚があった。
「これは……?」シオンの周囲に微かな光が集まり、その中から一つの能力が生まれ出るのを感じた。それは、彼が求めていた力であった。
意識が戻ると、シオンは自分が再び遺跡の部屋にいることに気づいた。目の前にはフィーナが心配そうに彼を見つめていた。
「シオン、気が付いた!心配したよ!」フィーナが安心したように声を上げる。
シオンはその瞬間、再び自分の内に宿った力を感じ取った。「フィーナ、僕、何かを手に入れたかもしれない!」
彼は自信に満ちた目を輝かせてフィーナに告げた。二人は新たな冒険を前にして、未来へと進む決意を固めたのだった。




