もったいない
有名なプロの作家さんの場合もあります。
あるいは、『小説家になろう』などの投稿サイトに寄稿された、アマチュアの作家さんの場合もあります。
無責任な一読者として、こんな風に思うことってありませんか?
『この作家さん、どうして○○しないんだろう? もっと○○したら、もっといい作品になる(あるいは新規の読者が増える)のに。もったいない!』
○○、には、その時や作家さんによっていろいろな言葉が入ります。
ある時は『肩の力を抜いたら』。
ある時は『真面目に書いたら(作品がギャグだったとしても、作者が一生懸命、渾身でギャグを書いていればそれは真面目な作品です。そういう意味)』。
ある時は『このお馴染みパターンに逃げるのをやめたら』。
ある時は『もっと時流を研究して取り入れたら』。
本当に大きなお世話です(笑)。
私も、半端なりに小説書きなんぞをウン十年、やってきておりますから。
仮に、他人にそんなアドバイスをされても、『そーだねー』と受け入れてサッサと書いているものの作風やストーリーを変えたりは出来ないこと、肌感覚でわかっております。
また、読者sideとしてその作家のそのパターンに飽きている人が増えていても、お馴染みパターンが好きで読み続けている層も一定数いるのですから、大きなお世話どころかある意味、営業妨害な意見になりかねません(笑)。
しかし、プラモデル等の物作りは好きでも、こういう創作系に興味にない人(例・ウチの夫)は、何の忖度もなくこういうことを言い放ちます。
幸い?夫は、私の書いている作品にまったく興味がないので、私の作品にどうこう言うことはありません。
が、世間で名作と言われている漫画やアニメ、映画なんかについてはよく、
『俺やったらここをもっとこーする(アンタ、オリジナルなストーリーを自分で立ち上げて作品化したこともないくせに何を言う、と内心思うが、家庭の平和のため黙っている私)』
『この作者(監督)はアホじゃ!』
『こんな展開、おもろない。ワンパターンすぎ!』
とまあ、言いたい放題。
いやまあ、素人がお茶の間で吠えてるだけで、SNSにさえUPしない雑談なんですから罪のない話ですけど。
私も基本、適当に笑って聞き流しています。
一個人の、無責任な雑談ならそれでいいですけど。
クリエーターsideの私としては、考える場合もあります。
他人様の作品に関して、夫が茶の間で吠えているようなことを感じる場合も、無きにしも非ず。
もったいないなあ、と、もどかしくなることも。
もちろん99.9%はただ感じているだけで、誰かに言うことは基本なく。
『他山の石としましょう』的に自分だけで納得しています。
……ホントに他山の石に出来ているかどうかは、自信ありませんが。
受け手側に『何故○○を××しない! もったいない!』と思われていることって、どれだけすごいクリエーターが作ったものであってもあるだろうなとも、私は思います。
所詮は人間が作るもの、完全無欠な創作物などこの世にないのですから当然です。
それに、その『もったいない』という意見はある意味正しいでしょうが、必ずしもそのクリエーターにとって正解とは言えない。
でも、そういう他者からの目をまったく意識しないでガンガン、自分のパターンだけで進めてゆくのも、それはそれで自分を狭めそうで恐ろしい。
まあ、他人の意見に左右され過ぎるくらいなら、周りなんざ知ったこっちゃねえぜ的にガンガン我が道を行く方が、クリエーターとしてはロックな生き方でカッコいいかもしれませんね(笑)。
そしておそらく私も。
数少ないながらも見捨てずにいて下さっている読者様に、
『かわかみれいって、どうして○○なんだろう? 馬鹿じゃね?』
と思われているかも? と思いつつ、今日もお話書きを続けております。