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#7 エルネとの再会

まだまだ物語の設定やら構成やら足りてないので再度練りなおしてます。

ちょっと投稿頻度遅くなると思います。




「……久しぶり、姉さん。」


「…………エ、エルネ……。」


ドアから入ってきたのは私の妹エルネだった。

私は予想打にしなかった来訪に呆然とするほかなかった。


「ぁ……え、と……。」


「…………。」


エルネはドアの前に立ったままこちらを凝視する。

彼女の目に射すくめられて目を逸らすこともできない。


「……。」


コツ、コツ、コツ


エルネは無表情のまま何も言わずこちらに近づいてきた。

ベッドの側までやってくると、隣に置いてある椅子に目をやり、腰掛けた。

私は目線を彼女から離すことができずその動作をただ呆然と見つめる。


「…………。」


「っ…………。」


部屋の中に重い静寂が漂う。

エルネは私のことをじっと見たまま何も話さない。

状況がうまく頭に入ってこず、何を言えばいいのかも分からず口をパクパクと動かすことしかできない。


怖い。彼女から目を離すことができない。こちらを見るその目が逸らすことを許さないように私の心臓を射抜く。

じわりと体中に汗が流れる。


「…………。」


(な、なんで……何も話さないの……?分からない、この子が何を考えているのか……全然分からない……。)


「……姉さん。」


「っ!?」ビクッ


エルネが遂に口を開いた。その声で一気に心臓がうるさく跳ね上がる。


「久しぶり……って言ったんだけど?」


「え……?あ、えっと…………え……。」


「……久しぶりに再会した妹に挨拶は無いの?」


「あぇ!?あ、えええっと……ひ、久し……ぶり……。」


「うん。」


「あ…………う、うん……。」


「…………。」


「…………。」


(ど、どど、どういう状況なの……!?え!?な、なんでまた黙るの!?どうすればいいんだ……!?)


エルネは私の挨拶に軽い返事をするとまたこちらを凝視したまま黙った。

汗が止まらない。もはや体が熱いのか寒いのか何だかよく分からなくなってきた。


「…………ねえ。」


「っ……は、はい!」


緊張のせいでつい敬語で応答してしまう。そんなことにも気づかないまま次の言葉を待つ。


「私に、私達に何か言う事あるんじゃないの?」


「え?」


エルネは表情変えないまま、こちらに淡々と質問を投げかける。

私はその質問の意図が分からず、何も返すことができない。


「私達を置いて、何も言わずに逃げ出したこと、謝るべきじゃないの?」


「あっ……」


「逃げた理由。大体予想つくけど、何にも言わずに逃げ出すなんてひどいと思わない?どうして家族を捨てたの?このまま一生会わないつもりだったの?心配とか迷惑とかかけてると思わなかったの?」


「エ、エルネ……?」


「ねえ。」


「っ……。」


「どうして黙ってるの?質問に答えてよ。」


「いや……えっと……。」


「…………。」


捲し立てるような質問にただただ慄く。

私が逃げ出したことを怒っている?エルネが何を考えているのか分からない。

もちろん何も話さずこのまま疎遠になればいいと思っていた。このまま黙っていたいが彼女の目がそれを許そうとしない。


「に、逃げたけど……捨てたとか、そんなんじゃない……。それに、私があの屋敷からいなくなったって家族は誰も気にしない……。ランフォール辺境伯には迷惑だったかもしれないけど……、私の心配なんて誰もしてないでしょ……。」


「…………。」


「………………こ……答えたけど……―――――っ!?」


エルネは私の答えを聞いてまた黙り込んでしまった。

気まずい時間が漂い、耐えられそうにないとこちらが口を開くと、突然エルネが立ち上がり私の方へ近づき――――。


ギシッ……。


「えっ!?えっ!?えっ!?な、ななななに……!?」


ベッドの上に上がり、膝をついた状態で私の上に跨った。

なんとか体を動かして逃げようとしても、ベッドに体を押し付けられ、私を逃さないかのように私の顔の両側にエルネの両手が置かれる。

私の上に覆いかぶさるエルネの顔が、ぐっと近づいてきた。


「あっ、えっ、なっ、えっ、はぇっ……???」


自分の状況が全く理解できず、言葉にならない声がでてしまう。


「姉さん、ボロボロね……。姉さんを見つけた時は体中痣だらけ、色んなところから血を流して最初は死んでるんじゃないかと思った。」


「へ……?」


「もちろん生きてたけど、今にも呼吸が止まってしまうんじゃないかって……落ち着かなかった。姉さんが目覚めたって聞いて私は安心した。」


「…………。」


言葉が出なかった。

そんな言い方じゃあ、エルネは私のことを――――心配していたのか?


「…………謝るべき、って言ったけど正直謝罪を求めてる訳じゃないの。」


「……?」


「謝罪なんていらない。それに姉さんの婚約の話もどうでもいい。むしろ私は反対だった。お父様に姉さんを見つけたことを言うつもりもない。その代わり…………。」


「そ、その代わり…………?」


「もう絶対に私のところから逃げないで。いえ、違う。逃さない。姉さんはもう絶対に逃さないわ。」


「うぇ!?」


さっきから全く理解が追いついていない。

逃さない……?何を言っているんだこの子は。


「あんなボロボロな姿を見た以上、もう姉さんに危険なことはさせない。」


「な、なにを言って――――」


「私、知ってるよ。姉さんが何をしたいのか。…………旅に出たいんでしょ?」


「な!?なんで知って……!」


「姉さんがずっと大事に抱えてた絵本、呼んだことあるの。絵本の冒険者も姉さんと同じ槍を持ってた。そして倒れてる姉さんの近くに槍が落ちてたから、察したわ。」


「…………。」


本当に察しがいい。エルネの話す予想はまさにその通りで何も言い返すことができなかった。


「私は姉さんに死んでほしくない。あんな姿もう見たくない。だからもう、どこにも行かせない。」


「エルッ――――っ!?」


この子が何を言おうとしているのか理解してしまった。

エルネの言葉を遮り口を開こうとするとエルネの手で口を塞がれてしまった。


「黙って。」


「――!?」ビクッ


今まで無表情だったエルネの表情が厳しいものに変わり、もの言わせぬ鋭い目つきになる。

その目に射竦められて瞬きすることすら忘れてしまう。


「姉さん。冒険者を、辞めて。」


エルネの言葉は私の予想どおりのものだった。

冒険者を辞める。そんなこと受け入れられるわけがない。つい先日決意を固くし、ようやく一歩を踏み出したばかりなのだ。

エルネに言い返したい、しかし口を塞がれている上、エルネの放つ凄まじい気迫に気圧されただエルネの目を見つめ返すことしかできない。


「今、私に反抗しようものなら、姉さんをここから連れ出してどこにも行けないように……閉じ込めるから。」


「っっ…………!」


(と、閉じ込める!?逃がさないとか、さっきから発言が怖い!こ、この子もしかして結構やばい子ー!?)


「…………ふふ。」


「……!?」


私が言い返そうとしないことに満足したのか、エルネが突然笑う。

私の口を塞いでいた手が動き私の頬を優しく撫でる。


「…………姉さん、本当にイイ顔、するね……。」


(ひっ……!)


先程の心臓を鷲掴むような目つきとは違う、何か得体の知れないもので心を溶かされてしまいそうな目つきで見つめられゾワりと悪寒が走った。


「ひ……ひあっ……ぁ…………。」


(だ、だだ、だれかぁ……!お母さん……!師匠……!ケレンさん……!助けて…………。)


「ふふっ……ふふふ……。」


心なしかエルネの顔が先程以上に近くなり、息遣いが荒くなってきている気がする。

少しでも顔を動かせば鼻の先が当たりそうなぐらいに近い。

エルネの手が少しずつ下に降りていき、頬だけでなく顎や首、鎖骨あたりをゆっくりと撫で回しだした。ゾワゾワとした感覚が走り、だんだんと力が抜けていくように感じる。


「あはっ……どうしちゃおう……。もういっそ、ここで――――」


コンコン


「!」

「!?」


このまま彼女のされるがままでいると本当にまずいと思っていたその時、誰かがドアをノックした。

その音に反応してエルネの手が止まる。ドアの方を振り返ったためエルネの顔が離れ彼女の圧から開放される。


「エメラさ~ん!起きてますか~?入りますね~!」


声は看護師さんのものだった。

よく考えると今は昼時だったので、昼食を持ってきてくれたのだろうか。本当にナイスタイミングだ。

ドアが開かれると、昼食を載せたお盆を手にした看護師さんが入ってきた。

そして彼女がこちらを確認すると。


「昼食を――――って、えぇっ!?!」


驚きの声を上げた。

当然の反応だろう。病人の部屋へ入ってみたら病人を誰かがベッドに押し倒しているのだから。

驚いた拍子に昼食を落としかけたがギリギリのところでバランスを取り直した。


「…………。」


エルネはその様子を黙って見た後こちらを一瞥し、ベッドから降りた。

ベッドから降り立つと、先程までのゾワりとする笑顔はなくなり柔らかい表情になったエルネが看護師を見て口を開いた。


「看護師さん驚かせてしまい、申し訳ありません。私はここで失礼させていただきますね。」


「へ!?は、はい……!」


状況が飲み込めてない看護師さんは呆然としながら言われるままに返事をする。

エルネは看護師へ会釈するとそのまま横を通り過ぎて部屋を出ていってしまった。


「…………。」


「…………。」


扉が閉まると、私と看護師さんはただ呆然とし、部屋が静まり返る。


「……あっ!ち、昼食をお持ちしましたので…………!えっと……!」


「は、はい……!あ、ありがとうございます……!」


気を取り戻した看護師が昼食のことを思い出し、困惑状態の中こちらに昼食を運んできた。

なんとか私も気を取り直し、返事をする。


(た、助かったぁ~!あ、あのままだと何をされていたか……。ありがと~看護師さん……。)


何が何だか未だに分からないがとにかく大ピンチだった状況を救ってくれた看護師に感謝し、安堵する。

一気に緊張が溶け脱力する。


心なしか看護師の顔は少し赤くなっていて何か変な誤解をしているんじゃないだろうかと思ったが、もはやその誤解を解く気力もなかったので黙っておいた。

その後、気まずい時間が流れ非常に居心地が悪いながらも昼食を食べ終え、看護師さんは部屋を出ていった。


「はぁ~………………。」


昨日に続き大きなため息をつく。

一歩も動いていないのに、いつも以上に疲れた気がする。

冷静になった頭で、先程の状況を思い返す。


(いったい何だったんだ……。本当に怖かった……。看護師さんが来なかったら……分かんないけど、とにかく……とんでもないことになってた気がする……。)


あの時のエルネの目が頭に浮かぶ。これまでの記憶の中でエルネのあんな目は見たことがない。

いずれにしてもあれは本気の目だった。何か、そう、獲物を狙うような――――。


「うぅぅっ…………。こ、これ以上は思い出すのやめよう……。」


その先を考えそうになり身震いする。何か考えてはいけない知ってはいけないような気がして別のことを考える。


(それにしても、冒険者を辞めろだなんて…………。)


当然、冒険者を辞めるつもりはない。もう自分の夢から逃げないと決めたのだ。その覚悟は固い。

誰にどう言われようとももう諦めるつもりはない。

しかし、エルネの言葉を思い出す。姉さんに死んでほしくない――。あんな姿見たくない――。逃げないで――。心配かけてると思わなかったの――。

エルネの心の内を少しだけ垣間見た気がする。

あの子から私を馬鹿にするような感情は感じなかった。


(あの子は……私のことを心配していたの……?私に危ないことをして欲しくないって……。妹達は、誰も私のことなんか見てないと思ってた。エルネは、そうじゃなかった……の……?)


それでも分からなかった。エルネが私のことをどう思っているのか。

ただただ困惑してしまう。家族から、妹からあんな言葉を掛けられるなんて思ってもいなかった。


(エルネのこと、まだ何も分からないけど、とにかくあの子の要求を受け入れる訳にはいかない……。ランフォール辺境伯に言わないでいてくれるのはありがたいけど、次会った時にしっかり話をしないと。こ、怖いけど……。)


私の気持ちを伝えた時のエルネの反応が恐ろしい。あの子がどう反応するのか全然分からない。分からないのが尚更怖い。


(と、とにかく寝よう……。なんだか本当に疲れた……。ここ最近色々なことがありすぎて頭が追いつかない。)


オークと戦った時とは違い、精神的にしんどい。

まだ昼時だが、とりあえず考えるのをやめて寝ることにした。


―――――――





 翌日、エルネは来なかった。おそらく依頼に向かったのだろう。

 そういえば彼女はいつまでムーゲルにいるのだろうか。

今は学園の課外実習である程度の期間、冒険者として活動することが認められている。

とは言え長期間活動し続けることは出来ないためいつかは学園に戻ることになる。

私のことを逃がさないとは言っていたが、学園に戻る時どうするつもりなのだろうか。考えたくない。

いずれにせよ、彼女を説得して私の事は諦めて学園に戻ってもらわなければならない。


 体の方はようやく体を起こして腕を動かせるようになった。痛みはあるが目覚めた時と比べればかなり軽くなっている。

まだ立って歩くことは厳しいが、自分で昼食を取れるようになったのは大きい。正直看護師さんに食べさせてもらうのは落ち着かないし、申し訳なく感じる。

この調子で回復していけば、早い内に復帰できそうだった。

毎日欠かさず修行を続けてきたため一日中寝ているのはなんだか落ち着かないが、元々ぼーっとしながら過ごすことは嫌いではないし、ケレンさんも時間を見つけてやってきて話をしてくれるのであまり退屈もしなかった。


 さらに翌日、夕方頃、もうそろそろ夕食の時間だろうと考えていたらエルネがやってきた。

驚いたのはエルネが食事を持ってやってきたことだ。看護師さんに自分が運ぶと言って運んできたのだろうか。

空が暗くなりだし、もう今日は来ることはないだろうと思いゆっくりしていたところに現れたため、心の準備ができていなかった。彼女が入ってきたことで一気に緊張感が高まる。


「エ、エルネ…………そ、そのお盆はな――――」

「二日ぶりだね姉さん。」


「うぇ!?あ、あぇ、そ、そうだね…………。と、ところで今日はどういったよ――――」

「体調は大丈夫?姉さん。」


「え!?あっ、えっと…………少しは、良くなった……かな…………。」


(な、なんか圧がすごい……。こっちに質問をさせてくれない…………。)


エルネはいつも通りの無表情だが、言葉と雰囲気から物言わせぬ圧力を感じた。


「ふーん、そう。でも姉さんまだ体動かせないよね?」


「あ、うん。……歩くのはまだ厳しいけど、体を起こして自分で食事食べられるように――――」

「そうよね。まだ体を動かすのは厳しいから、食べさせてもらう必要があるのよね。」


こちらの答えなどまるで聞いていないかのような返事が返ってきた。

食べさせてもらう必要はないと言っているのに、何を言っているんだこの子は……。

すると、エルネが一昨日の出来事を思い出すような笑顔になる。

その表情を見て背筋にぞわっと悪寒が走る。嫌な予感がした。


「い、いや、食事は自分で――――――」

「大丈夫よ姉さん。私が食べさせてあげるから。」


「え、エルネ!?いや、だから自――――――」

「私が 食べさせて あげる。 いい?」


「あ…………はい……。」


 どうやら意地でも自分が食べさせるつもりのようだ。もう何を考えているのかさっぱり分からない。

反論しようとすると笑顔のまま私の言葉に被せてまくし立ててくる。

もはやこちらの話を聞く気などさらさら無いようだ。抵抗を諦めてエルネの提案を受けることにした。


「はい、じゃあ。あ~ん。」


 エルネが一層明るくなった笑顔でそう言いながらスプーンに載せた料理を差し出してきた。

笑顔なのに、恐怖しか感じない。


(あ~んって……看護師さんでも言わなかったぞ……。)


「っ…………。」


「あ~ん。」


 口を開けるのを躊躇していると、拒否権は無いかのごとく繰り返し言う。

観念して口を開ける。が、エルネの手が動かない。

何故止まっているんだ……?と動揺していると。


「姉さん?『あ~ん』でしょ?」


「へっ!!?」


「ほら、『あ~ん』。」


「い、いや流石に恥ずかし――いたっ!?エルネ……!?いたたたたた!分かった!言う!言うよ……!」


 自分までそのセリフを言わないといけないのはさすがに嫌だったので断ろうとすると手の甲を抓られた。

一瞬笑顔が無くなったと思ったら、さらにこちらが受け入れるまで抓られ続けた。まさか物理的な手段をとってくるとは思わなかった。どうあがいても私に拒否権はないらしい。


「はい。あ~ん。」


「あ……あ~ん…………。」


 再度、笑顔で料理を運んできたので、私が諦めて答えるとようやく口に入れてくれた。

もはや動揺やら緊張やら困惑やらで頭がごちゃごちゃで料理の味が全くしなかった。

エルネがまた料理を口の前に差し出してきた。とても楽しそうな表情をしている。


「あ~ん。」


「あ、あ~ん……。」


(もう訳が分からないよ私は……。何でこんなことをしてるんだろうか……。はぁ……こうなったらさっさと食べて帰ってもらおう…………。)


 それから、一口一口食べるごとに言わされ、途中から恥ずかしさすら感じなくなるほど疲れ果てながらも何とか食事を完食した。


「完食できたね。姉さん。」


「あ、は、はい……。そうですね……。」


 食事をしたはずになのに逆にゲッソリしてるような気がする。そんな私とは対照的にエルネはとても良い笑顔をしている。

話を切り出そうかと、少し考えたがもはやそんな気力は残っていなかった。


(彼女が来るたびに精神的に疲労困憊になってるような……。なんか私の話聞いてくれそうな感じじゃないし…………もういっそ、退院したらこの子がいない内に別の場所に移ろうかな……。ケレンさんと別れるのは寂しいけど……。)


「それじゃあ、姉さん。私は今日は帰るわ。また来るから。」


「あ、はい…………。」


また来るのか……。と心の中だけでため息をつく。

もしかして次もこの子に食事食べさせられなきゃいけないのだろうか。

次来た時のことを想像してげんなりしていると。


「あ、そうそう、姉さん。」


エルネが立ち上がり、こちらに近づくと耳元に顔を寄せてきた。


「な、なな、なに……!」







「まさか、私がいない内に逃げようなんて、考えてないよね?もしそんなことしたら地の果てまで追いかけて、捕まえて………………姉さんの脚、ぶった切ってどこにも行けないようにするから。」



「」



 今まで聞いたことないような、声だけで殺されるんじゃないかと錯覚するほどに恐ろしい声で囁かれる。

全身から血の気が引く。汗がだらだらと流れ、体がガタガタと震えだす。


「ぁ…………ぁぁ……ぁ…………。」


「ふふっ…………じゃあまたね。姉さん。」


エルネは私の頬を一撫でして離れると、こちらに挨拶をしてお盆を持って部屋から去っていった。


「…………………………。」


私は余りの恐怖で、しばらく動くこともしゃべることもできなかった。
















最後まで読んでいただきありがとうございます。

エルネは少し(かなり)ヤバい子でした。まだまだセラの受難は続きます。


※次話の更新まで時間かかりそうです。すみません。


更新はスローペースだと思うのでふと思い出した時にでも読んでいただけると嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 妹ちゃんヤンデレやん!? [一言] こーれは最高です…!
[一言] エルネがまさかのヤンデレ気味、、 めっちゃいいね! 頑張ってください。
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