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黄昏探偵は振り返らせない  作者: ぼんばん


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68.晴間律 -遺し残され-

 残酷な表現があります。

 苦手な方はご注意ください。

 僕は気づけば、部屋に体を放り出されていた。

 何が起きたのか、未だ把握できていなかった。


「いやあああ! 晴間、晴間!」

「落ち着いて、霧崎さん!」

「落ち着いていられるわけない! もう1回世界を開いて! まだ、晴間が取り残されてるの!」


 雪花さんのパニックに陥った悲鳴に近い言葉を聞いて僕の意識はやっとこの場に戻ってきた。

 それと同時に、一度閉じた過去の記憶の世界は二度と開かないこと、そして、晴間くんの魂は繰り返される他人の記憶の中で肉体が朽ちるまで永久に彷徨い続けることを思い出す。


 彼の魂は狂ったまま人の尊厳さえも失って消えていく。


 僕は血が滲むほどに下唇を噛んだ。

 そして、器具を外して満足げに微笑む戸張を睨みつけた。何が起きたのか自明だった。彼がワイヤーを引き上げるボタンを操作して僕たち2人を置いて去ろうとしたのだ。


「戸張くん。」

「……助けていただきありがとございました。晴間さんのことは残念ですが。」


 僕はその言葉に思わず胸ぐらを掴んだ。頭に血が昇るという感覚を今生々しく感じている。

 この男何をいけしゃあしゃあと宣っているのだ。


 僕の行動と殺伐とした空気に志島さんが驚いた顔をする。


「落ち着きなさい、東雲くん。彼に八つ当たりしても何も始まらない。恐らくこのことは管理部の方も感知している。戸張くん、駄目で元々だ。もう一度この扉の上に載ってくれないか。」


 黙り込んだ彼の様子がおかしいことに志島さんも気づいたらしい。


「……戸張くん?」


 志島さんが問いかけるのと同時だった。

 僕は唐突に腹の痛みを感じた。


「東雲!」


 雪花さんの悲鳴で僕はやっと自分の腹にナイフを突き立てられたことに気づいた。僕が思わず戸張の襟を離すと、彼は刃を抜き、その傷に追い討ちをかけるように蹴りを入れてきた。

 耐え難い痛みに僕は思わず床に倒れた。

 

「アッハハハハ! 哀れですね、東雲さん!」

「このクソ野郎!」

「いや待て様子がおかしい!」


 今にも戸張を殺しそうな勢いの雪花さんを志島さんが止めた。

 それと同時に僕の目の前、戸張の足下から黒い蔦が勢いよく伸びた。黒い蔦に囲まれた彼は未だ高笑いを続けている。


「何よこれ……!」

「『業の証』が刻まれる瞬間だ。彼はすぐに堕ちるほどポイントを持っていなかったのか……?」


 この時僕はすでに『業の証』を刻まれる瞬間を二度見たことがあった。どちらも刻まれた人間は痛みと恐怖のあまり気絶して失禁するほどであった。

 しかし、目の前の男はどうだ?

 愉しげに、ただただ笑っているだけだ。


「罪を重ねすぎたなんて、滑稽なことを仰るんですねぇ神様も! ギフトを与えて僕を特別にしたのは貴方でしょう!」


 この男、1人で何を話しているんだ?

 もしかして、彼には僕たちに聞こえない何かが聞こえているのだろうか。焼けるような痛みに慣れてきた僕は妙に冷静な頭で思考する。


 どのくらいの時間だろうか、黒い蔦により業の証を刻まれた男は平然とその場に立っている。

 1番はじめに口を開いたのは動きを止めた雪花さんを離した志島さんだった。


「戸張くん、……君は何の罪を犯してきたんだ?」

「答える必要あります? 何の取り柄もない貴方達に。」


 それだけ言うと、彼は踵を返した。


「待て、戸張くん!」


 志島さんの制止と同時、彼を振り解いた雪花さんが音もなく飛びかかった。こう言っては失礼だが、慣れた動きだった。

 だが、戸張くんも残念ながら慣れた人間だった。

 彼女の腕を掴むとそのまま背負い投げをして床に叩きつけた。そして、その手を離すと彼は志島さんを突き飛ばして部屋から勢いよく飛び出した。


「待て!」


 僕は痛みに耐え、そのまま立ち上がった。

 死に至らないことを知っていても苦しかった。雪花さんは幸い打ち所が悪くなかったのか、すんなり立ち上がると僕をあっさりと抜いて走り出す。


「戸張! アンタは私が殺す! 止まれ!」

「そう言われて止まる奴はいないですよ、大馬鹿者!」


 それだけ大声で叫ぶと直線の長い廊下を走っていく。

 今あの男は凶器を持っている。下手に一般職員と出会すと被害者が増える可能性があるため、僕たちが捕まえなければならない。


 その突き当たり、予想していたことが起きる。

 いつもより現世窓に来るのが遅い僕たちの動向が気になったらしい斑目くんが曲がり角からひょっこりと顔を出した。


「戸張さん。アンタ、何しーー……。」

「斑目、捕まえて!」


 雪花さんから指示が飛んできたせいで彼は顔を顰めた。だが、戸張の手に握っていたものが目に入ったらしく、彼の顔は珍しく顔色を変えた。


「邪魔だよ!」

「……ッ、」


 彼は咄嗟に避けたがバランスを崩して後ろに倒れた。

 都合よく道が開けた戸張はそちらに進路を変えて走っていく。


「斑目、追いかけて! 私が殺す!」

「何言っ……。」

「斑目くん!」


 腹を抱えて走る僕は雪花さんより遅れていた。

 その声に反応した斑目くんはこちらを向いた。状況の把握できていない彼でも雪花さんが冷静でないことには気づいているようだ。

 僕にどうすればいいんだと問うように視線を送ってきた。

 もちろん追いかけて、と言おうとした。


 でも、晴間くんならどうする?


 彼なら斑目くんを危険に晒すような指示をするだろうか。

 雪花さんが追いついて彼に危害を加えたら、彼女の『業の証』が進行してしまうのではないか。彼はそれを望むのか。


「雪花さんを止めて!」


 斑目くんはちょうど横を通りかかった彼女を押し倒す形で止めた。喧嘩に関しては絶対に雪花さんの方が強いが、不意打ちであれば成人男性が抑え込む分には困るまい。

 雪花さんはあっさり抑え込まれる。


「3人とも、警備も動いているようだ! 手当てを!」


 どうやら警察も呼んだらしい。

 志島さんの言葉に少しだけ安堵しつつも、僕は志島さんに支えられながら暴れる雪花さんの元に歩いていく。

 腹の痛みがひどく感じられる。どうしようもなく無力感に襲われてしまい、話すのも億劫だ。


 一方で雪花さんは床にうつ伏せになりながら斑目くんを跳ね除けるのではないかという勢いで暴れている。


「離して斑目! ここで逃すわけにはいかないんだよ! 晴間を殺したアイツを……!」

「晴間さんが、殺された? そんなことあるわけ……。」


 否定したが、すぐに過去の記憶の世界の危険性に思い当たったらしい。彼は眉を顰めた。

 もう視界に戸張はいない。

 彼女は諦めたように項垂れる。


「……何で止めたのよ、斑目。」

「……東雲さんに言われたから。」


 気づけば顔面に1発食らったらしい。転んだ時の擦り傷と合わせて痛そうにしている。雪花さんは拘束を解かれたにも関わらず床に這いつくばったまま動く気配はない。

 どう、声をかけようか。

 僕たちが考えあぐねていると、彼女が先に口を開いた。


「……アンタ達は、すぐに晴間なら私がまた人を殺すことを止めるって思ってこうしたんでしょ。」

「……そうだね。」

「俺は違うよ。」

「そういうのいい。本当、アンタのそういうところが嫌い。」


 実際の所、どうなんだろう。

 でも、僕は雪花さんの言った通りだったから否定もできなかった。





 あれから戸張は役所から脱出したらしい。どんな手を使ったのか、斑目くんに言って監視カメラを確認したが、なぜかルートを完全に把握しているかのようにスムーズにルートを選択していた。

 そして、連絡を受けた天道さんや南条さんも間も無く訪れた。

 経緯と監視カメラを一緒に確認した。当事者である僕たちはもちろん、同じ事務所の2人や斑目くんも一緒に見た。3人があれ程に顔を歪ませるのは初めて見た。


 警察もすぐに動いて探してくれた。

 だが、役所から脱出して1時間、彼は区外に脱出していた。なぜかすでに出る手続きが済まされていたのだ。調べてみると、どうやら外部からの違法アクセスにより行われていたらしく、役所の面々はすぐに会議を開いていた。


 晴間くんに関してはやはり行方不明のままであった。

 二度と戸張の記憶の世界が開くことはなく、晴間くんが僕たちの目の前に現れることは無かった。

 話すことも、叶わない。どうしようもなく苦しかった。


 役所の顛末に関しては志島さんが事務所を訪れ、教えてくれた。


「今は斑目くんが凄い形相でセキュリティレベルを上げている。口には出さなかったけど、戸張くんを止められなかったことを後悔しているみたいだよ。」

 私も君たちが記憶の世界から戻ってきてすぐに彼を抑え込んでいれば、せめて時間を稼げたのかもしれなかった。すまない。」

「……なら、捕まえてくれればよかったのに。」

「霧崎。」


 南条さんが雪花さんを叱った。雪花さんは謝ることなく視線を逸らすだけだ。

 志島さんは雪花さんを責めることなく難しげな顔をしていた。


「……君たちはこれからどうするんだい?」

「悔いても黄泉の国に来る人はいますからね。私はこのまま続けますよ。」

「……まぁ、アンタだけは当日も働いていたしな。今更言及する気も起きねぇわ。」


 ほんの少しだけ寂しげにしたが、天道さんはすぐに繕ったいつもの無機質な笑顔に戻った。南条さんは付き合いが長いせいか、同じく分かったのだろう。

 しかし、南条さんはスッと真顔になると驚くべき提案をしてきたのだ。


「ただよ、暁所長。俺は転籍させてもらうぜ。」

「転籍? このタイミングで?」

「このタイミングだからさ。」


 僕はその意図をすぐに理解した。それは天道さんも同じであるようで淡々と尋ねた。


「もしかして、かわたれ事務所に転籍するするつもりですか?」

「さすがだな。」

「確か戸張くんはかわたれ事務所だったな。」


 ここで志島さんも南条さんの意図に気づいた。


「かわたれ事務所では猫を被ってたと言えど、それなりの期間をアイツが拠点としていた場所だ。何らかの情報はあるだろ。それに、同僚達が洗脳を受けている可能性もあるしな。」

「そうですね。私からもお願いします。」


 天道さんが伝えると南条さんは強く頷いた。

 僕としても、あの男を捕らえるため少しでも多くの情報が欲しかった。雪花さんも同じようで頷く。


「ならば、欠員補充が必要だね。今のメンバーだと過去の記憶の世界に飛び込めない。」

「……そこは合同でいいと思います。」

「……できる仕事が限られますよ?」


 僕がそう返すと、天道さんが難色を示す。だが、雪花さんも同じ想いだったらしく、視線が交わった。


「人が足りなければ応援を呼ぶでしょ? そうすれば色んな方面の人から情報収集もできるし、必然的に応援に行くとなれば地区外に出ることも増える。それなら、いいよね?」

「……なるほど、あなた達の意図は分かりました。」

「南条の勝手だけ許して、私らの要望を聞かないなんて言わせないから。」


 そう言った雪花さんからは味方のはずの僕も一瞬慄くような殺気が溢れていた。


「飲めないなら私は事務所をやめてあの男を殺しに行く。」

「そんなことは許されないぞ。」

「なら、所長を説得して。」


 志島さんは困ったようにため息をついた。

 南条さんは黙っている。恐らく腹の中ではやってやれという気持ち、体面上は注意しなければならないという考えがあり、故に静観しているのだろう。


 だが、意外にも折れたのは天道さんだった。


「構いませんよ。あなた達がそれでいいならば。ただ取り分は減りますから、いずれにせよ霧崎さんは自分の首を絞めていることを自覚してくださいね。」

「当たり前。」

「天道さん……。」


 志島さんが咎めたが、彼女は手のひら一つでそれを制した。


「いいんですよ、志島さん。私はいずれ成仏する身、近いうちに所長は東雲くんに譲ることになると思っていましたから。」

「……やめるということか?」


 天道さんは意味深に微笑むだけであった。




 それから南条さんが転籍して間も無く。

 天道さんの頭上に浮かぶ輪の色が変わった。つまり、彼女が成仏することが決定し、それは数日のうちに果たされることを意味していた。

 彼女のことだ、過去の事例からどれくらいのポイントで成仏するのか知っていたのかもしれない。


 通常業務が終わった後、僕は引き継ぎのために天道さんと2人で事務所に残っていた。


「それにしても斑目くんのおかげで引き継ぎは楽でしたねぇ。」

「南条さんのときもそれ言ってましたよね。」


 斑目くんがデータベースや検索ツールを作ってくれたのはこの頃より少し前。それまでは引き継ぎ資料のほとんどが紙であったため、それなりに引き継ぎに時間を要していた。

 だが、今回は殆どがデータに移行しマニュアルが整頓されていたことと、彼女が自身の成仏を予見しており、引き継ぎが早期から進められており、作業はすぐに終わった。


「……改めてお世話になりました。天道さん。」

「こちらこそ。私も君たちと会えて楽しい余生を過ごせましたよ。」


 なんとも言えない言い回しに2人で失笑してしまった。

 彼女はさて、と言ってキッチンの方に向かう。帰るわけではないのだろうか、僕が見守っていると彼女はテキーラとカシス、他にも何本か飲み物を出した。


「もしかして、ここで飲むつもりですか?」

「いいじゃないですか。最後の餞に。あ、その花飾っておいてくださいね。」


 天道さんが指した花はカモミール。

 彼女は懐かしむように笑いながらカクテルを作っていく。


「カモミールはね、晴間くんが好きな花なんですよ。」

「ええ、晴間くんが?」

「意外ですよね。」


 彼が花を好むイメージがつかなかった僕は失礼な声音で聞き返してしまった。


「まぁ、もしかしたら忘れてしまった記憶の中に何か引っかかるものがあったのかもしれません。はい、どうぞ。」

「……これは?」

「君への選別です。エル・ディアブロというカクテルです。」


 何で最後の最後にこんな毒々しい色のカクテルなんだろう。

 そう思いながら恐る恐る飲んでみると、思いの外飲み口は爽やかで飲みやすいものだった。


「さて、貴方には最後一個人として話さなければならないことがあります。」

「……晴間くんのことですよね。」


 僕は正解だと思った。

 だが、答えは予想のしないものだった。


「察しはいいが惜しい。正しくは彼らが持っていた『ギフト』のことです。」

「何で知っ……。」


 そうだ、よくよく考えれば不審だった。

 晴間くんはどうやって『ギフト』の存在を知ったのか。志島さんに聞いたとは言えど、詳細を知る方法はなかったように思う。資料にもない言葉であるのだから、口伝であることには間違いない。

 それを身近で知っている人物といえば、ほぼ間違いなく彼女しかいない。

 だが、彼女には内緒にしていたようであったため、恐らく彼の耳に入るようにわざと事務所でその話題を出したり、敢えて資料をつくり見せたりしたのだろう。


「まぁ、私も志島さんから教わった立場なので詳しいとは言えませんが。彼は持っていたんでしょう? 戸張さんの言う『特別』を。」

「そう……ですね。」


 今更隠し立てするのは無理だと悟り、僕は正直に頷く。


「知っていましたよ、彼が未知の力を不安に思っていたことも。それを君に打ち明けたことも。

 私が知らないふりをしたことが正しいことなのか、それとも誤りだったのかは、今となっては分かりませんがね。」


 それは僕だって同じ。

 天道さんや南条さん、雪花さんに伝えておけば、戸張の違和感に気づいて、事前に彼の凶行を防げたかもしれない。


「私は頼まれれば助言もしますし手を貸します。過度な干渉は私のポリシーに反しますから、この結果に対して言うことはありません。晴間くんの迎えた最期も様々な選択の末に迎えたものだと割り切っています。」

「……だけど、僕たちは割り切れません。」

「そうでしょうね。」


 僕の言葉を受け止めた天道さんの顔に先程までの笑みはない。


「だから心配なんです。君たちはどんな犠牲を払っても目的を成し遂げられる強靭な心を持っている。」

「天道さんの言葉を借りるならそれも選択の結果ですよね。」

「そうです。でも、君が、雪花さんが、協力者の方が承知した犠牲だったとしても、その犠牲を何よりも望まない人間がいるかもしれないということを、後々大きな後悔を生むかもしれないということを覚えていてほしいのです。」


 今回の僕たちのように。

 晴間くんにとっては悔いのない選択だったのかもしれない。はたまた後悔をしているかもしれない。そして、僕たちにとって、彼は何よりも望まない犠牲だった。


「……分かりました。」


 彼女はこれ以上僕に言及することはなかった。

 西陽の差し込んだ彼女の紅く混沌としたカクテルがひどく綺麗に見えた。




 この日から黄昏探偵事務所は僕と雪花さんの2人だけになった。

 事情を知る志島さんがちょこちょこ事務所への就職希望者や転籍希望者を寄越してくれるが、わざと追い出すような態度をとった。

 無茶振りの如く事案に巻き込んだり、何となく壁を感じさせたり。

 時に南条さんや志島さんに咎められることもあったな。


 そんな日々を過ごして1ヶ月。

 日笠くんと出会った。


 いつも通り、別の探偵事務所か仕事に行ってくれればいいと思っていた。

 だが、斑目くんが連れてきた君はあまりにも真っ直ぐな瞳をしていて邪険にできなかった。そのせいで、思わず君を助手なんて言ってしまった。

 晴間くんみたいに上手くなんていかなかった。でも、君は重い事案にも関わらず、最後まで依頼人に寄り添った。それが眩しくて、僕は思わずここに留めてしまった。


 それが正解だったのか、不正解だったのか、わからない。

 でも、晴間くんの面影を残す君がここに来てくれたのは何かの運命と思わずにはいられなかったんだ。

 25・26話で真紘には神様の声が聞こえていましたが、実は他のメンバーには聞こえていませんでした。

 そして、馬路は24話で神様と話したことを肯定していますが、あくまでも神様が一方的に話していただけであり、馬路自身は声を出すことは叶いませんでした。

 つまり、彼はギフトを持っていない【半生人】にすぎなかったのです。


 それと31話で触れられたカクテル言葉、覚えているでしょうか? シャーリーテンプルは「用心深い」、ブラッディ・マリーは「断固として勝つ」です。

 またカモミールの花言葉にも意味があります。

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