12話 城に入る方法
城下町を歩いている、カイルとタイロン。
栄えた場所に来たことが無かった為、戸惑う。
これまでとは、人や建物の数も違った。
城下町の人々とも話をしたかったが、少しでも早く剣を返したかったために、城の扉の前まで足を進める。
門番が2人、警備をしていた。
次の瞬間、門番が話しかけてきた。
「今、城の中には入ることが出来ません…… お帰りください!」
「いや、僕たちは剣を返しに来ただけなんです!」
「何、訳の分からないことを…… これ以上ふざけたことを話すと、ただじゃすまないぞ!」
「そんな……」
タイロンがカイルに話しかける。
「ここは、一度引くぞ! 考えをまとめるのは、それからだ!」
タイロンの言葉で、我に帰る。
門番に頭を下げると、足早に城下町へ戻る。
城下町に戻ってきた。
突然、声が聞こえてきた。
「あんた達、どこから来たの?」
「あの……失礼ですが、あなたは?」
「私? 私は、近くに住んでいるのよ。それより、旅人なんて久しぶりね!」
「あの…… 旅人があまり、来てないのですか?」
「そうなのよ。 剣が盗まれてから、みんな怖がっちゃってね! 王国の兵達も、ピリピリしているのよ…… あんた達も、気をつけるのよ!」
話しかけてきた人は、カイル達に忠告すると、立ち去っていった。
さて、これからどうするのか考える。
「どうやって、城の中に入るかだよな…… 何か、良い案でもあるのか?」
「そうだね…… 直接向かっても、また止められるだろうし…… 困ったな……」
カイルは、しばらく考えた。
鞄からクックが書いてくれた見取り図を見る。
そして、一つの案を提案する。
「調理場のゴミ箱だ!」
「ゴミ箱…… ゴミ箱が何だっていうんだ?」
「ここのゴミ箱は捨てると、外と繋がっているみたいなんだ!」
「何の為に?」
「作物を育てるための肥料にしているみたい…… それに、城の中に臭いが充満しないようにするというのもあるらしい。 だから、そのゴミ置き場から、逆に城に入れるんじゃないかな?」
タイロンは戸惑っている。
「いや…… さすがに、それは……」
「だからこそだよ! 他に方法はないし、向こうも想像していないと思うよ!」
「お前がそこまで言うんだったら、信じるさ!」
カイルと、タイロンは少し休憩をする。
そして、再び城の方へと歩き始める。
城の近くまで来ると、正面の門番に気付かれないように、ゴミ捨て場の方へと回り込んだ。
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