3話[影の世界の王様
眠い。とても眠い。これ書いたら寝ますよ僕は。え?先週...?ちょっと何言ってるかわかりませんね....
....どれぐらいの時間がたっただろうか...俺が..この廃墟に住むようになってから...
外は雨だ...しかも土砂降り..この廃墟の中にも、ぽちゃん..ちゃぽん..と雨漏れしているのが分かる。
最も、俺のいる場所には一滴も落ちてこないが....一人だと話すこともない。
時々、自分が何を言っているのか、わからなくなる時がある。
なぜ...こんな場所で暮らさなければいけないのか...そんな考えが頭をよぎる。
世界を滅ぼそうかと考えたこともあったが、かなわない夢であり、妄想であるとわかっている。
なので、実行しようとは思わない。そんな毎日を送りつ続ける...。それが俺の人生...のはずだった。
ある日、誰かが近づいてきているのが分かった。その日も前のような土砂降りだった。
ぴちゃ.....ぴちゃ.....びちゃ......と誰かが水たまりに足を踏み入れながら、こちらへ向かってくる。
この廃墟は音がよく響く。小さな音でも聞こえるだろう。ぴちゃ.....ぴちゃ......
と同じ調子で近づいてくる足音はやがて止まった。...俺の目の前で...俺は人を信用しない。
だが、ここに来たのは、おそらく俺に何かしらの用事があるのだろう。
だが、相手から話してきて、それにこたえるのは俺としては面白くない。ここに誰かがいるという時点で
面白くない状況であるのに、話しかけられたら、頭に血が上りそうだ。
そう言った理由で、俺から話しかけることにした。[誰だ...お前は。何の用だ...]
おそらく何かしらの用事が俺にあると推測するならば、妥当な呼びかけだろうと思う。
その問いに対して、目の前のフードを被ったそいつは口を開いた。
[私の名前は...そうだねぇ...好きに読んでもらって構わない..が、それでも何て呼べばいいか
わからないのなら、Nとでも呼んでくれたらいい...]
Nと名乗ったそいつはフードを被っておりそのフードにつながっているマントのようなものを着ていた。
目の前にいるそいつは、声がよくわからない。そいつの声ははっきり聞こえる。
しっかりと日本語をしゃべっている。だが、男でも、女でも、中性的なものでもない声をしていた。
不気味すぎるのだ、何もかもが。Nと名乗ったそいつは、続けてしゃべる。
[君は能力者だね?わかるよ、僕には。私とともに、世界を壊そうじゃないか...君も考えたことぐらいはあるだろう?世界を滅ぼしたいと...]図星だった。確かに思ったことはある。だが、
できるわけがない。Nの言葉に少し混乱しているところに、さらに追い打ちをかけるかのように
Nは言った。[こんな生活をしてるんだ...さぞ、世界を恨んでいるでしょう?俺にはその力がある。
僕たちと世界を壊そうじゃないか。]...訳が分からないやつだと、そう思うのも無理はない....と思いたい。
今きずいた。こいつは一人称を確立していない。まるで、別の人格があるみたいに、
毎回一人称が違う(同じ一人称は使う)。訳が分からないまま下を向いていた俺だったが、
一度顔を見上げるように、上を見た。顔が見えるわけではないが、
Nは俺の返答を待っているようだった。俺はNに言葉を返す。[...世界を壊すことなどできはしない。
妄想は自分だけでやってろ。]...当たり前だ。こんな話、信じるわけがない。俺の返答にNは、
おそらく困ったのだろう。いきなりぶつぶつと言い出した。[...これでは、私の計画が....]
とだけ聞こえた。その後、何かを決めたようで、Nは言った。[信じられないのなら見せてあげよう。
この"表の世界"に対に存在する"影の世界"を...]そう言い放つと、どこかに吸い込まれるような
感覚とともに"世界が変わった"。Nが影の世界といったこの世界、そこは影さながらの風貌をしていた。
Nは何かに気が付いたのか、[100人以上の能力者を犠牲に、やっと...やっと見つけた!]といった。
俺には何が変わったのかはわからなかった。だがこれだけは言えた。Nと名乗るこいつならば、本当に、
世界を滅ぼせるのではないかと。ここで、俺の人生が変わった。何もない、くだらない日常から
世界を滅ぼす日々へと変貌したのだった。喜ぶNを横目に、俺は、自分を初めてちゃんと自覚した。
そしてここが "俺の世界である" と確信したのだった。
それにしてもいきなり新キャラが二体とか...多すぎますかね?まぁどこの漫画や小説に行ってもそんなシーンいっぱいありますしむしろ少ないですよね(笑)。それはそうとこの小説読んでる人っているんですかね...