病み上がり② 紛れもなく半纏だった
「ずるい」
「何がだよ…」
コソコソ。
「お前だけずるい。僕だって文句を言われたい」
「兄貴にゃ心底ひとっつも文句がねえんだと思いますよ。何せ、兄貴がすることならなんでも喜ぶタイプの変態すから」
「はは、エビーの言う通りです」
コソコソコソ。
「一つもない訳ないだろ、僕がどれだけ失敗に失態を重ねてきていると思っている。それに」
「だーから、その失敗とか失態ですら可愛いとか思われてんだろふざけんなこの野郎」
ゲシゲシ。
「八つ当たりはよせエビー。ザコル殿は特別なのだ」
「セーフティゾーンだって特別枠だろが! 俺だって可愛いがられてえよ!」
「贅沢言うな! あのミカに文句を言われるのだって充分特別だ!」
「そっちはその辺で勝手に懺悔してろ! 文句ばっか言いやがって!!」
わーわーわー。
…内緒話する気があるんだろうか。
「ザコルにはそこそこ文句も言ってると思うんですけどねえ…」
ぴた。
部屋の隅で騒いでいた護衛達が固まる。ザコルまで私が起きているのに気づかないとは。
「エビーは可愛がってほしかったんだねえ。ほらおいで」
布団をめくって手招きする。
「…っ、殺されそうなんで、やめときます」
「だよねえ」
私がエビーを可愛がれないのは私のせいではない。ドングリや飛礫が飛んでくるせいだ。
ガチャ。
「ひえ!?」
ノックもなく扉が開く。ついでに気配もなかったのでエビーが飛び上がった。
「あらコマさん、おはようございます」
「行くぞ。支度しろ」
どこへ、と訊く間もなくコマは扉を閉めた。
今日のコーデは山の民のスカートと頭巾を取り入れたフォークロアファッションだ。お馴染みの格好である。
外はまだ薄暗い。鍛錬にでも行くのかと思ったが、私は参加が許されていない。
「エビーとタイタは朝の鍛錬行ってきてもいいよ」
「いーや、そうやって離れてる時に限って何か起こるのがいつものパターンなんで」
「エビーの言う通りです」
二人揃って首を横に振られてしまった。
夜中吹雪いていた雪は止んだようだ。窓はしんと静まり返っている。
廊下に出て、ガラスにこびりついた雪の隙間から庭を見下ろすと、何やら白くうごめくもの達が目に入った。
「白装束…同志達か」
短い時間でも雪が急激に積もることが多くなり、テント暮らしが危ないと判断された同志村メンバーは、女子達だけでなく男性陣も町の各施設に滞在先を移すことになった。
彼らが商会として依頼を受けていた冬支度はそろそろ終わる頃なのだが、編み物作品をチッカで委託販売したり、ザハリの心療を行う洗脳班達の世話をしたり、深緑の猟犬グッズ制作に勤しんでみたりと、なんやかんやと仕事があって滞在が延びている彼らだ。
「マージはしばらく町から出さないつもりだと思います。このまま帰しては邪教や王弟派の標的になるかもしれませんし」
「そっか…。結局ガッツリ巻き込んじゃいましたね」
「どうかお気になさらないでください。彼らとしては、こちらへの滞在が長引くのはご褒美でしかありません」
「そうすよ、どう見たって楽しそうにしてんだろ。ほら今日だって」
雪の中をうごめく白装束は十人、その後を白装束ではない男性達が追うように動いている。
庭へ通じる扉の前はあらかた雪かきが済んでいた。使用人の皆さんは一体何時に起きて雪かきしてるんだろう…。
まだ半分雪に埋もれている入浴小屋の陰から、ヒョコ、と人影が現れる。雪かき用のシャベルを持ったカファだった。
「おはようございます皆様! ミカ様はもうご体調はよろしいので?」
「おはようカファ。昨日シシ先生に外に出ていいって言われたからね、今日から少しずつ体動かしていくよ」
「それは良かった。ですがご無理は禁物ですよ! 若頭達につられないでくださいね!?」
「あはは、気をつけるよ。心配してくれてありがとう」
えっさ、ほいさ、と緊張感のない掛け声と共に、白装束が小さな歩幅で横歩きしている。あれは雪踏みだ。
雪踏みとは、積もったばかりの雪を踏みならし、歩きやすくする目的で行われる。鍛錬がある時は、始まる前に足腰の強化も兼ねて整地…ならぬ『整雪』を行っていた。
「部下のみんなまで一緒にやってる…」
「ふはっ、部下の人らも楽しんでますね」
白装束に続く男性達の一団は、同志達が率いる商会スタッフ達だった。エビーの言う通り、彼らは一様に笑顔で雪踏みをしていた。
「猟犬様だ、ミカ様も! リーダー! いらっしゃいましたよー!!」
「ぬぬっ、本当だ! まだ雪踏みは全然終わってないのに!」
白装束達が焦ってスピードを上げている。
「俺らも手伝いましょうかねえ」
「そうだな。ミカ殿はザコル殿と屋内にてお待ちください」
エビタイに促されて一旦屋敷の中に戻る。
庭で何するつもりなんだろう。
「同志達の鍛錬の場をここに移しただけです。他は晴れていれば放牧場か、自宅近くで鍛錬をするそうです」
「そっか、雪深くなりましたもんね」
「そうです。朝から遭難者を出していたのでは洒落になりませんから」
どやどや、階段の方から多数の気配が近づいてくる。
「あ、中…カズ。おはよう」
「おはよーございまーす。庭で鍛錬やるって聞いて来たんですけどぉ。堀田先輩は鍛錬禁止じゃないんですかぁー?」
いーけないんだーいけないんだー、と小学生のように囃される。
「鍛錬に参加するつもりはないよ。なんか、コマさんが行くぞって言うから部屋出てきたんだけど…」
そのコマが見当たらないのだ。
カズの後ろからはザッシュとロットとイリヤが現れる。過保護が行き過ぎてカズに拒絶されていたロットだが、同席くらいの接近は許してもらえているようだ。それに伴い、イリヤから敵認定されることもなくなった。
「おはようございます、お兄様方に、イリヤくん」
「ああ、おはようミカ殿」
「おはようミカ。山の民の衣装も似合うわね」
「イリヤ、ミカ殿とザコルがいるぞ、挨拶を」
「……うん、おはようございま…ふ…」
イリヤは寝起きらしく目をこすっている。
ガウガウ、ガウガウ。
彼らの足元には黒狐型魔獣、ゴウがいた。
「へえ、魔獣達と遊んでて夜更かししちゃったんだね」
ガウガウ…。
「無理をさせて面目ない、ですって」
ゴウは眠そうなイリヤが心配でついてきたらしかった。
「はは、魔獣達も楽しんでいたらしいな、たまにはそういう日があってもいいだろう」
イリヤと魔獣達とで何して遊んでたんだろう。枕投げでもしたんだろうか。
魔獣達は喋られないが知能は高いので、簡単なゲームくらいなら一緒にできそうな気がする。
「いーなあ、ウチもその狐ちゃんとおしゃべりしたかったぁ」
カズが羨ましそうにしている。結局カズ本人に確認したところ、私と違い、魔獣の言葉までは解っていないそうだ。
「何で翻訳チートに個人差があるわけぇ? それもうチートじゃねえしってか先輩にスキル偏りすぎじゃね」
「戦闘スキルで言ったらあんたの方に偏りまくりでしょ」
「そこも努力と根性で差ぁ縮めてくるのがチート先輩ですからぁ」
ふとザコルがいないな、と思って辺りを見回したら、ロットに廊下の隅の方に連れていかれ何やらコソコソ話しかけられていた。
「…アンタ、ミカに無理とかさせてないでしょうね!?」
「ですから僕はヘタレなので何も」
「嘘おっしゃい!! 普段からあんなにベタベタしてるクセにナニもナイだなんてオカシイでしょ!?」
「無いと言ったら無いです。大体、こんな状況では」
「はあ!? ミカに恥かかす気!? あの子、あんなに積極的なのに!!」
「…兄様は僕にどうして欲しいのですか? ミカはあれで男性にあまり免疫が」
「このヘタレ!!」
「………………」
まあいいか、と思って見ないふりをしようとしたらカズと目が合った。
「野生の人ぉ、頑張ってると思うんですよねぇ」
うんうん、カズが神妙な顔で腕組みをする。
「先輩が誘惑してくるからってぇ、いざ手ぇ出そうもんなら袋叩き確実とか何の拷問」
ちょいちょい、イリヤがカズの上着の裾を引っ張る。
「カズさま、ゆーわくってなんですか? ふくろだたき? ごーもん?」
「何でもないよイリヤ。野生の人がフビンってだけだからー」
「ふびん! がんばりすぎてるってことですか!? いっぱいほめてごほうびをあげないと!」
イリヤは「せんせーはふびん! いーこいーこです!」と叫びながらザコルの元に駆けていった。
「…………んぶふぉっ」
天井から変な声がする。
カズは口を押さえてあらぬ方向を見ている。ロットも遅れて意味を理解したか吹き出した。
「ミカ殿…震えているぞ」
ジト目のザッシュに指摘される。
「…だっ、だって…っ、流石に私が笑うのはどーかと思って我慢…っ」
ザコルも言いたいことは山程あるだろうに、駆け寄ってきたイリヤを抱き上げ、黙っていーこいーこされている。
「ぎゃんかわ…!!」
結局私は膝から崩れ落ちた。
同志達の基礎鍛錬はザッシュとロットが見てくれることになり、私とザコルは入浴小屋の準備などを手伝いつつ、チョロチョロしているイリヤの面倒を受け持つことにした。
エビーとタイタ、ついでに天井に潜んでいたサゴシは基礎鍛錬の方に参加させた。ここからなら目も届くし、彼らが知らぬ間に私が何かに巻き込まれるということもないだろう。
「ミカは僕に文句など無いんですか」
「文句があるのはどう考えてもザコルの方では?」
「僕は文句を言ってもらわないと成長できないんです!」
「ふへ、文句言ってるかわいい」
「違う!」
何が違うのか分からないが、怒っているのか絶望しているのかよく分からない顔もかわいい。
「ミカさま、あとでおいしいもの作ってあげてください!」
「そーだね。イリヤくんの分も用意するから一緒に食べよう」
わーい、イリヤが雪の中で飛び跳ねる。
「ミカ様、こちらの羽織を」
メイドのユキが庭に飛び出してきた。
「すぐ屋敷に入るから大丈夫だよ」
「そんな秋物の外套一枚で大丈夫なわけありません! 廊下だって寒いのですから」
ユキが持ってきたのはモコモコと綿の詰められた布団のような上着だった。
…襟などに施された刺繍は北欧みたいな柄だが、どことなく半纏っぽい形なのは気のせいか。
「今、マージ町長がミカ様の格に合う一式を用意しております。それらが届くまではこちらをどうぞ。サカシータではよく着られているもので、ハンテンというのですよ」
紛れもなく半纏だった。
「外を歩くには向きませんが、室内で暖かく過ごしていただくにはぴったりです。布団を背負っているかのような暖かさでしょう?」
「そうだね。何だか懐かしい気分だよ」
祖母の友人が着物を解いて縫ってくれた、お気に入りの綿入り半纏を思い出す。独り暮らしになってからも重宝していた。
「ハンテンは、オーレン様がお若い頃に考案したものと聞いております」
「えっ」
私は思わずユキの方を振り返る。
「オーレン様がこれを? 昔からある伝統のものとかではなく?」
「はい。と言っても祖父母の時代に広まったものですので、昔といえば昔ですが…」
オーレンは五十代半ばから後半くらいだろうに、十三、四歳のユキからすると祖父母の時代になってしまうのか…。
「あは、先輩ちゃんちゃんこ似合いますねぇー。ザシキワラシみたーい、ダサかわー」
同じく入浴小屋の準備の方に加わっていたカズがやってきて、面白そうに半纏の裾を引っ張った。
「ハンテンですよ、カズ様」
「えー、どー見たってちゃんちゃんこじゃーん」
色々と失礼だし間違っているのはとりまスルーしておく。
「ねえ、この半纏、オーレン様が作ったんだって知ってた?」
「あー、はい。なんか雪国にはハンテンだろとか言って、前線でも着てましたぁ」
「えっ?」
「えっ?」
……………………。
「…いや、そのセリフに疑問とかないの」
「あは、戦場で着てるのはおかしーですよねえ」
ダメだ、このギャル、全然伝わってない。
「…あのね、豪雪地帯を雪国って呼ぶ文化、こっちじゃ浸透してないみたいなんだよ。それに、半纏を知ってるのも」
「ハンテン、ってこっちの用語じゃないんですかぁ?」
「何言ってんの、半纏って日本語だよ? ちなみに、ちゃんちゃんこって袖無し半纏のことだから」
というか異世界に見覚えのある上着があることにも疑問を抱いて欲しい。
「…マ?」
本気で思い至らなかったらしいカズは「え、袖があるのはちゃんちゃんこじゃないってコト? ていうかオーレン様って」とブツブツ呟き始めた。
彼女は今まで半纏というものを着たことがなく、ちゃんちゃんことの違いもよく分かっていなかったらしい。現代っ子め。
「父がどうかしましたか」
樽を持ちに行っていたザコルが話に加わってくる。
「…えっと、オーレン様って、サカシータ領生まれですよね?」
「はい。紛れもなく祖父ジーレンの息子かと。生き写しかと言われるほど似ていましたし」
少なくとも渡り人ではないのか。イーリアが夫の能力などについてあまり話せないと言っていたので、本人に会うまでは話題に出すのを遠慮していたのだが…。果たして訊いてしまってもいいんだろうか。
「訊いて構いません。どうせ僕が父について知っていることは限られますし」
「じゃあ、遠慮なく。十手って昔からありました?」
「ジッテ? 何でそんな……ええまあ、恐らく。曽祖父のものだという、古い鋼鉄製のジッテが暖炉の上に飾ってあったような」
「新兵志望者に門前で『タノモウ』って叫ばせる風習って、誰が始めたことですか」
「父ですね。子供時代の父が祖父やモリヤに手合わせをねだる際、よく叫んでいた言葉だそうです。意味は分かりませんが、いつの間にか皆が真似するようになって、ということらしいです。モリヤに聞いたので間違いないかと」
「正座の習慣はいつからあります?」
「それは…よく分かりませんね。ですが、セイザで挨拶をする場所というか、ドージョーという鍛錬用の部屋を作ったのは父です。なぜか土足厳禁にこだわったと語っていて」
「マ? あの立派な道場、オーレン様が作ったんですかぁ」
「ええ。大雪が続いても鍛錬ができるようにと。息子達に容易に破壊されないよう、壁の内側に分厚い鉄板が仕込まれているんですよ」
まあ、僕は一度突き破ったことがあるんですが、とザコルはどこか恥ずかしそうに言った。
私とカズは顔を見合わせる。
「…んーとぉ、オーレン様取っ捕まえて吐かせますぅ?」
取っ…
「いやいやいや、別に取っ捕まえなくたって、頼んで教えてもらえばいいんじゃないの」
「だってー、すぐ『ギャル怖い』とか言って逃げるんですよぉ、あのオッサン」
「子爵様をオッサン呼ばわりしてはいけません」
めっ。
「ええー…あ、ちょっ」
なぜかザコルがカズを押し退けて私の前にきた。
「…? な、何ですか」
じっ、見つめられている。期待に満ちた顔で。なんで?
んんっ、と何かを噛み殺す声がして振り返ると、シャベルを持ったカファが立っていた。
「ミカ様。別にご期待に沿う必要はないかと思います」
ユキは首を横に振っている。
「えっ、私って何を期待されてるの、カファとユキは分かってるの?」
聞いてみたものの、二人とも教えてはくれなかった。
「先生、ミカさま、カファが作ったユキダルマがすごいです! 見てください!」
イリヤに引っ張られていくと、見事な狼っぽい雪の造形が出来上がっていた。
「猟犬様をイメージして作りました! カッコいいでしょう!」
狼ではなく猟犬だったらしい。
「ええ、カッコいいです。ありがとうございますカファ」
普通に嬉しかったようで、ザコルの表情は柔らかい。
「…僕があれを壊したりすれば、ミカは僕を叱ってくれるでしょうか…」
「はあ? そんなことできないくせに。さっきから本当に何なんですか?」
私が軽く睨むふりをしたら、ちょっぴり嬉しそうな顔をされた。本当の本当になんでだ。
基礎鍛錬が終わった男達が雪の上に倒れ込んでいる。
同志達とエビタイに個別稽古をつけるためにザコルが足を向けると、カズとイリヤもその後を追って行った。
「ミカは何してんのよ」
「何だそれは…まさか昨日のザコルか?」
私は雪を溶かして再凍結させ、我らが最推し忍者を氷像で再現しようと四苦八苦していた。
「何度作ってもあの完璧な忍者にならないんですよぉ…っ! ううっ」
「そんなことで泣くな」
ザッシュとロットに呆れられつつも、氷像作りはやめない。とりあえず忍者は諦め、子供が喜びそうなものでもと作っていく。
「その、羊のようで羊じゃない、少し羊っぽいもの、だったかしら? ちょっと不気味なんだけれど…」
早速羊の氷像にダメ出しされた。
「不気味とはなんですか! 一応縁起物ってことになってるんですからね!」
「何よ文句ある? 大体、縁起物ってあの同志の一人、ジョーが適当に言ってんでしょ。ザコルが作りすぎて馬車がパンパンになってたわよ? あんなヘンテコなもの大量に作ったって売れるわけないわ、どうせ」
「全部売れたらしいぞ」
「はあ!? 嘘でしょ!?」
馬車いっぱいの羊のような編みぐるみ、まさかの完売…。
「ザッシュ様のおっしゃることは本当ですよ! 私もこの目でカラになった馬車や箱を見ましたから! それから個人的に一つ買いました。ははっ」
「カファさんもですか、俺も二つ買ったんですよ。一つは親戚の子にやろうかと」
「店頭に並んだ瞬間争奪戦ですからね。ずるいかとは思いつつ、俺も取り置きしてもらって」
同士村の男性スタッフ達も皆持っているらしい。今流行りのアイテムか。
「ええー、そこまで言われたら私も欲しくなっちゃう」
「アンタが作り始めたんでしょうが!」
自分で作っても味気ない。ザコルに頼んで一つ作ってもらおう。きっと数分もたたずに出来上がる。
「ふーん、それだけ売れたなら売り上げも相当よね。かわいい服やアクセサリーでも買ってもらいなさいよ、いいわねえ何が似合うかしら」
「羊っぽいものの売り上げは全額水害復興のために寄付されております」
「まー何よっ、ありがたいけどツマンナイわねっ」
「リボンならこないだ買ってもらいましたし、このマフラーもありますから。もう何も要らないです」
「まさかそれもザコルの手作り!? 何よ何よっ、悔しいけどイジラシイわねっ」
「ふふっ」
同じくザコルの手作りマフラーを首にかけているザッシュが気まずそうな顔をして明後日の方角を向いた。
同志村女子スタッフ達が朝食の用意ができたと庭に出てくる。その後には、アメリア御一行の姿もあった。
つづく




