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世界情勢エッセイ

J.ロスチャイルド卿死去、「歴史を変えた一族」を振り返る

作者: 中将

筆者:

 今回は本エッセイを選んでいただきありがとうございます。


 今日は都市伝説や陰謀論で筆頭格として出てくる「ロスチャイルド家」について個人的な解説を行っていこうと思います。



質問者:

 ロスチャイルド家ってどうにも「影の支配者」というイメージがネットでは根強い感じがするのですが、やっぱりお金を持っているからでしょうか?


 そもそもどうしてそんなにお金を稼ぐことが出来たのでしょうか……。



◇「ユダヤ人迫害」が結果的にロスチャイルド家を強くした



筆者:

 実を言いますと要素の一つとして「ユダヤ人迫害」の逆境の中で強くなったのが

ロスチャイルド家なのです。


 ユダヤ人はローマ帝国によって古代イスラエル王国が滅んだ後も、

 「約束の地」について諦めず、何世代にもわたってヨーロッパ各地を迫害されながらも渡り歩いていました。


 どうして迫害され続けたのかと言いますと、キリスト教国家が多くユダヤ教を頑なに信じ続けたことからその国に馴染むことが出来なかったのです。

 

 ユダヤ人はゲットーと呼ばれるユダヤ人居住区に住まわされ、正式な名字を許されないばかりか土地所有も認められないこともあったようです。


 ユダヤ人はそんな中、キリスト教信者たちが嫌った、質屋、金貸し、両替商、古物商、行商人などの仕事に就かざるを得なかったのです。


 日本の江戸時代の時の「士農工商」の価値観を見てもわかる通り、

近世より前では世界各国でも「お金を稼ぐことは卑しいことだ」という感覚があったんです。


 そのうち「信用創造」という概念が生まれ、かねてから銀行業をやっていたロスチャイルド家は貨幣の信用創造という立場に関わるようになり一気に巨大化していったんですね。


 ロスチャイルド家の祖と言われるマイアーのロートシルト銀行は1789年にはイギリスの大銀行の仲間入りを果たし、

 1803年にはデンマーク政府に巨額の貸し付けを行い、欧州政府から注目されるような貸金業にまで成長しました。



質問者:

 銀行家が政府にまで貸し付けを行うだなんて凄いですね……。


 卑しい職業と言われていたのにこれで大逆転ですね……。



筆者:

 ロスチャイルドの一番有名な都市伝説はナポレオン戦争での情報戦で大儲けが知られています。

 ナポレオンがロシア遠征で勝利したということにしてイギリス国債を売って崩落させました。

しかし実際は逆だったので買い占めて、ナポレオンが実際敗北したところで暴騰して株や債券を売って大儲けしたという話です。

 5年間の間で2500倍に財産を増やしたともいわれています。


 ただ実際はそこまで株では差益が出なかったという話が近年では濃厚になっているらしいですね。

 ナポレオンの大陸封鎖令にイギリスが遭わなかったことから高値で生活必需品を売りさばいて儲けたというのが最近の通説だそうです。


 いずれにせよ、様々な方面のコネクションを活用しこの時期に大きく躍進したことは間違いないようです。欧州5家でそれぞれ地位を築き1800年代は黄金時代だったといって良いでしょう。



質問者:

 なるほど……尾ひれがついた感じなんですね。



筆者:

 日本の歴史では幕末・明治維新の際の東インド会社(現ジャーディン・マセソン商会)がロスチャイルド家が大きく出資し、開国に大きく関わったとされています。


 また日露戦争に関してもドイツ・ロスチャイルド家から借り入れを行い、

 その勝利に大きく貢献しています。



質問者:

 日本の歴史にも大きく関わってきたんですね……。



筆者:

 ただ、「戦争ビジネス」として幕末では幕府側と新政府側の両方に武器を供与し、

日露戦争時にもロシア側にもフランスロスチャイルドが貸していたりとかなり抜け目がないです。


 徳川慶喜の英断が無ければ日本はあの時、西欧列強に支配されたかもしれないと個人的には思っています。



◇今のイスラエル・パレスチナ紛争の火種を生む



筆者:

 ここ80年ばかり断続的に続いているイスラエルとパレスチナの紛争にも一枚ロスチャイルド家は噛んでいます。


 イギリス・ロスチャイルド男爵家2代目のナサニエルを中心とするシオニストたちが、

 ユダヤ人国家を今の紛争地帯に作ることをイギリス政府に確約させバルフォア宣言ができました。


 その前のフサイン=マクマホン協定(1915年のアラブ人居住区の保障)やサイクス・ピコ協定(1916年のイギリス、ロシア帝国、フランスのオスマン帝国分割案)、


 と反することからイギリスの「三枚舌外交」とも呼ばれていますが、

 この火種をロスチャイルドは撒いたと言えます。



質問者:

 今の問題にまで関わってきているんですね……。



筆者:

 ユダヤ人はそれだけあの土地に自らの国家を樹立することに執念を燃やしていると言えます。

 恐らくはパレスチナ暫定自治政府を全て追い出すことが目的だと思われます。


 民族2000年にわたって諦めていないのでその悲願を成就するまで諦めることは無いのではないか? とすら思えてしまいます。



◇ロスチャイルド家は表面上は“衰退した”ことになっているが……。



質問者:

 でもロスチャイルド家って有名ではありますけど今でもお金持ちなんですか?

 「世界の大富豪ランキング」とかは大体は有名会社の実業家さんたちじゃないですか。


 どこかに消えちゃったんでしょうか?



筆者:

 フォーブス誌「世界の大富豪ランキング」が一番有名だと思うのですが、「個人所有」の金額なんですね。

 実を言いますととんでもない巨万の富を持っている人間というのは相続税対策のために「財団」やら「寄付」やらを行って影響力工作をしているんです。


 余談ですがこの点、大富豪ランキングにも近年3位前後で推移しながら(過去に13年連続1位、1位回数18回)、財団ランキングでも2位につけているマイクロソフト創業者の1人であるビル・ゲイツというのは本当に力を持っているのだなということがわかります。



質問者:

 ビル・ゲイツさんも有象無象な話がありますよね……。



筆者:

 話は戻りますが、確かに表面上のロスチャイルド家は第一次大戦以降相続税に苦しんで分家の3つが無くなってしまうほど苦しみました。


 しかし、政治的影響力は今をもっても多大です。


 例えば、アメリカのJPモルガンという世界最大の銀行があります。

 JPモルガンはアメリカ連邦準備銀行でも最大の株主なのですが、そこにもロスチャイルドが出資して立ち上がっています。


 イギリスの通貨発行権を持つイングランド銀行にも未だに発言権があるようで、

 2015年6月にイングランド銀行はロスチャイルドと共にイギリス政府に対してロイヤルバンク・オブ・スコットランド株を売却する方針に賛同したりしています。


 またトランプ前大統領も経済的苦境になった時にロスチャイルド家から資金を融資してもらい、「トランプ・オーガナイゼーション」の上場に成功しています。


 このように、使っているお金で抑えている場所があまりにも効果的と言えるのです。



質問者:

 そう言えばトランプ前大統領は比較的イスラエル寄りだったという話も聞きますね……。



筆者:

 娘婿のクシュナー氏は大統領補佐官になっていましたが、彼の影響もあって「アブラハム合意」という和平を成立してイスラエル外交に貢献しています。


 クシュナー氏もユダヤ人であり、ロスチャイルドの支援がトランプ氏の政策に影響した可能性はあると思っています。



質問者:

 最近の政治にも影を落としている可能性があるということですか……。



筆者:

 ただ、一つ注意したいことはあくまでも推測の域を出ないので、


 今もロスチャイルドが金融業界を握っているという都市伝説に関しては“確証が持てない”と言わざるを得ないということです。

 

 規模が大きすぎると推し量ることが出来ないですからね。

 ロスチャイルド資本が関わっている企業と調べると、名だたる企業がズラッと出てくると思うのですが、今もどの程度の影響力を持っているのかは不明です。


例えば蟻が象の全貌を把握できないのと一緒だと思います。


 僕たち一般人は生涯年収がせいぜい数億円ぐらいです。

 何千億円だろうが何十兆円持っていようが当人たちにとっては大きな差かもしれませんが、僕たちからしてみると“凄過ぎる”という意味ではあんまり変わらないんです。



質問者:

 なるほど、確かにそうかもしれませんね……。全貌が見えませんよね……。



筆者:

 ただ、ビルダーバーグ会議や世界経済フォーラムのような民主的手法によって選ばれていない人たちが集まる超国家的な人間が集まって世界の方向性を決めていることは間違いないです。


 そして、そういった場所にロスチャイルド系統の人間というのは多くいることも事実だと思います。



◇真面目にコツコツと頑張ることが大事



質問者:

 なるほど……しかし、ロスチャイルド家から一体何を学ぶことが出来るのでしょうか?



筆者:

 まずは、仕事を真面目にやっていれば「日の当たる瞬間」が来るかもしれないということです。

 当初は忌み嫌われていた金融業ですが、時代的に求められた瞬間に一気に力を伸ばすことにロスチャイルドは成功しました。


 ここまで極端なことには中々ならないと思うのですが、コツコツと積み上げて頑張ることで一気に再評価される状況になる可能性はあると思っています。



質問者:

 一体どういう分野が再評価される可能性があるのですか?



筆者:

 僕は農業分野だと思っています。

 農業は「第一次産業」で生産性が無くお金にならないことで忌避されていますが、

 いずれ戦争の飛び火や気候変動(地球温暖化対策という名の農業虐めも含む)の影響によって食糧危機が訪れて農業に再び脚光が浴びる日が来るのではないかと思っています。


 また、一定の評価はされていますが「やりがい搾取」があまりにも酷い分野があります。

 自衛隊や介護、アニメ業界(アニメ制作委員会の影響がある)は評価や必要性の割に、

 業務を担っている方々の給料は非常に低いです。


 これらの分野に限らず評価されていない人たちが陽の当たる状況になればいいなと思っています。

 ちょっと今の状況ではあまりにも気の毒すぎますからね。


 ということでここまでご覧いただきありがとうございました。

 このように時事問題や政治・経済、マスコミの問題について個人的な解説を行っていますのでどうぞご覧ください。


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