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ローバード・デュウニュウアーリー  作者: おんぷがねと
5/7

0005 ヒラメ

前回までのローバード・デュウニュウアーリーは。


「貴様ー! タバコを置け!」


「ふふふ、面白くなってきたわね」


「誰か一緒に来てもらう」


「降りろ!」


「早くするんだ。あと15秒しかないぞ」


 車掌は箱に手を入れるか入れないか迷っていた。


「時間がない、どけぇ!」


 ローバードは車掌を突き飛ばして、おもむろにテーブルの上に置いてあったシャープペンシルを取り地面に文字を書き始めた。


 それからプラスドライバーを取り出して箱のねじを回し始めた。


 ピピッピピッと音がどこからともなく鳴ると、ローバードは耳栓を外して近くの電話ボックスに入った。


「ライアか、どうした?」

「ローバード、大変です。訪問販売員が来てすぐにやめるように言っているのですが」

「もう少しで終わる、時間を稼げ」

「すみません、バレました」


 すると違う女が声を掛けてきた。


「ローバード、やっと見つけたわよ。今すぐやめなさい」

「極めて重要な任務に就いている、これが終わったら煮るなり焼くなり好きにしろ」

「これは命令よ」


 受話器の向こう側で「彼を拘束して」という言葉が聞こえた。

 ローバードはすかさず発煙筒を振り上げながら言った。


「やめろ! 俺がやって来た2分50秒をムダにする気か!」

「わかってもらえてうれしいわ」


 ガチャリと電話が切れた。


 ローバードは近くにいた通りすがりの男に聞いた。


「時間は?」

「え、え、じかん?」

「そうだ」


 男は腕時計を見ながら言った。


「15時39分ですが」

「秒数は」

「え? 35、36……」

「時間がない」


 そのときヘリが空を飛んできてミサイルを撃って来た。


「伏せろ!」


 ミサイルは遠くのほうにある小型の液晶テレビを破壊した。


 ローバードは銃を持ちながら言った。


「おい、そこのパーティー男、俺を援護しろ!」


 パーティー男はクラッカーを両手で持ち身構えた。


 ローバードはショーウインドウの向こう側をのぞき見た。それから風船を膨らませてキリンを作りその手前に置いた。


 すると、ロケットミサイルが上空から振って来た。


「危ない!」


 ローバードは通行人を突き飛ばしてその場を離れた。


 爆風が巻き起こり辺りを覆う。ローバードは吹き飛ばされて地面に倒れた。


「ぐわっ」


 頭の痛みをこらえながら立ち上がると地面に落ちているノートを拾ってパラパラと読み始めた。


「……なるほど、全部自分で操作するのか」


 それを読み終えると、傘立てに立てかけてあったラジコンを取り、それを操縦し始めた。


 車のラジコンは勢いよく壁にぶつかりショーウィンドウの向こう側へ回ろうとしている。


 そこで、ローバードは携帯を取り出して電話を掛けた。


「はい」


 受話器の向こう側でライアの野太い声が聞こえる。


「ライア、俺だ」

「ローバード今どこです?」

「衛星はまだか!」

「今準備をしているところです」

「早くしろ!」

「やってます、訪問販売員の目を盗んで操作していますから、しばらく時間がかかります」

「あとどのくらいだ」

「あと36時間くらいです」

「短すぎる、もっと長引かせろ」


 そこでローバードは気配を感じて場所を移動した。


 イヌが遊歩道を全力で走っていく。


「ローバード、どうしたんです?」

「ああ、大丈夫だ」

「できるだけ長くしますので、時間を稼いでください」

「……できるだけ長く頼む」


 ローバードは立ち上がり銃を構えながらゲーセンに入って行った。




最後までお読みいただきありがとうございました。

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