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28話 仇の場所へと

よろしくお願いします!

 


 話し合いによって相互で信用を得られた俺達は、手を組むことになった。

 これから俺がやろうとする事を思えば、シュウゲツ達の存在が大きいのは間違いない。



「情報として伝えられるのは、これぐらいかな」


 ここでの情報交換も済んだと、シュウゲツがその場に立ち上がった。

 穏健派の仲間達もそれに倣う。


「それじゃあ。俺達は、もう少しここで準備を整えてから都入りするよ。こちらは、仲間を五人やられたがツルギのお陰で全滅せずにすんだ。本当に感謝しかないよありがとう」


「俺も聞きたい事があったからな。全部ではないが、知りたい事も聞けたし結果として、自分の感とお前らを信じて良かったよ。だから気にしなくていい」


 俺も同じく立ち上がった。


 結局。

 話しの間、『滅』は現れなかった。

 引き返して来て不意をついて俺を消そうとするかも、と少しは期待したんだが。

 そうでないのなら経過した時間から考えれば、今頃は都に近い所まで近付いてるだろう。

 当然俺の生存は奴等にバレる。

 やっぱり捕り逃してしまったのは、後々響いてくるんだろうな。

 奴等は、俺の存在を知った事で妨害もしてくるだろうし。

 でも、例えそうだとしても。

 どんなに邪魔されようが、立ちはだかろうが関係ねぇ。

 奴等は、全部斬るんだ。


「ツルギはこの後、すぐ都に行くのか?」


「ああ。早く風呂入りたいからな」


 話してる最中も、その事が頭にずっとあった。

 ここでやる事がないなら早く行きたいんだが、話の最中に一つ思い出した事があった。


「それでだ。都に入るには、通行証が必要だと聞いた。お前ら余りとかないか? あれば貰いたいんだが」


「そうかツルギは都が初めてだったか。それなら、やられた仲間のが、ある。これで良かったら、使ってくれ」


 シュウゲツが懐に手を入れると、薄い鉄の様な物を取り出した。

 赤色で真ん中には、火が燃え盛る様な模様が刻まれているのを差し出す。


「悪いな」


 それを受けとる。

 これも、國ごとによって色とかも違うんだろうか。


「いや、役立ったなら死んだ仲間も喜ぶだろう。それで、これから連携や連絡をどうするかだが」


「ああ」


 そういえば、そこを決めとかないと連携もクソもないな。


「都には闇市があってそこの最果てにある集落が、俺達の拠点の一つになっている。その場でなら、情報交換が出来るだろうからそこに、五日後に一度集まりたいと思う。その時にカミナ様と相談した方針や、具体的な作戦等を打ち合わせしよう」


 俺は都がどういう場所か知らないから色々と決めてもらうのは、助かるな。


「分かった。五日後だな。俺も調べたい事があるから、その時に分かった事があったら教える」


「ああ。もし、それまでに何かあれば、いつでも来てもらっても構わないからな。大抵何名かはいる筈だから」


「分かったよ」


「ツルギも、奴等に気をつけてな。特に、夜とかは注意した方がいい。闇に紛れてというのが、奴等の常套手段だから。お前の腕なら大丈夫だと、思うけど」


「良く分かってんじゃねぇか。来たら来たで、返り討ちにするだけだ」


 例え寝ている間に襲撃されようが、撃退する自信はある。

 そういう鍛練も、してきたから。


「その自信も本物なんだろうな。本当にとんでもない奴だな。シュウゲツを助けてくれたのは」


「俺もそう思うよ。今日この場で、巡り合ったのは何かの導きかもしれない。ツルギの存在によって、『滅』に勝てるかもしれないんだから」


「俺は、お前らと会わなかったとしても、一人でも奴等を滅ぼすつもりだったがな。ま、そういうわけだから。俺は行くぞ。早く風呂に入りたい」


「ああ。それじゃあ五日後に」


 それに手を振って応えると、その場を離れた。


 シュウゲツ達と別れ、都へと歩き出す。

 まさかこんな山奥で、思いがけない奴等に遭遇するとは。

 まさか、こんな展開になるなんて想像もしていなかった。


 蓋を開けてみれば、俺にとって特することの方が多かったし、穏健派を助ける事で特定まではいけなかったが、首謀者を五人にまで絞れた。

 少なくとも、俺の目的には近付いたと思う。


「前進してるのは、間違いない」


 あと都までは一日。

 急ごう体が痒い。風呂入りたい。汗流したい。さっぱりしたい。牛乳飲みたい


 もう少しで手が届く、俺が望む展開に全速力で駆けた。




 ***



「地図だと、この昇り坂の先に都は描かれている」


 目の前に人参を吊るされた馬如く、全速力で走り抜けた甲斐もあり、予定よりも時間短縮出来たらしい。

 間もなく都という所にある、中々に険しい坂を強く地面を踏み締めて登っていた。


「よしっ。やっと到着――」


 少しウキウキした気持ちで、必死に足を動かしていた俺は。

 徐々に見え始めた都のその全貌を確認し、言葉を失なった。


「…………」


 カゼマルや、シュウゲツから都の話を聞いてある程度は、大きな場所だというのは何となく想像していた。

 だが目の前に聳え立つのは。

 そんな言葉で表せない程に――――巨大だった。


「……いやいや。おかしいだろうが……なんだこのデカさ……。デカイなんてもんじゃねぇだろう」


 思わずツッコミを入れてしまったじゃねぇか。

 どんだけ金使えば、こんなのが出来上がるんだ?

 資材、人員もそうだが時間だって、どれぐらい使ってんのか。


「帝ってそんな偉いのか?」


 見えるのは、とてつもなく巨大な要塞……なのか、外周を超分厚い鉄板……いや、それ以上に頑強そうな硬質で出来た物がズラット並び。

 数十メートルごとに設置された拠点には、これまたかなりの人数が武装して、悪事を働く者がいないか目を光らせている。


 大きさでいえば、右を見ても、左を見ても奥行きが見えなくて、俺がいるこの坂からもどこまでも拡がるとしか言えない程だ。

 都の東西南北には、外から中に入れる入口が、等間隔で何ヵ所かあるのが確認出来る。


「あそこで、通行証を見せて中に入るのか」


 列になって並んでいるのが門番に俺が貰ったのと同じ様な物を提示して、中に入っていくのが見える。

 中に入るには、俺も並ばないといけないか。

 仕方ないここで、目立ちたくないし周りに倣うか。


 歩く前にもう一度、この場所から都を見据えた。


 ここに……俺から全てを奪った奴がいるのか。


「待ってろよ。必ずてめぇを見つけ出し。ぶっ殺してやる!」


 中心に聳え立つ帝城を睨みつけた。

 そこに要るであろう仇に対して。

 ゆっくりと、足を動かした。

これにて第一章は完結になります。

読んで下さる皆様のお陰で、何とか一段落まで書けました。

本当にありがとうございます。

この作品は、読んで下さる方が少しでも面白いと思ってもらえる様に、下手くそながら頑張って書いています。


これからも頑張って参りますので、もし、良かったら評価とか頂ければ嬉しいです!!

 

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