表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

20/59

20話 助力

ポイントありがとうございます!

 


 一閃。

 後出しで振るった俺の一刀は。

 音を置き去りにし、火炎の剣士の体に吸い込まれた。


「――ぎっあああ……!!」


 剣士は頭から股にかけて体を二つに分けていくと、鮮血を盛大に吹き出すと倒れた。


「……どうなって……るんだ?」


 男はたった今己を斬ろうと刀を構えていた敵が。

 目の前で斬られる光景を目の当たりにして、驚きの声をあげた。


 俺は再び足に力を込めると、男の前へと飛び降りる。


「……お前は……」


 目の前に着地した俺に、今度は警戒の表情を浮かべる男。

 尻餅をついたまま、後ろに下がろうとする。


「助けてやる」


「……え?」


 俺が声をかけると動きを止め、訝しげな顔で見上げてきた。

 ま、当然だろうな。

 誰かも知らない男がいきなり目の前に現れ、助けるというんだ。

 普通、驚きもすれば警戒もする。


「……お前は……敵……ではないのか?」


「違――」


「コウダイ!」


 言いかける俺の言葉を、別の男の声で遮られた。


「……ちっ」


 邪魔されたことに思わず舌打ちが出る。


「これは! ……やったのは、お前か! 何者だ!」


 声の発生元と、何人かの足音が鳴る方を見ると、剣君の一人と他の剣達何人かが走ってきていた。

 ここまでやって来ると、剣君の男がいち早く状況を理解して刀を抜く。

 続けて周囲に警戒と、配下達に集まる様に命令を出した。

 この辺の状況判断も、流石は上位剣士だ。

 その声に反応した剣士達が更に村の奥から、集まってくるのが見える。


 ぞろぞろとその数を増やしていく男達を見ながら、俺は後ろにいる男に話しかけた。


「お前を助けてやる。その代わりこいつらを斬ったら、俺の質問に答えろ」


 男はまだ俺を疑う様に見てくると、再度同じ質問を投げ掛けてきた。


「…………お前は、本当に俺達の敵ではないのか? 強硬派や、『滅』の組織の者では……」


「違う。俺は、お前らの敵じゃない。そして、おそらくお前らは俺の力になれる奴等だ。だから助けてやると言っているんだ。こいつらは俺が斬るから、お前は仲間を助けてやれ」


「……しかし。この数だぞ? 剣君までいる始末。お前一人では――」


「いいから! 俺の言うことを聞け! こんな奴等に負けるわけねぇーだろ」


 行けと言っても中々動き出そうとしない男に、イライラして語気が強くなる。

 何度も言わせんなよ。

 俺は人と話すのが、好きじゃないんだ。


「…………」


 男は数秒間、真意を見極める様に俺の目を見る。

 それから考える素振りを見せてから答えた。


「……良く分からんが。お前は敵ではなさそうだ。かたじけないここは、頼む」


「ああ」


 男は立ち上がると、村の奥へと駆け出した。

 それを剣達の一人が道を塞ぐように前に立ちはだかると、刀を赤に染め男を斬ろうとする。


「何勝手に話を決めてるんだ? 貴様は、ここで斬――」


「邪魔すんじゃねぇーよ」


 ヒュン――


「――あがあっ……」


 その男を両断する。

 せっかくの手掛かりなんだ。

 雑魚がしゃしゃり出てくんな。


「貴様ぁ!!」


「よくもコウダイと、カイエンを!」


「貴様も奴等の仲間だな。ならば、ここで斬る!」


 立て続けに仲間を斬られて腹を立てたのか、全員額に青筋を浮かべている。

 刀を構えると、次々に赤、青色に染めていく。


「よし。アイツは無事に奥まで行けたな」


 こいつらに意識を残しながら、男の姿を目線で追うと、村の奥に到達していた。


「貴様ぁ! 余所見をするな! 我等を見んかぁ!」


「そうだ! 戦いの最中に無礼ではないか!」


「うるせぇな。来るならさっさと来ればいいじゃねぇか。せっかく隙だらけだったんだから」


 目線を戻し、改めて周囲を見渡すと、俺を囲むその数は九人になっていた。

 こいつらは、実力で俺を打ち負かしたいのか。

 俺が構えるのを律儀に待っていた様だ。


「九人か。足りるのか? そんな数で」


 挑発する様に一人一人の顔をぐるっと見る。


「ん?……なんだ? このガキ何かおかしいと思ったが。眼が変だぞ」


 この眼を見た剣達の一人が言う。

 こいつは死剣眼を知らないのか。


「赤い瞳に斜め十字の紋様。気持ち悪いガキだ」


 その他の剣達も、やっぱり知らない様子で節々に俺の眼が気持ち悪いと悪口を言っていく。


 そんな中。

 一人だけ俺の期待通りの反応をする者がいた。


「……まさか……」


 剣君が何かに気づいた様な顔をする。


「……やはり死剣眼……。小僧……貴様……何者だ? 何故貴様が」


 反応したのは、剣君の男だった。

 その顔には、信じられないと書いている気がする。


 やっぱり。

 剣君は知ってたか。

 この死剣眼を。

 今の様子だと、この力の事を知らされているのは剣君以上か。


「このガキがおかしいのは分かりましたが。こいつは我等が」


「スイダイ様。このガキは、コウダイとカイエンを斬りました。我々に敵を取らせて頂きたい」


「そうです。このガキは許してはいけません!」


「ガキが。何処のか知らんが、我等の仲間を手にかけたのだ。命で償え」


 味方を斬られて怒るなんて。

 仲間意識は強いんだなこいつら。

 敵には容赦ないくせに。


 配下達が次々に、敵を取らせてくれと言うなかで、ここでもやはり剣君は冷静だった。


「……よかろう。やってみろ」


 配下達の気持ちを汲む為か、はたまた俺の力量を図る為か。

 一言だけ言うと、ゆっくりと集団の奥へと下がり腕を組む。

 そこから戦いを見ることにしたようだ。


「なんだ。全員でこねぇーのかよ」


 俺相手にそれは悪手だけどな。

 まぁいいや。

 聞くにしても、こいつらは知らないみたいだし。

 まずは、こいつら雑魚を先に斬るか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ