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本日二話目だぜ!!!!
夜の更新は不明です。するなら21時過ぎになるかと・・・
「では次にシルム君、前に」
「は、はいっ!」
僕は緊張した面持ちで前へと出て、膝を突きを両手を組み祈りを捧げた。
どうか僕に戦闘系の職業を!
光り輝くのと同時、僕は体中が熱くなるのを感じた。
これが職業を授けられる瞬間なのだろうと、そう思った。
しばらくすると熱が収まり神父が声をかけた。
「目を開け前に」
どうやら終わったようだ。
「はい」
ゆっくりと前に進み、鑑定の水晶の前までやってきた。
これで俺の運命は決まるのだ。
「では水晶に手を」
神父の言う通りに水晶へと手をかざすと、淡く光輝いた。
「こ、これはっ!?」
神父がいままで以上に驚いている。そんなに凄い職業だったのだろうか?
「あ、あの神父様、僕の職業は……?」
恐る恐る尋ねる。
「……『傘使い』。何だこれは? 聞いたこともない職業だ……」
「傘使い……?」
名前:シルム・カサーク
職業:傘使い
レベル:1
スキル:なし
職業の内容が僕の頭の中に流れ込んでくる。
――傘を召喚し自在に扱う事が出来る、と。
「あの、傘が召喚できるみたいなのでここで使ってみても?」
「構わない。私もどの様なモノか確認したいからね」
「はい」
神父に許可をもらった俺は、心の中で「傘召喚」と唱える。
すると目の前に一本の棒状の何かが現れた。
それを掴むと頭の中に、その傘の情報が流れ込んでくる。
「それは、一体?」
神父が僕に質問してくる。
「は、はい。これが傘みたいです。それに、ここを押すと開くとか」
「開く?」
取っ手についている物を押すと、バッと言う音を立てて開いた。
素材は良くわからない。だが頑丈そうだ。
神父が驚きながらも触ってたしかめている。
そして頷いた。
「成る程」
「分かったのですか!?」
「それは」
「それは……?」
「雨を防ぐ傘を出すだけの職業ですね」
「そう、ですか……」
僕はそんな職業にガックリしながらリーナも元へと戻った。
周りからはクスクスという笑い声が聞こえてくる。
そんな僕にリーナは声をかける。
「だ、大丈夫よ! それなら私も一緒に傘使いの職業を貰えればいいだけよ」
リーナは僕を慰めているのだろう。その気持ちだけでも嬉しい。
「では次にリーナ君」
「はい」
名前を呼ばれたリーナは神父の下へと向かった。
そのまま同じように祈り光り輝いた。
だがその光は誰よりも強く輝いた。
「な、なんだ!?」
神父がその光に驚く。
「その光は……!」
何か知っているように思える。
光が収まり神父は声をかける。
「では水晶に」
「はい」
リーナが水晶に手をかざす。
「なっ!? ゆ、『勇者』!?」
「……勇者?」
名前:リーナ・ツァルート
職業:勇者
レベル:1
スキル:なし
リーナは首をコテンと傾げた。
僕は知っている。
神父が勇者のスキルを説明した。
「それは魔王を倒す人に与えられるスキルです」
「魔王を倒す?」
「現在魔王がいるのは知っていますよね?」
「は、はい」
「魔王とは――」
――『魔王』。
それは人類を脅かす天敵の一つ。かつての勇者が倒しそれ以来その職業を授けられる者が現れなかった。だが今、リーナにその職業が現れた。
「つまり――魔王も現れたということです」
リーナが僕の方を向く。
「シルム! なんか凄いみたいだよ!」
「う、うん。そうだね……」
「私がシルムを守りながら冒険者をするよ!」
どうやらまだわかっていないみたいだ。
その証拠に、神父がリーナに告げた。
「冒険者など出来ません。今から一週間後、リーナ君には王都へと向かってもらいます」
「やだよ! 私はシルムと一緒が良い!」
「それは出来ないのです!」
神父が今まで以上に大きな声を上げリーナを叱責した。
「あなたは人類の希望となるのです。これからご両親へと説明に向かいます。それとみなさん。自分のステータスは「ステータス」と唱えると見る事が出来ます。但し他人には見えることはありません。ではこれで天啓の儀を終わりにいたします」
そう言ってリーナは神父に引き連れられ教会を出て行った。
出て行く際、リーナはずっと僕の名前を叫んでいたのだった。
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