もしも理里が異世界転生したら…?
トラックに撥ねられた理里は、ボブカットの女神から石化の邪眼をもらって異世界転生することになった!
「怪物がいっぱいだ…しかも普通に人前に出てる。元の世界じゃ有り得ねーな。これがスライムか」
スライム「うじゅうじゅ」
「意外とかわいいな。でも触ると溶かされるのか」
ゴブリンに襲われている商団に出くわした理里。邪眼でゴブリンを一掃する。
ゴブリン「ピキッ」
「いつもだとここで眠く…ならない。どうやらガチでチートの邪眼をもらえたみたいだ」
しかし商団の人々も石化した。
「俺はなんて事を…!」
その後も邪眼の力で、理里は人に迷惑をかけるモンスターや悪人を狩っていく。
しかし邪眼の力は無差別で、味方や無関係の人間も石化させてしまう。いつしか彼は孤独になり忌み嫌われていく。
女神「なんでこうなったの!? りーくんを幸せにしてあげたかったのに!」
ついに理里討伐団が結成される。お堅いメガネの勇者がリーダーだ。
勇者テーシオ「今日こそ引導を渡させていただきます」
理「失せろ」
魔道士タイーガ「危ねえ!」(虫壁を展開)
テ「貴様の邪眼への対策は取っている!要は光を防げばよいのだ!畳みかけますよ!」
神速の女戦士ランラン「承知!」
女戦士ランランに股間を蹴りあげられた理里は遠く西の湖まで吹っ飛ばされる。そこは氷の妖精姫が支配する禁足地だった。
妖精姫キーラ「きゃっ!ひとが、そらからおしろにつっこんで…!?」
理「いてて…危なかったな、お嬢さん。怪我はないか?」
キ「い、いいえ…ぽっ///」
妖精姫に気に入られた理里は、股間の痛みが回復するまで湖の城に厄介になることに。全てがフェアリーサイズの生活に苦しむ理里だったが、ある日魔王軍が城に攻め寄せる。
いつものように邪眼で敵軍を石に変えた理里は、妖精姫の好感度を上げたうえである事実を知る。
キーラ「じつは…魔王は、キーラのふたごのおねえちゃんなの」
理「なんだって?」
キーラの双子の姉・ヒュラリスは、妖精国の第1王女だったが、親に反発して半年前に家出。魔王軍を結成して世界征服をもくろんでいた。
キ「おねがい…おねえちゃんをとめて。あんなイタイ姿をこれ以上見たくないの」
「理由それ!?」
腑に落ちないながらも、魔王を倒すための理里の旅が始まった。
お決まりの邪眼で敵をなぎ払い、一瞬で魔王城に到達する理里。
途中で相手も学習したのか鏡の鎧を使ってきたが、レベリングで筋力を上げた理里の前には無力だった。
敵「純魔かと思ったら魔法戦士やん」
ついに魔王の玉座にたどり着いた理里。
魔王ヒュラリス「貴様か。我が軍の兵士をことごとく石にしたトカゲ男というのは。…その左眼うらやましっ(小声)」
理里「お前が魔王なのは納得」
妹と違って巨大な魔王は理里に問う。
「貴様の力、気に入った。我の軍門に下らぬか? 世界を征服した暁には、その半分を貴様にくれてやる。…よしっ、言いたかったセリフ消化できた(小声)」
理「…あのさ、世界征服なんてホントにできんの?」
魔王「…は?」
予想外の質問に固まる魔王。
魔王「何を馬鹿な。我が勢力は着実に版図を広げている。すでに大陸の1/4は手中に収めたのだ」
理「まだ1/4だろ?しかも大陸の」
魔王「何…?」
理「世界がこの大陸しかないとでも思ってんのか? だったらとんだ世間知らずだな。世界にはここより大きい大陸があと6つもあるんだ」
魔王「何…だと…!」
度肝を抜かれる魔王。どうやら「原作」と同じく勉強は苦手なようだ。
理「お前が手に入れたのはその1/4。まだ駆け出しだ。
しかも最近は人間側の抵抗に苦戦している。お前の陣営は馬鹿ばかりだからな、頭脳戦には向いてないんだ」
魔王「ぐっ…」
理「ここ最近は、テーシオだっけ?あいつが指揮する反乱軍に押されている。こないだもユズハの要衝を落とされただろ」
魔王「あ、あれはあいつらが姑息な水責めを…
」
理「戦いに姑息も何もあるもんか。というかお前魔王だろ、そんな事気にすんのか」
魔王「ほ、誇りにかけてそんな事はできん!」
妖精王女としての育ちの良さが出てしまっていた。
理「あーあ、そんなんじゃ世界征服なんて夢のまた夢だな。お前、魔王向いてないよ。馬鹿だし」
魔王「ばっ…!」
「ばかっていうなあ〜〜〜!!!!!」
魔王は泣き出した。攻撃と防御が最低値まで下がった。
魔王「我ばかじゃないもん!ばかって言うやつがばかなんだもん!」
理「おいおい、泣くか普通…本物の馬鹿だな」
体を大きく見せていた幻術も解け、元の小指くらいのサイズに戻っていた。
「ちがうもん!」
妖術師ケルベ「魔王様、どうなさったんで…って泣いてる!? 貴様、魔王様に何をしたのじゃ!」
背のヒョロ高い男の妖術師が駆けつけてきた。
理「何って…馬鹿に馬鹿って言っただけだが」
妖術師「おお、おいたわしや!魔王様はその言葉が一番傷付くのじゃ!アホは良くてもバカは駄目なんじゃ」
理「魔王関西人なの!?」
妖術師「西の湖の生まれである事は知っておろうが!」
異世界にも関西と関東があるらしい。方言は全く出さなかったが。
魔王「え〜ん、あいつ馬鹿って言ったあ…」
妖術師「はいはい、魔王様。お部屋に戻ってヴィジュアル系の音楽聴きましょうね」
理「やっぱそっち系か」
何となく察していたが魔王は厨二病だ。
妖術師「あーあ、こりゃしばらく世界征服はお休みじゃて。おい貴様、次はこう簡単にはいかんぞ。魔王様は不死身で魔法・呪い・異能を一切受け付けないのだからな」
理「ドチートじゃねえか」
妖術師「でもメンタルは弱い」
理「それはよく分かった」
妖術師「人間とは当分休戦じゃな…おい貴様、何か欲しいものがあるなら持って行くがいい」
理「は?何で」
妖術師「魔王様は心が折れると3年は部屋から出て来ない。その間に求心力は落ちて兵もゴリゴリ減っていくじゃろう。そこに妹君が説教に来ようものならお終いよ」
理「アンタ、全部知って…」
妖術師「さて、なんの話かね。
…それに、ラスボスを倒したんだから、何か褒美があるべきだろ?」
彼は杖をついて肩をすくめる。
「さ、何でも好きなものを言うがいい」
理「と言われてもな…」
妖術師「何も無いのか? だったら、地下室に捕らえている人間の姫を連れて行くがいい。人質に取っていたが、わしらの戦いはもう終わる。元の国に返してやれば相当な褒賞を貰えるじゃろう。あわよくば逆玉も狙えるかもしれんぞ…あー、わしも逆玉してニートになりたかった」
理「シンプルにクズ」
妖術師は理里に地下牢の鍵を渡して去る。
理「なんか嫌な予感が…」
〜地下牢にて〜
人間の姫スフィア、もとい女神「きゃーっ!あなたが私を助けてくれた王子様!? やだすっごいかわいい…年下のティーンエイジャーやばい…お持ち帰りしたい…
ねえ、おねえさんと結婚しない?」
理「そんな事だと思ったーッ!!!!」
なんやかんやあって2人は幸せに暮らしましたとさ
完
希瑠「…ってラノベ思いついたんだけど売れねーかな」
理・吹・綺「絶対やめて!!プライバシーの侵害!!」
珠「お兄ちゃんにしてはいい話じゃん」
恵奈「私は出てこないのね…」
希瑠「母さんは裏ボス。理里と姫がいい感じになったところで世界を滅ぼしに来るうどんの魔神」
恵奈「鉄・拳・制・裁!!!」