ありがとうポチ
感動する物語です。ぜひ、読んでくさい。
出会い
1998年春、山登りをしていた時に、一匹の子犬が居た。その子は、まだ生まれて、生後8ヶ月の子犬だった。犬種は、柴犬で捨て犬だった。私は、その子犬を、家に連れて行き名前を付けることにした。
「うーん。そうだねー・・・。男の子だから、ポチにしよう。」
そして、子犬の名前は、ポチに決まった。さっそくポチと一緒に、散歩に出かけた。ポチは、散歩に行くのが怖いらしく、全然進もうとしない。
「おや??どうしたんだい??行きたくないのかい??」
と、私は言った。
すると、後ろから、
「あれれ?神崎伶実さんじゃないかい?」
そう言われ、振り返ると、そこには、克次壬さんがいた。
「壬さん!久ぶりです。」
「久ぶり。伶実さん。あれ?犬飼ったのですか?」
「いえ。この間山登りしていたら、この子がいたんです。捨て犬でしたから、かわいそうでしたので、飼うことに決めたんです。」
「そうですか。この子伶実さんに飼われて嬉しそうですね。いきいきしてますよ。」
など、話が続いた。
偉いねポチ
お座りを覚えたころ、他の芸も覚えさせるために、いろいろ考えていた。すると、旦那が、
「伶実。ポチに、おてや、おかわりとか教えたら良いんじゃないか?」「それもそうね・・・。」
私は、ポチを呼んで、
「ポチ。おいで。」
すると、ポチは、急いで私のところに来た。
「良いかいポチ。おまえにはおてを、覚えてもらうよ。」
と、私は、言った。
ポチは、早くその芸を、教えて欲しそうに、しっぽを、振った。
「ポチ、おては、左手を出すんだよ。」
と良いポチの左手を、私の手の平にのせた。
「ポチ、おて!」
すると何と、ポチは、おてを、した。
偉いねポチ。
ありがとうポチ
2002年秋、ポチは、癌で亡くなった。初めて出会ってから、たった、3年だった。行き成りの事に、私は、信じられなかった。私は、
「ポチ・・・。何で私より先に行っちゃうのよ。ねーどうしてよ・・・。」
て、良いながら泣いた。今までの思い出が、次々とよみがってくる・・・。芸を、覚えて、ほめてあげた時のあの、嬉しそうな顔。今でも、夢に出てそうな、思い出ばかり。
ありがとうポチ。本当にありがとうね。
2006年8月3日
こ