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スライム戦記(仮)  作者: 宇佐見レー
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第一話

 秩序の外側は敵対する者で溢れ返っている。

 唯一神の絶対的な力の外側――――所謂街道や廃村、遺跡。

 奴らは秩序の下で生きる者達へ理不尽な憎悪を持ち、なんの意味も持たない死を循環の外で引き起こす……外なる生物だ。

 異端とも言える外なる神々の加護を受け、ひたすらに輪廻を壊そうとする。

 それは罪もない人々を脅かすには事足りる武力と数を持ち合わせ、時には強固な壁と武力を持つ城塞すらも陥落させうる。

 だが知性を持ち合わせた者達は知識と知能とを使い、それらが群を為す前に排除し、奴らを超える戦力を持てばいい――と、遥か昔の勇者と呼ばれた人間がそう言って先駆となり、冒険者という仕事が王国に認められた。

 今ではギルドという制度が作られ、王国の兵士では手の届かない仕事を行うのが主となっている。

 けれど、所詮冒険者というのは凍った果汁と同じだ。

 綺麗事だらけで、溶けだした上澄みだけが更に誇張されている。

 ある話では、悪魔である蛸の顔をした巨人を倒し見つけた富をそのまま得た。

 ある話では、王国の姫を攫った竜を一太刀で切り伏せ、褒美に姫へ婿に入り王になった。

 ある話では、外なる神々を唯一神と共に退け、神となった。

……どれも遥か昔から紡がれている人間達の夢想かもしれない眉唾物ばかり。

 最後の昔話に至っては唯一神が唯一神では無くなっているのだから、信憑性など無いに等しい。

 だが昔話だからこそ人々は夢想するのだろう。

 例え現実が既に甘味の無い氷だけだったとしても、その紡がれる昔話が、御伽噺が自分になるかもしれない、と――――


――――初夏を過ぎ、梅雨の湿気が留まり盛夏が迸る夏季の合間。

 使われなくなった街道は、わざわざ整備される事はない。

 そうなれば秩序に属する者が開拓する以前の姿へと立ち返る。

 多くの行商人が行き交い旅人が新天地を目指し歩を進ませた、かつて整えられていた地面からは、今や小さな命が芽生え、辺りを小動物が姿を隠す程の林が道を覆い隠し、人間の背丈ほどの若い木が悠然と日光浴を楽しむ。

 命が生まれ、獣道へと還り始めたその街道の先、町からは大分外れたとある廃村……ここは昔、動物を狩猟、肉と皮と野草によって成り立っていた猟師村だ。

 冬季に降り注いだ雪が春季に解けると地中でろ過される。

 その過程で植物は澄んだ水を吸収し、辺りに新しい命を目一杯に咲かせ始める。

 雪解け水はやがて地面から染み出し、川となる。

 すると様々な動物達が咲いた野草とろ過された水を求めここを訪れ、最後にそれらを食す者達が姿を見せ、輪の中で自然と豊かになっていく。

 そんな自然の循環の中で、この村は悲しい事に外なる生物達の餌食となり、やがて地図から存在を消した。

 今は人もいなければ、動物の気配すらせず、訪れる者を亡者達がかつてを想う湿気の籠った生暖かい風が出迎えるのみ。

 何もないこの場所を普通は訪れず、しかも国の兵士ですら訪れようとはしないだろう。ましてやかつての村跡など。

――ただ、それは『普通』の場合だ。

 冒険者という、かつての栄光、その上澄みを啜ろうとする欲望が我先の連中以外、所謂……いかれた奴ら以外にいない。

 遺跡や町村跡の金銀財宝、もしくはそこを巣食う外なる生物を『依頼』によって退治する為……けれど依頼もまた金が発生する、それは冒険者は決して憐憫でも恩情でも動かない事を示し、理由などは単純明快、彼らにとっての収入の大部分だからだ。

 時に、その枠に入らない者達もいるが。

 そして今回、誰も立ち寄らぬ廃村に変わり者が立っていた。

 勿論、冒険者だ。

 ものの数ヶ月で目撃情報が多くなったスライム、それがギルドと掲示板を通し、冒険者の少女の目に留まった。

 武器は左の腰に佩いた直刀両刃で最も新人冒険者などが使う一般的な剣。

 振るうのに然して力もいらず、技術が無くとも相手を殺傷しうる力を持つ。

 けれど少女のそれは、新人が扱うには少し使い古されていた。

「おらぁぁぁぁぁぁ!!」

 それを右手に、崩れ去った廃墟群の合間を自身を鼓舞し、駆けていく。

 自然の香りを身に纏い、ただの人間とは思えぬ速さで廃村を巣食ったスライムを両断する。

 どれも弱点である体内の目玉を狙った斬撃で、真っ二つにされてしまったスライムはやがて奇妙な泡ぶく音を鳴らすとその水かヘドロか分からない体を蒸発させ――絶えぬ憎悪だけ残し、この世から消え去った。

「はぁ」

……少女は最後の一匹を倒すと端正な顔立ちの眉を顰め、頭に生えた白い狼耳をしなだれさせ、溜息を吐いた。

 防具などは身に付けていないが、スライム如きに付ける必要はない、薄着の服に付着した埃を払い、次に剣を検め、引っ付いたスライムの残骸を確認すると、剣術の類は学んでいないのか、無造作に血振りのつもりの空振りをして鞘へと両刃の剣を差し込んだ。

――獣人である彼女もまた、勇者に憧れ、冒険者となった一人だ。

 だからこそ不満げな表情を浮かべ、いつもなら元気にぴょこぴょこさせている狼耳をしなだれさせているのだ。

「もっとなぁ……こう、なぁ」

 スライムという外なる生物最弱の化物。

 倒しがいのある化物ではなく、簡単に倒せてしまい故に報酬は少ない。

 しかしスライムを放置すれば強大な力を持つ事もあり、他の強力な化物を引き寄せる可能性だってある。

 決して馬鹿には出来ない――だから彼女は腕を組み思案し、右手の人差し指を顎へ当てると低く呻る。まるで狼のように。

 だがそんな事をここで考えていても答えは出ない、数秒の後に大きく溜息を吐くと蒸発したスライム共の後に残る切られた眼球達を証拠として、細くしなやかだが女性とは思えぬごつごつとした手でひょいと拾い上げる。

「……」

 腐ることも無く、外なる生物に奪われた人間の眼球。

 持ち主は死んでいようとも、知ったら皆等しく激怒をするだろう。

 少女は今となっては特別何を思うことも無いが、過る思考を、顔を振る事で振り払い、小さな麻袋へ入れ、潰れぬ様に肩に引っ提げていたほぼ空の雑嚢に収納する。

 さて、これで終わり――心の中でそうぼやき、冒険とは言えぬものの依頼は熟し、近くの街道が多少は安全になった。その事実に少しの満足感を抱く。

 もちろんそれにはちゃんと理由がある。

 先程の、決して馬鹿には出来ない理由の一つで、スライムが二十匹以上三十匹以下程度の群を成すと『王』となり、依頼の難易度がまるで違ってしまう。

 だからこそ、最弱とあっても一定周期の討伐が必要になる――少女は昔読んだ憧れの先駆者達による文献を思い出し、仕方なくそれで納得する。

「帰るかぁ」

 剣が腰に吊るされているか、柄に触れ、確かめる。

 頭の中で忘れ物は無いか、防具はスライムという事もあり装備しておらず、全てが手元にある事を確認し――――た時だった。

 不意に、潰れ、腐った材木が折り重なった廃屋跡で何かが蠢く音が彼女の、獣人故の鋭敏な耳に届いた。

 一瞬にしての緊張、一気に張り詰めた糸。

 筋肉が僅かに硬直し、音が鳴ったその場所を、凝視する。

 佩いた剣を無意識に抜き、その音の正体を探る……が、姿は見えない。

 どうやら少女の背後にあった廃屋の、更に先だ。

「――――……まさか、ね」

 暑さだけではない冷たい汗が体を巡る。

 彼女の冒険者としての知識が、頭の中に警鐘をうるさいほどに鳴り響かせたからだ。

……町村跡、遺跡、特に遺跡に多いという蘇った死者、歩く死者、もしくは死の鎧、歩く鎧。

 前者ならば近くに死霊魔術師がいる可能性が高く、いわば……町を一つ程度なら潰されかねない。彼女一人では到底無理な化物だ。

 後者の場合、前者よりか危険度は無くとも、死の鎧、歩く鎧は持ち主の想いに悪意が込められた代物、大体が達人クラスの剣術を持ち、素人同然の彼女一人では決して戦えない。

 どちらも上位の、こんな辺境では見られない化物――けれど実際別の辺境の地にて現れた事もあるという。

 だがその化物は彼女にとっては本望である……力が足りずとも彼女は挑む覚悟を持っている。

 しかし、どれも今現在においてはまだ確認はできていない、推測の域。

 あくまで緊急事態になった場合の話だ。

 少女は慣れた足取りに無音でゆっくりと歩を進め、その正体を確かめた……額に浮かぶ汗を拭うのも忘れるほど、夢中だ。

――――静寂に帰る廃村で、高鳴る心臓は踏み鳴らす草木よりも響くと錯覚を起こす。

 ひりひりと肌を突き刺す恐怖心に勝り続ける彼女の『過去』は、音の正体を確かに確認させた。

「……なーんだぁ、ただの生き残りか」

 瓦礫の下、腐り落ちた木壁から奇妙な動きで這い出て来たそれは、つい先程まで彼女が退治していた化物だった。

 彼女の存在には気づいていない様子。きょろきょろと一つしかない眼球で注意深く辺りを見渡している。

 大した脅威では無いことにほっとすると同時に、落胆する自分と依頼不達成の言葉が頭に浮かぶ。

 まあ、一匹程度なら大丈夫だろうけれど、見つけてしまった以上は始末する。

 彼女は、瓦礫の影に隠していた体をスライムを強襲すべく――勢いよく飛び出させた。

「これで終わりっ!」

 獣人少女は叫ぶ『知能』を持たぬ存在へわざわざ気配と足音を消す気にすらならなかった様で、大きく土を蹴った――冒険においては致命的な、何も考えないまま。

 最後の一匹が何故隠れていたのか。

 何故辺りを見回して出てきたのか。

 その事実にはなんの疑問も浮かべず、彼女は斬りかかった。

 そのスライムが他と同じ『知能』だと思い込み――――

「はず、れ――?」

――――振るわれた一撃。

 理解すら追いつかない……獣人少女の渾身とも言える一撃は、確かにスライムの体を真っ二つにしていた。

 あくまで、体を。

 弱点となる眼球の、傍を通過していった。

 確かに技術は一切持ち合わせていないが、それでも振われた剣の速度は達人ですら呻るだろう――そして少女の振るった剣の軌跡は、確実に眼球を捉えていた。

 それを、知性を、知能を、持ち合わせていない最弱の生物に――避けられた。

 少女はその事実に、気づいていない。

「クソッ……」

 今しがた真っ二つになった体が即座にくっつくと、そこには元通りのスライムが佇む。

 眼球は此方を捉えている――――彼女は悪態を吐き、心底後悔する。スライムの体液は猛毒。

 過剰な自信で、というよりもスライム如きに防具を装着するなど駆けだし中の駆けだしがやる行為。便利アイテムである毒消しもそうだ。

 彼女はただ単純に運が無かった――――触れれば毒消しか聖職者による浄化をしない限りは死を迎える一撃。

 少女は力の限り目を瞑った。

 祈り、いや「たすけて」と懇願の為に。


「……いきなり斬りかかってくるとは」


――低く、奇妙でしわがれた声だった。

 この廃村に妙に似合う声。

「ふぇ?」

 一秒経とうが二秒経とうが攻撃はされず、誰もいない筈だというのに不可思議な声が響き、少女自身でも驚くほど素っ頓狂な声が喉から飛び出た。

 瞑った目を恐る恐る開き、声の主を確かめる。

「……んん?」

 見回すも誰も見えず、虚空に悩ましげな自身の声が消える。

 ふと頭の中に妖精や神の啓示が浮かぶが、それらは敬虔な信徒にしか訪れない。

 彼女は自負する程度には信仰心は無い、じゃなければわざわざ自分の生まれ里から飛び出る選択肢は選ばないだろう。

 それどころか――――唯一神や妖精が「斬りかかってくるとは」などと言う筈も無い。

 何故なら、私が斬ったのはスライムで――――とゆっくり向けられた視線の先。

 そいつが声を出した張本体であり、少女にとって幸か不幸か、そこにいたのは見慣れ、何十匹と殺してきたスライムだった。


「あれだけいた同胞を……?」

 低く、響く奇妙でしわがれた声が、仲間を殺されたのにも関わらず関心したように言った。

「あ、あなたは何!?」

 獣人少女は信じられない現実に、目尻を涙で溜め、体をかたかたと震わせ建物の影に隠れたまま、スライムの言葉を聞く余裕も無い。

 一方的に声の主へ言葉を投げかける。

「何……?人間の言葉を使えば、スライムだ」

 這いずる音を鳴らし、先程獣人少女が屠ったスライム達の残骸を見ながら、理解しているのかしていないのか、わからない返答。

「ちがうわよッ!なんで喋って……考えて動いてんのよ!!」

「それは……」

 そこでピタ、と言葉と這いずる音が鳴りやむ。

 訪れる突然の静寂に、獣人少女はこの悪夢の様な状況から這い出たか、覚める事が出来たのかと思い、背中を預けているほぼ腐った木壁から顔を出す。

 もしかしたら今のは自分の幻聴で、知性知能を持ったスライムなどいなかった――そんな甘い考えが静寂から生まれ落ちた、からだ。

「それは、面白い考え方だ」

 しかし、生まれ落ちたものは鍋の蓋を盾として装備し、いとも簡単に壊されてしまうくらいに、脆く崩れ去る。

「っひゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 頭上からのしわがれた声、獣人ならではの素早い動きでたぷたぷ姿を確認すると木壁と対称になるように下がり、剣を振り抜き様にたぷたぷ姿を縦に真っ二つ。

 これもやはり眼球を狙った一撃だったが、その真横を過ぎ去る。

「私は危害を加えるつもりは無い」

 口も舌も無いというのに、奇妙でしわがれた声が抑揚の無いままそう答えた。

……一見、無害のように見えるが目前の喋るスライムは外なる生物だ。

 見えるだけで、いつ私の命を取るかもわからない――再び一歩二歩下がり、声色低くし少女は威圧的に言葉を放つ。

「信用に値しないわ!あなたは外なる生物でしょう!」

 彼女は抜き放った剣をそれっぽく中段に構える……臨戦態勢だ。

 目の前の化物が少しでも動けば、あの目玉を斬れる。

 初撃と二撃目はただたまたま当たらなかっただけ……そう言い訳を心に残し、集中する。

 奴がどう動くか、相手は今までとは全く違う相手。

 ただ這いずって此方に迫ってくるとも限らず、さっきのように音も無しに近づいてくるかもしれない――奴の動きを考え、どう動くか深く考える。

 それは、少女の思考が漸く、この得体の知れぬ存在へ追いつき始めた証拠だった。

「人間と話……を?」

 一歩、人間にしてみれば一歩彼が進んだ瞬間、体が水平に分かれていた。

 眼球は僅かに上部へ避けるが、一秒にも満たない一瞬で四度目、五度目の斬撃がスライムの体を四つに絶つ。

――上段からの一撃と切り替えられた横からの一撃だ。

 少女の素早い二連撃は、スライムを驚かすには充分であったが……

「当たらないっ!?」

 倒すには足らなかった。

 そして、少女の上段からの一撃は速度、力と共に彼女自身ですら制御できず、地面に大きな砂埃を上げ、深々と突き刺さる。

「当たらない、は誤りだ。避けてるのだから……しかしその速度、素直に驚きだ」

 立ち上がった砂埃の中、しわがれた声がまるで子供へ教えるような淡く優しい声色で言った。

 そこにやはり敵意は無いが……少女の胸中に巨大な違和感を生ませる。

「私は攻撃しない、それに君の攻撃では私は倒せない」

 スライムは人間であれば首を振っているのか、眼球を左右に振り、やれやれと溜息を吐く真似をする。

 妙に人間臭い外なる生物、攻撃も当たらず、自分一人では倒せない――ならばどうしようか。

 獣人少女は考える。

 地面から生えた様に刺さった剣をやっとの思いで抜き、一太刀振るおうとするが、結果手を止め、この不可思議な生物の目前へ剣先を突き付け、今しがた思いついた言葉を質問として投げた。

「敵意が無いのも分かった、私に貴方を倒す力が無いのも分かった……けれど貴方は一体何がしたいの?」

 その話次第では力になれる。獣人少女はそう続けて突き付けた剣を鞘へと差し込んだ。

「私は人間を学びたい。なぜ我々外なる神々を信仰する者が君達を殺すと願うのか、それが知りたい」

「……いいわ、なら私についてきて。私が寝泊まりしてる町まで案内してあげる」

 右手を剣の柄に触れ、獣人少女はその端正な顔立ちを、出来る限り無表情を装った――内心は笑っているのを表に出さない為に。

 この奇想天外な喋る化物、こいつを町まで連れていって倒す算段を立てる為だ。

 手柄自体は独り占め出来ないが……こいつを連れ、情報を提供する事で討伐出来ればそれなりに名声が手に入り、そうすれば――――という知恵を働かせ、一時的な休戦協定。

 危険を生み出す芽を早々に摘めるのだから国も報酬は弾むはず。

「それは良い話だな、乗ろう」

……知能はあれど、無知なのか。

 抑揚の無い声だが、嬉しげにスライムはたぷたぷと体を飛び跳ねさせた。

「では親交として名前を教えてもらおう」

「……」

 腕を組み、左手で口元を覆い深く考える獣人少女。

 すると湿気を含んだ不快な風が、この場に残り続ける亡者の声の様な音を揺れる木々からかき鳴らし、吹き去った。

 少女は数秒ほど考えた後、口元を隠したまま恐る恐る言った。

「ウォー……ル」

 蚊程の小さな声。

 目的があれど、目前の奇妙で不可思議な生物へと名乗るのは、抵抗があった。

 喋れようが、知能知性があろうが、奴は秩序の敵。

 蟠りなど取り除ける方がおかしい。

「ウォールか、いい名だ。私には名前が無い――好きに呼ぶといい」


 しかし秩序の敵はそう言うと、ふっと僅かに無い頬を緩ませた。

 その妄想は、少女の心へ突き刺さる。

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