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僕の海馬を君に贈りたい  作者: ハイドランジア&シーク
【第三種「受容の種」―自分を受け入れる―】
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「私も男装をする必要がなくなるのかと、 つい思ってしまっただけだ」

「ふっ。そうか、楽しみしてるよ」


「あー、今笑いましたね!


 絶対大きくなりますから! !」


「いや、別に馬鹿にしたわけではないよ。


 そうなったら、

 私も男装をする必要がなくなるのかと、

 つい思ってしまっただけだ」


 また、その壊れそうな儚い目。


 どうして時々、そうやって儚い目をするんですか。


 男装をする必要って何のことですか。


 それって、

 由野さんの過去と何か関係あるんですか。


 訊きたいことは山ほどあるのに、

 結局彼女には触れられなかった。


 触れたいと思って、

 手を伸ばしかけたのに、その手は引っ込ませてしまった。


 彼女を知れば知るほど、謎が深まっていく気がする。


 霧が晴れても、すぐに霧が立ちこめてしまうから。


 しかし、彼女についてより

 深く知りたいと思ってしまったのは今日が初めてだろう。


 いつもは、手を伸ばしかけることすらもなかったのに。


 傷つくなら、知らずにいようと思っていたけれど、

 知らないことで彼女を傷つけているなら、

 これからも傷つけるなら、知ってもいいのかな。


 彼女が抱えるものから解放してあげられるなら、

 重荷を分け合えるなら、

 僕は彼女に歩み寄ってもいいんだろうか。


 至って抽象的な問いかけではあったが、

 僕は真剣にこの答えを探していた……。


 早いことに夏休みも終幕を迎え、新学期に突入した。


 因みに、課題とかそういうものはバイトの休憩中や、

 仕事終わりなんかに由野さんが教えてくれたこともあって、

 早々に終わらせていた。


 そもそも、ちょっと頭が悪いだけで、

 課題を溜め込むような性格ではないんだ。


 ところで最近では、

 黒田くんとも以前のような間柄を取り戻し、

 鈴木や宮田のみんなで遊んだりしている。


 それを、鈴木や宮田が哀れむような目で

 黒田くんを一瞥し、僕にこんなことを言ってくるんだ。





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