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僕の海馬を君に贈りたい  作者: ハイドランジア&シーク
【第三種「受容の種」―自分を受け入れる―】
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「花火をしよう」

「さあ、こっちだ」


 彼女はそう言って、僕の手を強引に引き、

 店の奥へと歩みを進める。


 一番奥の扉を開くと、店の外へ出てしまった。


 けれど、そこにはまた一つ建物があったんだ。


 彼女はなおも僕の手を掴んだままで、さらに足を進めた。


「これだよ」


 彼女が指さす方へ目を遣ると、

 水の入ったバケツと長方形のナイロンの包みがあった。


 確認するように、彼女の顔を見てみる。


「花火をしよう」


 彼女はそう言うと、言い訳のように理由を説明し始める。


「以前、君の誘いを断ってしまっただろう。


 あのときは安易に断ってしまったが、今にして思えば、

 あれは私に休めという君からの粋な計らいだったのに、

 気づけなかった。


 かと言って、

 そんなに長時間休みを取れる暇はあまりないし、

 今日は定休日だから余裕があると思ったんだ。


 どうせなら、花火をやり直そうと思って、

 君を誘ってみたんだ。


 誘うタイミングが掴めず、

 急になってしまったが、迷惑ではなかったか?」


 そんなはっきりと由野さんの為に

 誘ったと言われてしまうと、心苦しい。


 あんなにも、誰かの為なら、

 しっかりとした対応がとれるのに、

 自分のこととなると急に弱気で分かりづらくなる。


 普段の僕に対する少し横柄な態度は、

 素の自分とバランスをとるためだったのかな。


「大丈夫です、暇だったんで。


 いやー、手持ち花火なんて、久しぶりですよ。


 せっかくだから、目一杯楽しみましょう!」


「ああ、そうだな」



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