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僕の海馬を君に贈りたい  作者: ハイドランジア&シーク
【第三種「受容の種」―自分を受け入れる―】
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健康定食

『昼食はとらないのか』


 そう言ってくれて。私は食欲がないからと、 

 意地を張ってしまったんですが、

 そのときにお腹の音が鳴りました。


『ダイエットしたいのかもしれないが、

 飯はちゃんととらないと体を壊すし、

 すぐに痩せるわけでもない。


 それに、また会社で倒れられでもしたら迷惑だ』


 なんて言われて、心配されているのか、

 ただ貶されているだけなのか分からなくて、

 最初はとても腹が立ちました。


 すごく、

 理論的でそこには彼の気持ちがないように感じて、

 空しく思ったんです。


 でも、彼は続けてこうも言いました。


『今から食欲が湧く店に

 連れて行ってやるから、ちゃんと食べろ』


 そう言ってくれて、

 彼は不器用だけど私のことを

 本当に心配してくれているんだなって思えました。


 その後、彼は私の腕を引くようにして、

 お店に連れて行ってくれたんです。


 その店に着くと、

 健康定食みたいなものが出てきました。


 それは出汁の利いた優しい味付けのものばかりで、

 心が暖まるような料理でした。


 由野さんがつくったものは優しい料理だとするなら、

 その店の料理は

 実家のお母さんがつくってくれたような暖かさでした。


 普通に食べ切れましたし、

 その後吐いたりすることもなかったんです。


 勿論、この店で食事をした後も吐いてはいないんですが、

 それ以外の自分で食事をしたときは

 いくらか吐き戻してしまいました。


 こんな風に心配してもらえたのは

 家族や由野さんたち以外に初めてで、

 それが何より嬉しかったんだと思います。


 私のことを他にも気にかけてくれる人がいると

 思えただけでとても気が楽になりました。





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