会社の同僚
「由野さん、
さっきの種ってどちらも同じもものですよね?」
やれやれといったように彼女は真相を教えてくれた。
「全く、よく気がついたものだな。
そうだよ、
あれはどちらも同じ双子種で、自己愛と受容の種だ」
「いつもなら自分で考えることが
大事だとか言ってるのに、今回はえらく干渉しますね」
すると、由野さんはいたく真剣な表情でそれに答える。
「今回の場合はね、
一つでも選択を誤ると多大な影響を与えてしまうんだ。
それに、自分で選んだと思うことが重要なんだ、
彼女についてはね。
彼女の病を治すには、
もっと別のアプローチが必要でな、
私はその手助けをしようと思っているんだ。
周囲の存在に気づくべきなんだよ、彼女は」
何か具体的なことに対して
言っているような物言いだった。
それはいずれ知ることになるんだろう、
きっと訊いたって教えてくれはしないのだから、
訊かずに待っておくとしよう。
それから三日後、
彼女はやや興奮した様子で店を訪れた。
彼女は誰かに話したくて仕方がなかったようで、
由野さんが「どうかしましたか」と声をかけると、
食らいつくように話し始めたのだった。
――種に水をあげたら、翌日には芽が出ていて。
少し軽やかな気持ちで出社しました。
でも、また過食になってしまうのが怖くて、
昼食をとることを躊躇していたんです。
そうしたら、
会社の同僚の男性から声をかけられました。




