「自己愛・自信・受容」
彼女は目を見張り、そんなこと……と呟いた。
そりゃそうだろう、こんなに重く、
プライベートに関わる話を
第三者ではない誰かに話すというのは、
大層勇気が必要なことだ。
それに、赤の他人でもない限り、
こんなに大事な話は信頼している人
でないと話すに話せない。
彼女にはそういう人がいなかったからこそ、
こうして悩み、
赤の他人である由野さんに相談しているんだ。
ただ、由野さんが何の考えなしに
アドバイスをしたとは思い難い。
そこには何かしらの意図があって、言っているはずだ。
由野さんはここからが本領発揮と言わんばかりに、
慣れた様子で、彼女に魅惑的な甘い言葉を囁く。
「あなたが自分を好きになれる、
お手伝いをしましょうか?」
ニヤリと妖しげな笑みを浮かべ、
由野さんは彼女に「種」の話を提案する。
彼女はもう、驚くということを諦めたのか、
妙にすんなりとその提案に耳を傾けた。
「その話、詳しく聞かせてください」
氷川さんのときと同じく、種についての諸説明がなされ、
彼女はふんふんと、しっかり話を聞いているようだ。
説明に区切りがついたところで、
由野さんは珍しく、具体的な質問を与える。
「自己愛・自信・受容、
あなたにはどれが必要ですか?」
彼女は苦悩の表情を浮かべ、
必死に一つを選び抜こうとしている。
彼女は考えた末に、
どうも答えが出せずにいるようだった。
見かねた由野さんは店の奥に行き、
二つ種を手に、戻ってきた。
由野さんは二つの種を見せ、彼女に再び問いかける。




