「食べ吐き」
私は縋るように食べ物を口にして、
狂ったように食べ続けました。
食べることで、落ち着くことができたんです。
夜中でも、冷蔵庫の中身を食べ漁りました。
そして、そのツケとして、
当然のように、急激に太りました。
それを男子たちはからかいのネタにし、以前にも比べて、
いじめは悪化しました、彼がいなくなったからです。
自己評価が急降下していくのも時間の問題でした。
自分が太っているから全て悪いと思い込み、
ダイエットを始めました。
しかし、途中から全然体重が落ちなくなり、
心の支えもなく、再び食べ物に頼り、
いつしか食べ物依存に陥っていました。
でも、もっと太って周囲に嘲られるのも嫌で、
太ることが怖くなりました。
そして、喉に指を突っ込んで
「食べ吐き」を繰り返すようになりました、
指だこができるまで。
きっと、彼に無視され続けたことが
何よりも辛かったんだと思います、
それほどに信頼していましたから。
以前に彼女の話を聴いたときも思ったが、結構重い話だ。
悲しい過去を未だに清算できずに、
ずっとトラウマに囚われて、苦しめられているなんて。
由野さんはどう対処するんだろう、
どうやって彼女の傷を癒すというんだろうか。
由野さんは目を瞑り、少し考え込むと、
思い付いたように、ぱっと顔を上げて彼女に提案する。
「一度誰かに、弱音や本音、
このことを打ち明けてみてはいかがですか」




