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僕の海馬を君に贈りたい  作者: ハイドランジア&シーク
【第三種「受容の種」―自分を受け入れる―】
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理性の意図がプツン、

 彼女は近況、最近の食生活などを話し、

 由野さんのアドバイスを欲する。


 由野さんは今までの話を鑑みて、

 摂食障害の原因は

 過去のトラウマにあるのではないかと推測した。


「あなたは、

 過去にトラウマになるような経験はありましたか?」


 そう問うと、彼女は驚嘆の音を漏らし、

 彼女の口から真実が告げられる。


「多分そうなんだと思います」


 という切り出しから始まり、

 彼女の小学生時代のことが語られた。


 ――それはまだ私が小学六年生だった頃、私は勉強ができて、

 食べることが生きがいだというくらい大好きな、

 ぽっちゃりした女の子だったんです。


 その頃の私は、自分のことが好きでした。


 体型は、身長百五十センチ程度で、

 五十キロ前後のぽっちゃり度合いです。


 BMI二十二を少し越すくらいなので、

 どちらかというと健康体という領域を出ませんでした。


 私には好きな男の子がいました。


 クラスでは目立たない男の子だったけれど、

 いつも優しく接してくれて、庇ってくれていたから、

 彼に恋をするには十分な理由でした。


 バレンタインにお礼も兼ねて、気持ちを伝える為、

 チョコレートを手作りしました。


 誰にも見つからないよう、こっそり渡すつもりだったのに、

 それをいつもいじめてくる男子たちが見つけてしまって、

 取り上げられました。


 そのうえ、普段からよく彼が庇ってくれていたこともあって、

 彼に渡すものだと知られてしまいました。


 そのせいで、標的は私から彼へ移り変わり、

 男子たちは彼をからかい始めました。


 男子たちがしつこくて、

 我慢の限界に達しただけなんだと思いますが、

 彼はこう言い放ちました。


「うるさいな、一条のことなんかすきじゃない」


 そう断言されました。


 男子たちがやーい振られた、

 振られたとからかってくる言葉よりも、

 彼の言葉だけが胸に突き刺さりました。


 そのことをきっかけに、

 彼は私と口も利いてくれなくなりました。


 私にとっての、

 唯一の支えだった彼は私から離れていってしまい、

 張りつめていた理性の糸がプツン、

 と切れてしまったんだと思います。




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