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僕の海馬を君に贈りたい  作者: ハイドランジア&シーク
【第三種「受容の種」―自分を受け入れる―】
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拒食症

「貧血と栄養失調で倒れたと、おっしゃっていましたが、

 その原因に心当たりはありますか?」


 彼女は、親身に話を聴いてくれるのが

 余程嬉しいのか、とても素直に答えた。


「はい、あります。


 恥ずかしながら、食生活がよくなくて。


 ダイエットを始めてから、

 あまり食事をとらなくなったんです。


 それを続けていたら胃が小さくなって、

 だんだん食べ物を食べるのも面倒になってきて、

 食べ物を受け付けなくなりました。


 そのせいで、倒れてしまうのに、

 どうにもできない自分が嫌で、変えたいんです」


 思ったより、深刻な悩みだったが、

 それに対して由野さんは意外な返答をした。


「無理に栄養補給をしようとせず、

 一度、好きなものだけでもいいから、

 一日に一回は何かを食べてみてはいかがですか?」


 彼女はその答えに納得したようで、

 電車が動き出すのをスマホで確認すると

 すぐに会計を済ませ、店を後にしたのだった。


「彼女は重度の拒食症だ。


 拒食症は精神的なものが関与しているだけに、

 治すには時間がかかる。


 すぐに解決するなんて思わない方がいい」


 安易な僕は、これで解決したかと思いきや、

 そう上手くはいかないもので、

 由野さんの言う通り、時間がかかりそうな案件のようだ。


 翌週の木曜日、

 バイト終わりに由野さんを花火大会に誘ってみた。


 しかしながら、予想通りの答えを返されてしまった。


「すまないが、私には店があるのでね。


 君は親しくなったとか言う、

 友人たちと楽しんでくるといい。


 ちゃんとシフトは開けておいてやるから、案ずるな」





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