表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕の海馬を君に贈りたい  作者: ハイドランジア&シーク
【第二種「感情」―表現する術―】
66/172

あなたの選んだ心の成長

「それでは、『種』自体の説明をしますね。


 種は土に植えて、

 週に一、二回水を与えたら十分です。


 また、種は鉢で育てられ、

 日光が当たらない部屋の中でも育てられますよ。


 種は、心の状態を反映、投影するもので、

 成長を促進してくれるものです。


 そのため、種が生長すると、

 育てた人の心も成長しますし、その逆もまた然り。


 あなたが選ぶ心の種が、

 あなたの選んだ心の成長を促してくれるでしょう」


 難しく、いつもながら、やや抽象的な口調であったが、

 これで理解できるだろうか。


「なるほど。普通の種ではないのですか。


 しかも、願いを直接叶えるのではなく、

 心の成長を促すという点がまた面白いですね」


 え、あれで理解できたんだ。


 流石、二十七歳の大人なだけある。


「それと、種は育っても、育たなかったとしても、

 店に返却しに来てください。


 実が生れば、それを一つ回収します。


 二つ返してくだされば、

 種のお代は返金させていただきます」


 またもや、突拍子もない話だけれど、

 彼は話についてこられるようで、

 加えて、質問を投げかけた。


「あの、実って食べられるものなんですか?」


 彼女は甘く穏やかな笑みを浮かべて、答えた。


「はい、食べられます。


 それに、とっても美味しいですよ。


 ですが、二つ以上実が生らなければ、

 食べる機会はありませんね。


 因みに、うちでは実を調理して提供する

 サービスも行っておりますので、

 よろしければそちらもお試しください」


「あの、その実って

 他の人が食べることはできないんですか?」


「いえ、それはできますが、お勧めはできません」


「というと?」


 苦渋の表情を浮かべ、

 重々しくその唇を開いたんだ。


「過去にそれをして、

 大惨事が起こってしまったことがありました。


 誰も彼も救われない結果でした。


 私が気づいたときには手の施しようも、

 修復のしようもありませんでした。


 だから、他の人に

 実を食べさせることはしないでください」


 あまりの剣幕に彼もあっさりと身を引いた。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ