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僕の海馬を君に贈りたい  作者: ハイドランジア&シーク
【第二種「感情」―表現する術―】
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心を成長させる機会

 これは僕の想像だが、今、

 彼女は彼の言葉を受けて、

 こんな風に考えているだろう。


 ――彼は周囲が言うほど、無感情でも冷血でもなく、

 ただそれを上手く表現することが

 できていないだけかもしれない。


 もしかすると、理性的で、

 物事を論理的に考えすぎるのかもしれない、と。


 だからこそ、

 今の彼には感情的に行動することと、

 本能の赴くままに生きることが必要だろう。


 それには、

 自分の気持ちを明確にすることが必要になる。


 ただ、これは僕が感じたことに、

 彼女ならこう考えるだろうと

 彼女風の脚色を加えたものだ。


 僕が考えた彼女の思考と、

 彼女の思考がどれだけ離れているのかは、

 判らない。


「では、

 恋をするためには何が必要だと思われますか?」


 彼女の言葉を聴く限りは、

 ある程度は近しいものと考えていいだろう。


「感情の豊かさだと思います」


 彼の難しい答えに彼女は

 彼女なりの解釈を加えて、返答を試みる。


「それは表現力の豊かさだと

 考えてよろしいでしょうか。


 だとするなら、

 『素直さ』『思いやり』『情熱』『洞察力(勘)』

 それとも、『本心』など、

 あなたには何が必要ですか?」


「表情、だと思います。


 無感情だとよく言われましたが、

 何を考えているか

 よく分からないとも言われますから」


 きっと彼に必要なのは自分自身で考えること、

 自分の気持ちを知ることだろう。


 彼が店を去った後で、彼女に答え合わせを願おう。


「そうですか、表情ですね。


 つまり、自分の感情を表現する術が欲しい、

 ということですか?」


「そうだと思います」


 流石は彼女だ。


 相手の欲しい言葉を渡せている。


 と、ここまでは至って順調だった。


「私、心の『種』というものをお売りしております。


 それは、願いを『叶える』

 というわけではありませんが、心を成長させる機会、

 『種』をお売りすることで、

 願いを叶えるお手伝いをしています」





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