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僕の海馬を君に贈りたい  作者: ハイドランジア&シーク
【第一種「勇気の種」―自分次第の力―】
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終息

 一つの課題はクリアした。


 あともう一つは、単純だけど案外難しいものだ。


 くるりと振り返り、

 鈴木くんに言い損ねてきたことを告げる。


「ありがとう。


 それと、

 今までいじめられてたの無視したりして、

 ごめん。


 初め僕はただ、

 君と友達になりたかっただけなんだ。


 こんなこと言うのは今さらかもしれないけど、

 僕と友達になってくれませんか?」


 どこか告白じみていて、

 妙な気恥ずかしさを感じた僕は赤面し、

 俯いてしまった。


 ナニコレ、余計に告白みたく見えるんだけど? 


「そんなの、もう無理――」


 ありったけの勇気を込めて言った言葉だけに、

 そうはっきり拒絶されると流石に落ち込む。


 と、肩を竦めていると、

 前言を撤回する言葉がかけられた。


「なーんて、嘘だよ。いいよ。


 こっちこそ今まで酷いこと言ったりしてごめんね。


 佐藤が俺を庇ったら、

 佐藤が標的にされるのは明白だったから。


 でも、正直見直したよ」


「ありがとう」


 もう一度、踵を翻して、彼らに視線を送った。


 彼らへ向けて、告白するんだ。


「今までいっぱい無理してきた。


 自分を縛ってきたから、

 言いたいことも言えなくて、モヤモヤしてた。


 でも、これからは言いたいことはちゃんと言うよ。


 いじめなんて嫌だし、誰かの愚痴ばかりを言って、

 自分たちを上げるようなことも嫌だった。


 僕はもうそんなのしたくないし、

 黒田くんたちにもそんなことさせたくないから。


 友達なのに、今まで止められなくてごめん」


 最後に、たった一人に向けてこの言葉を吐くよ。


「今まで一緒にいてくれてありがとう。


 黒田くん、また今度、

 予定が空いてるときにでも、

 前みたいにみんなで遊ぼう」


 めった打ちにされて、萎れていた彼だったが、

 今の言葉で少し元気が出たようだ。


「……これからも、遊んだり、

 普通に話しかけたりしてもいいのか?」


「もちろん! これからもずっと友達だよ」


 にこっと甘い笑顔で答えてみせた。


 彼は戸惑ったように、しかし、安堵する。


「そうか、ありがとうな昇汰」


 これで一連の事件は終息を迎えた。



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