納得
そういうわけで土曜日はなずと二人でカラオケに行き、
歌の練習に付き合った。
日曜日はなずも遊びに行き、
母と父も急な仕事が入ったとかで、
僕は部屋で読書に勤しんだ。
シリーズものの続刊や、読み切りの小説など、
買ってはいたものの手を付けられていなかった
本を全て読破することができ、
満足な一日を過ごせたのであった。
因みに、読書にはリラックス効果があり、
ストレスを半分以上軽減できるらしい。
嘘か誠かは分からないが、
僕は読書をすると清々しい気持ちになるから、
個人差はあっても、
あながち間違いではないと思える。
今日は清々しい気分のまま床につき、
何度も夢を見ることもなく、朝を迎えた。
彼らに無視をされたまま、休日を挟んだ為、
どう対処するべきなのか分からない。
とり敢えず、
彼らの出方を窺ってみるしかないと思った矢先、
彼らが教室にやってきた。
前例と同じく、
また無視されると思っていた僕に、
彼らは近寄ってきて言うんだ。
「はよー昇汰」
「おはよ、佐藤」
「はよっす、さとちん」
何でもなかったかのように、ごく自然に。
僕は拍子抜けしながらも、恐る恐る返事する。
「お、おはよう」
「どうしたんだよ昇汰。
あ、話があんだけどいいか?」
そう言うと彼らは僕を男子トイレに連れて行き、
静かに扉を閉め、
一人が扉の前に立ち、出口の監視に回った。
「昇汰さー、この前、鈴木のこと庇ったよな?
どうしてかなんてどうでもいいんだけどさ……
お前、アイツのこといじめろよ。
お前がいじめた方が効果てきめんだろ?
優しくしてもらった奴にそんなことされたら、
流石にアイツだって傷つくだろうし。
昇汰のこと、仲間だって信用したいからさー」
ああ、何だそういうことだったのか。
つまり、僕を共犯にさせて
逃げられないようにしたいんだ。
この前のことを許してやる代わりにお前も手を汚せ、
とそういうことなんだろう、な。
これで妙に納得がいってしまった。




