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僕の海馬を君に贈りたい  作者: ハイドランジア&シーク
【第一種「勇気の種」―自分次第の力―】
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応急手当も方法を謝れば

「落ち着け、別に君の行為そのものを否定しているわけではないよ」


「えっ?」


 別方向からの切り返しに僕の脳は混乱し、

 急速に冷静に戻る。

 それを見ていた彼はさらに続けた。


「君のやり方が、あまり良くないと言ったんだ。


 その方法では却って、

 彼らの怒りを沸き上がらせるばかりだよ。


 それに、それは姑息的なものにしかすぎない。


 さしずめ、応急手当と言ったところだろうかな。


 しかし、応急手当も方法を誤れば

 悪化させてしまうことも有り得るんだよ」


 彼の言わんとすることは、

 分からないでもない気がする。


 しかしどうにも、最後の糸口、

 つまるところ結論が見えてこない。


 彼の言葉は比喩的で、

 どこか具体性、現実性に欠けている気がする。


「それで、あなたは何が言いたいんですか?」


 彼の回りくどい口調に、些かだけれど、

 着実に苛立ちを感じ始めている僕に気づきもせず


 ――いや、彼はきっと気づいているんだろう。


 気づいていても、素知らぬ振りで、

 そんなことはお構いなしなんだ。


 だって、

 彼はとても愉快そうに口角を上げて喋っている。


「流れ出す血を拭き取ったって血は止まらないだろう?


 つまりはそういうことだよ。


 君は血を拭き取ったにすぎないんだ。


 血を止めたいなら、

 傷口を塞がなくては意味がないんだよ」


 彼の言葉はやっぱり比喩的で、

 言葉の意味は分かるし、理解できる。


 だけれども、心裏が分からない。


 言葉の裏に隠されている真意が曖昧で掴めないんだ。

 

 多分これは、

 クイズのように僕に問うているんだと思う。


 少しずつヒントを与え、

 僕に答えを導き出させようとしている、のかな?


 あまり自信がないから、断言はできないけれども。



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