友達になりたかった
その言葉で僕は彼に、
心に抱えているものを吐き出した。
どうしてそこまで素直になれたのか分からない。
胸の中がパンクしそうになっていたほどの思いは、
言葉の海となって溢れ出ていく。
取り留めもなく話す僕に、
呆れるでもなく彼は僕の目をじっと
見据えて聴いてくれていた。
ずっと誰かに言ってしまいたくて
モヤモヤしていたものが取れて
すっきりした僕はそれで終わりだと思った。
しかし、最後まで僕の話を聴いていた
彼はこんな質問を、僕に投げかけた。
「君はどうしたいんだい?
私に話してごらん」
僕はいつもクラスに一人でいる彼に声をかけた。
それは同情なんてものではなかったのに。
僕は間違えて、勇気も足りなかった。
僕は俗に言う八方美人で、
みんなにいい顔をしていた、
そうしようとしていたんだ。
しかし、本当に親しいと言える友達も、
頼れる友達も数少なくて、
クラスには一人もいないから……
僕は自分の好きな本と
同じものを読んでいる彼を見かけて、
衝動的に声をかけてしまった。
彼はクラスで孤立していて、
誰も声をかけないことが暗黙の了解となっていて、
それを振り払う度胸もないくせに、僕は貪欲だ。
そのせいで彼はいじめの標的になった。
そしてそれを止めることもできない僕、
意気地なし。
自分のせいで起きたことなのに、
その責任をとることもできない自分を恨んですらいる。
この気持ちを、情けない自分を、
言葉にして誰かに訴えたいと願っていたんだ。
だから、彼の言葉に惹かれ、縋りたいと思って、
僕はただの本音をただ、音にして発信する。
「僕は彼と、友達になりたかったんだ。
今さらかもしれなくても、
僕は彼へのいじめを止めて、彼と友達になりたい」




