1/4
勤務開始
退屈すぎる──。
自然と目を逸らしながら歩く朝の街。
とあるビルに入り部屋の扉を開ける。
スーツ姿の男たちがこっちを見る。
僕は「う、うっす」と言いながら席に行きカバンを置く。
本当は帰りたい。
ロッカーからスーツを取り出し着替える。
一人の男がこっちに向かってくると「おい」と声をかけてきた。
「その戦闘服になれたか?」と聞いてくるので、僕は「ま、まだ慣れないですね」と返事する。
ほかの男が「そら、慣れないだろうな」と言う。
その言葉を聞きつつスーツのセッティングを済ます。
「ガチャ」っと、扉が開くと男が、血まみれで入ってくる。
ババババとスーツの音が響く。戦闘が始まるようだ。
この国は法治国家で、スーツが全てを決める。
スーツは戦闘服なのだからね。
僕は扉を開け、いつもの戦いへ向かう──。