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お引っ越し

私は王妃になりました。

そうはいっても実感はまるでわかないけれど、どうやら私は今この時をもって国王陛下の妃とやらになったらしい。

この吉事を祝福するために王都のすべての教会が鐘を鳴らしている。

私は現在ここに付いたときに案内された小部屋で昼食を食べていた。

今日の食事は豪華で、なんと骨付き肉が付いている。

普段もスープに形のあるお肉が入っていたので大変満足していたが今日は更に素晴らしい。

これは特別な時に出される料理に違いない。

ところで、王妃になるには誓いの言葉と誓約書へのサインが必要だと聞かされていたけど違ったのだろうか?

まあ東方は文化的に異なる部分があると聞いているので、国で教えられたことと違っているけどこれが普通なのだろう。

この件はとても疑問なのだが事実を確認しようにも、部屋の外で警護してくれている騎士や食事を持ってくる侍女は私が話しかけても全く相手をしてくれない。

この国ではきっと臣下は王族とみだりに口をきいてはいけないのだろう。

ともかく王妃になるための儀式は大聖堂で厳かに執り行われたはずだ。

昨日そんな話を騎士たちが話していた。

ああ、あと明日からは私は離宮の一つで生活することになるらしい事も話していた。

引っ越し準備なんて着替えくらいしかないので別に時間はかからないけど何で事前に教えてくれないのかな。

ともかく、骨付き肉が旨い・・・



離宮での生活が始まった。

私の部屋の広さは相変わらず小さめだ。

だけど二階の部屋以外の設備は自由に使えるから特に不満は無い。

それに警備の騎士たちは離宮の門に配置されたので国での状況と変わりなく自由に行動できるようになった。

あの部屋監禁されてるみたいで息苦しかったんだよね。

まあ、三食昼寝付の生活だったからそれほど不満は無かったけど。

しかし、この離宮は結構広い。

これをほぼ全部利用できるなんてこの国の王妃って素晴らしい。

今日も用意された食材を図書室にあったレシピ本の通りに調合する。

「塩、少々・・・少々とはどのくらいのことだろうか?」

ここは勘で良いだろう。

足りないと思ったら後で足せば良いのだから。

今日までの経験で私の調理の技術は大幅に向上している。

卵の殻はジャリジャリして美味しくないこと、ブルストは干し肉と違って冷蔵魔法具の中に入れておかないと食べられなくなること、取り敢えずスープにしてしまえば何でも食べられるようになること。

私、もしかして料理人になれるんじゃないかしら?

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