出兵
この日、コルト王国に潜ませてあった影から報告があった。
”コルト王国の内乱によりアフロディーテ様の生死不明”
この情報は最優先でもたらされた情報だが日付は一ヶ月以上前のものであった。
おそらくコルト国内が荒れており、影たちの情報伝達に問題が生じているのだろう。
「グランシェン公爵、分かっているとは思うけど要請もないのに軍が国境を越えたら侵略とみなされるし、当然抵抗を受けるからね。公爵領の軍を率いて突撃したらダメだよ」
陛下はワシをなんだと思っているのだ。
「そのようなつもりなどない。コルト王国の混乱が長引けばゲジット帝国が侵攻してくるのは目に見えている。単に使者を派遣して状況を確認させるとともに国境に軍と物資を集結させてその時に備えるだけだ」
整然とした建前を用意し国家として正しい対処を行うだけだ。
ただ急な命令により一寸した行き違いがおこり、過剰な戦力の集結が行われる場合もあるだろう。
それは現状を踏まえれば仕方のないことだ。
「・・・・・分かったよ。公爵のやることはすべて承認してあげるし、ある程度はアフロディーテの事を優先しても構わない。だけどゲジット帝国の侵略や干渉だけは必ず阻止して欲しい」
流石、我が敬愛すべき国王陛下だ。
「御意!」
国境にある程度の軍が集結した頃にコルト王国からの使者が国境にやって来た。
ワシはコルトの王からの信書を奪い取・・・宰相兼騎士団長として拝見した。
「やはり帝国は攻めてきたか・・・よし、後続の指揮はハイデマリン子爵に任せる。ワシはこの者と一緒に先行する」
ワシは事前に準備していた騎兵部隊とともにコルト王国からの使者を連れて国境を越えた。
王都への報告とか色々忘れていたが、ハイデマリン子爵が良いようにやってくれているだろう。
今は一刻も早くコルトの王宮に向かいディーの行方を捜さねば。




