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あしたのスイーツ  作者: 自 悠翔 /Onozu Yuto
4/6

とんかつを挟んで聞かされた真実


タイムマシーンに案内された場所はネオマネーシティの観光名所、「ゴッドマネーツリー」。近くには川が流れていてツリーの麓には「ネオマネソラマチ」がある。


「うわー金色だなー」

シャッターを切りまくる翔太に対して冷静を保っているのが兄弟。

「ネオマネソラマチっちゅーところにもスイーツは腐り果てて置いてあるんだろうな。」

という三中の意見には2人も同情。

「おーい、乗り込めばいいんだよな?」

とタイムマシーンに聞くと

「ネオマネソラマチの『とんかつ和膳 四朗』に寄ってください。オーナーが待ってます。」

と返ってきたので向かうことに。


一方、残された写真同好会は東京駅をパシャパシャ撮っていた。

「ねぇ、ほんとにあいつら未来に行ったんか?」

「4次元の世界でフヨフヨしてるだろ」

とかなんとか話していたら、そのうちの一人、恭平きょうへいが何か拾ったのであった。


「とんかつ和膳 四朗」で待っていたのは『上灘うわにた 京香きょうか』という、このツリーのオーナーの娘、だそうだ。まずは、お近づきの印にとんかつをご馳走になった。


四朗はとんかつ業界最強と呼ばれ、揚げものグランプリとんかつの部で殿堂入りするなど、異色の経歴を持つ店。

ここがいわゆる、本店で全国各地に展開しているらしい。


「おいしいかな?」

と京香が言うと

「ネバーエンディングまいう〜」

と翔太が返す。

「あっ!それ『石塚英彦』っていう人のやつだよね?まいうー知ってるよ!」

と予想外の答えが返ってきたので聞く。

「ここでの石塚さんの存在って?」

「グルメリポート業界のGODよ」

「ほほう」

「食レポで石塚さん意識してない人なんていないわ。それくらいよ。」

そうなんだー。初耳。


ドテッッ

「イッタイなぁ、もう!」

浩樹ひろきが恭平に対して言う。

「しらねぇよ。ってここどこ??」

有難いくらいのテンプレートリアクションいただいたところで早速タイムマシーンが話し出す。

「みなさんこんにちは。」

うわぁぁぁぁしゃべったあぁぁぁぁぁぁ

という、こちらもテンプレリアクションいただいたところで、タワーに向かえと命令される。


「平成スイーツを取り戻す!!?」

単刀直入に言われてもよくわからない。

「平成の頃のスイーツはとても美味しかったって小耳に挟んで、平成のスイーツの人間に作ってもらえたら父と考え直すかなって。」


時任兄弟がいる35年後の世界からおよそ25年も前のお話。

2028年のことだった。

平成が終わり、「平成生まれスイーツ」がしばらくは東京、のちのネオマネーシティに多かった。


転機はその年の秋、京香の父の『上灘うわにた 鑑三かんぞう』は自ら育てた上灘財閥の力で東京を変えていった。

スイーツ嫌いの鑑三はスイーツの店に対して次々に閉店命令を出し、ヤンバル街に追いやった。

甘党の京香は何度も訴えたが、聞く耳を持たなかった。


京香は最終手段として2018年、平成スイーツ最盛期のこのときから人を呼び込めるように2つタイムマシーンを置いて行った。


「ん?2つ??」

「俺らは1つしか持ってきてないぞ。」

と返すと、

「もうひとつは東京駅を眺めるところ?に置いていったんだ。」

このとき、時任兄弟は知らなかった。このあと、この先の人生で経験しないであろう、展開が待っていたことを。


続く


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