おまえ、モンブランなのか?
「ねぇ、どこにもなくない?」
三中が若干キレはじめた。スイーツ大好き弟の元克……三中は未来のスイーツを食べようと35年後の東京「ネオマネーシティ」を彷徨っているが、どこにもなく1時間が経とうとしていた。
「なんで俺らこっちに来たっけ?」
と、翔太が問いかけると
「今は三中のスイーツ巡りしないと。」
と即答。
気付けば、夜でも明るいネオマネーシティを抜けて、「ヤンバル街」という暗い街に入っていた。
ヤンバル街の奥に行ってもスイーツ店はない。居酒屋、ラーメン屋、おでん屋台などなどが数軒ある。
ヤンバル街のさらに奥に入ると、不気味な雰囲気の「無添くら寿司」があった。
客も少なく、回転している寿司も少ない。しかし、お皿のガチャだけは健在だった。
席に着くと、三中がくら寿司で見たことないスイーツを注文していた。
「お…『くら寿司モンブラン』か。」
無論、拓海と翔太はまぐろを注文。
少しして、進歩のないおっそい新幹線がやってきた。
三中のテストがある。「見た目」「味」「金額」だ。見た目は合格。次は味だ。
三中は食べて、固まった。
「まっずいなぁ、これ!」
思わず拓海と翔太もスプーンを手に取り、パクリ。
「あぁ、なんとなくわかった。これ、まずいわ。」
まぐろの方はというと、35年後の寿司の代表格として相応しい味だった。
くら寿司モンブラン、と名乗るスイーツは350円くらいで、「あの味で?」と怒りを露わにしていた。
不気味なくら寿司を出て、ネオマネーシティに戻る途中、タイムマシーンから音が出てきた。
「みなさんこんにちわ。宜しくお願いします。」
こんなことをいきなり言われ「?」とならないやつは本当のバカ。
「なぁに、これ。」
と三中が口に出すと、翔太が
「これは音声ガイダンスっちゅーやつや。」
「温泉街?タンス?」
「カーナビあるやろ?あれって音声でどこ曲がるか教えてくれるやろ?あれを音声ガイダンスっちゅーねん」
「音声案内機能、っていうことだな。」
ということで、タイムマシーンの指示を聞くことに。
「光輝くタワーでオーナーが待ってます。行きましょう。」
さて、ここから急展開です。
だいたい7話から8話くらいで終わる予定です。