嵐の前の静けさの前の騒がしさ
この物語は以前、国語の授業の中で作り上げた作品です。
私が運営していたブログでこの作品を原作として連載していた「食欲兄弟 ハンバーグ ワ ミンチの決断」がありますが、当作品とは一切関係がありません。
今回、部屋の整理の時に見つけて見返していた時に、内容をより洗練し、以前のように連載しようと思い、現在に至ります。
元々、この物語は当時連載していた「リスクのカミさん」の大長編として書き上げましたが、今回は完全新作として描かせていただきます。
それでは、時任兄弟の繰り広げる時空を超えた大冒険をお楽しみください。
『ピピッ』
電子マネーが響く改札と人ごみの中に小さな兄弟が1組。今回の主人公、時任兄弟だ。
兄の拓海は頼れる小学5年生。休日はいろんな場所に行って写真を撮るそうだ。
弟の元克は小学3年生。スイーツ大好き。自分でお菓子を作ることもあるそうだ。自称「渡部を超えた世界の渡部」とよく言う。みんなからは敬意を込めて「三中」と呼ばれている。
兄弟揃って「電車好き」ということもあって、この日はじいちゃん家の金沢から新幹線で東京に戻ってきたところである。
東京駅で地下の一番街のお店を散策する、ということで弟の駅中スイーツ食べ歩きに兄は付き合わされるハメに…
「おにいちゃん、これ美味しいよ」
と弟(以下、三中)が兄(以下、拓海)に買ったスイーツを手渡す。
「サンキュー、三中。いちごタルトか。」
駅の中ではあるが、食べ歩きを堪能していたところに、一本の電話が鳴った。
「もしもし、どしたー?」
通路の端に寄り、スピーカーに耳を傾ける。
「…あ、そこにいるの。おっけー。向かうよ」ピッ
どうやら、とある所に向かうようだ。
「お ま た せ」
拓海が電話していた相手は写真同好会の面々だった。
「今日は何撮るー?」
「ちょっと駅撮っとく?」
「んぢゃ、そうしますか。」
などと会話していると、三中がとあるものを拾っていた。
2話へと続く。